”人間椅子”は現在新しいアルバム制作に向けて動いていると思われ、表立った活動や告知が少ない状況が続いている。来るニューアルバムを楽しみにしたいところだ。
そしてコロナ禍によりライブ活動ができないため、なかなか人間椅子のライブを楽しめない状況も続いている。こんな時に皆さんはどのようにして人間椅子を楽しんでいるだろうか?
今回はそんな表向きの活動がない時に、筆者が実践してきた人間椅子の楽曲の楽しみ方を紹介したい。かつてはSNSもなく、ライブもない時期は本当に何も情報がない、ということもよくあった。
そんな中で編み出された楽曲の楽しみ方をまとめてみた。手軽な方法からマニアックなものまで紹介している。
ライブのセットリストの順で聴く
最もお手軽に楽しめる方法は、実際に行われたライブのセットリストでプレイリストを作る、というものだ。
近年はライブのセットリストを集積している、LiveFansなどのサイトで人間椅子のセットリストもかなり数多く報告されている。
コロナ禍でライブに行けない中、かつて自分の参加したライブのセトリで作っても良し、あえて行っていないライブのセトリで疑似ライブを楽しむのも良しだ。
筆者の場合は、自分の行ったライブの中で特に気に入っているセトリをプレイリストとして残して楽しんでいた。やはり初めて行った人間椅子のライブは印象深いものがある。
筆者が初めて人間椅子のライブに行ったのは、2001年の10thアルバム『見知らぬ世界』の発売記念ツアーの名古屋公演だった。
※その当時を思い出して書いたブログ記事は、以下のリンクから。
初めて行ったライブのセトリを調べて、プレイリストを作ってみるのもおすすめだ。2008年以前の古いセトリを探す場合には、青森ロック大臣 練馬調査室さんに情報が集まっている。
なお近年のライブにおいて、定番・レア曲のバランスが良い、おすすめのセトリが2つある。
1つはライブアルバム『威風堂々~人間椅子ライブ!!~』のDVDにも入った、2016年7月10日(日)に新宿ReNYで開催されたワンマンツアー「地獄の道化師」公演だ。
当時の新作19thアルバム『怪談 そして死とエロス』を前面に押し出しつつ、「夜叉ヶ池」「狂気山脈」「踊る一寸法師」など長尺の曲を詰め込んだ、充実感の高いセトリだ。
少し勢い重視のセトリが多かった時期だったが、ここでじっくりと聴ける曲をライブでも披露するタイミングとなって良かったと思う。
2つ目は2018年9月7日(金)にTSUTAYA O-EASTで開催された「恩讐の彼方~人間椅子2018年晩夏のワンマンツアー」公演である。
こちらも定番・レア曲が良いバランスで、「晒し首」「ダンウィッチの怪」など昔の定番曲も織り交ぜられており、新旧のファンが楽しめるセトリとなっていた。
以上2つのセトリは、ライブでも楽しめるし、家で聴くのも楽しみやすいセトリだと思う。どうしてもライブのセトリは、家で聴くとテンションが高すぎて聴きにくいと言う弱点もある。
家とライブ会場のテンションはどうしても違うので、普段聴くのであればじっくりと聴ける楽曲も多いセトリを選ぶのがおすすめである。
全曲ランダム再生
一気に楽しみ方としてはマニアックになるが、全曲通して聴く、というのも昔やってみた。ただし人間椅子の楽曲は現在200曲を超えており、一切止めずに聴くことは無理である。
筆者は昔、「人間椅子全曲マラソン」と勝手に名付けて、人間椅子の全楽曲をランダム再生することをやってみた。ルールは、「再生し始めた機器で最後の曲まで聴ききる」のみだ。
当時はiPod classicに人間椅子の全楽曲を入れていたので、iPod classicで人間椅子の楽曲をランダム再生し始めたら、その機器では他のアーティストの曲を聴かないというルールだ。
途中で休憩しても良いし、PCで他のアーティストを骨休めに聴いても良い、ということにした。ただしあまり長い時間をかけて聴くのではなく、数日中には聴き終わるようにした。
なかなか日常では続けられないので、大学時代に卒論を書く時などに楽しみとして実施していた。やってみた感想としては、意外と楽しい、ということだった。
果てしないような気もするが、楽しくなってくるのは折り返した頃だ。100曲近く聴くと、「まだ出てない曲は何だ?」と思いながら聴くことになる。
そこで次の曲のイントロが流れると「まだこれがあったか!」と、次に流れる曲を楽しみにしながら聴くことができる。そしてラスト10曲、5曲とカウントダウンするのがまた楽しい。
全曲聴き終わった時の達成感も大きく、人間椅子マスターになったような気持ちである。人間椅子マスターへの登竜門として、時間のある方はチャレンジしてみてはどうだろうか。
プレイリストを作る
続いては実際にやっている人も多そうな、プレイリストを作るというものだ。ただし一口にプレイリストと言っても、様々な作り方がある。
基本的には、自分の好きな曲を集める、ベストアルバムを作る、ようなイメージだ。その時に何曲選ぶか、何を基準にするか、によって、バリエーションが生まれる。
そこで筆者がこれまでに試してみたプレイリストの作り方を紹介したい。
各アルバムから2曲ずつベスト
まずはベストアルバム的なプレイリストである。その際のルールとしては、「各アルバムから選べるのは2曲」というものだ。
選ぶ2曲は、そのアルバムのベスト2曲でも良いし、自分が好きな2曲で選んでも良い。全アルバムから平等に選ぶため、人間椅子の歴史をたどるようなプレイリストが出来上がる。
その際に問題となるのが、オリジナルアルバムに未収録の楽曲だ。たとえば代表曲でもある「陰獣」や「人面瘡」はどうなるのか、と言う問題である。
これについては、例えば隣接するオリジナルアルバムに含めると考えても良い。
「陰獣」であれば『人間失格』、「人面瘡」であれば『桜の森の満開の下』(『夜叉ヶ池』のB面なので)という具合である。
とは言え、初期は名曲も多いので各自で柔軟に考えて作ってみても良いだろう。自分のために作るものなので、こだわり過ぎないことも大切だ。
ドライブ用プレイリスト
コンパクトなプレイリストを作りたい、と思ってできたのがドライブ用プレイリストだ。文字通り車の運転中に聴くようなプレイリストである。
意識したことは、あまり長すぎない15,16曲ほどにすること、比較的ノリの良い曲を中心にすること、であった。
そして何より聴いていて心地よい流れを作ることである。車の中で眠くならないように、楽しめる流れを作ることを意識した。
ややライブのセットリストに近い流れになることもあるが、セトリとアルバムの曲順の中間のような流れになることが多かった。
聴いていて心地よい曲順を考えているため、もちろん車の中以外でも聴いて楽しめる。コンパクトなリストをいくつか作っておくと、様々なシチュエーションで聴けるのでおすすめだ。
架空のセットリスト
これはイメージしやすいと思うが、架空のライブのセットリストを作るというものだ。普段の人間椅子のライブの曲数、流れをしっかり守ると言うことがルールになる。
そのルールとは、およそ18,19曲に収めること、ダウンチューニングの曲は固めること、本編ラスト・アンコールでは盛り上がる曲を配置すること、などである。
セットリスト作りは、作っている間は楽しいのだが、普段あまり聴かなくなってしまうという問題がある。やはりライブ用の並びは普段聴くと疲れてしまうものだ。
セトリの流れを普段から聴きたい、という人にはおすすめの作り方である。
10曲だけ選ぶ
ここからは当ブログで行った企画の内容である。1つ目は、理由抜きで10曲選ぶ、というものである。
理由を付けずに選んだ曲は、無意識に自分が好きな曲が選ばれるはずだ、という想定のもとで行った企画だった。
そうして選ばれた10曲は、その人にとってまさにベストオブベストな選曲となっているはずである。
企画の趣旨は以下のリンクに詳しく書かれているので、興味のある方はご覧いただきたい。
さらに、皆さんが選んだ10曲を集計して、人間椅子のファンが最も選んだ楽曲は何であったのかランキングを作ってみた。
結果としては、ランキング1位は芋虫、2位は芳一受難、3位はダンウィッチの怪となった。9th『怪人二十面相』に収録された「芋虫」は根強い人気の楽曲だ。
詳しいランキングや分析については、以下のリンクからご覧いただきたい。
架空のアルバム
もう1つ当ブログで行っていた企画として、架空のアルバムを作るというものである。しかも特定のジャンルに絞ったアルバムを考えるというものだった。
人間椅子の楽曲のジャンルはハードロックであるが、そこに様々な他ジャンルのエッセンスを感じ取ることができる。そんなハードロック以外のジャンルで括ったアルバムを作ってみた。
ルールとしては、CDに収まる時間で作ること、人間椅子のアルバムとして聴けるもの(作曲を平等に振り分ける)、アルバムとしての流れを意識すること、を課していた。
当ブログでは3つのアルバムを考えてみた。
まずはスラッシュメタルのアルバムである。速い曲だけでなく、スラッシュメタルの持つ攻撃性を感じさせる楽曲を様々な角度から集めてみた。
スラッシュメタルに直接影響を受けているのは鈴木氏だが、和嶋氏もMetallicaが好きな影響かテンポの速い曲は思いのほかたくさんあることがわかった。
以下のリンクで、作成したアルバムの曲順や作成の意図などを書いている。
2つ目に作ったのは、プログレのアルバムである。人間椅子の楽曲からは全体的にプログレからの影響を感じられ、プログレ風の曲のファンもかなり多い。
単に複雑な曲の寄せ集めにならないように、プログレのアルバムらしいコンセプトを考えて、緩急のつく選曲を心掛けた。
以下のリンクから、アルバムのコンセプトやそれに沿った選曲について書いている。
3つ目は、歌モノのアルバムである。人間椅子の中でもポップスに少し寄った楽曲をあえて集めてみるとどんなアルバムになるのか、実験的に作ってみた。
選ばれた曲は一般的にはポップとは言わないかもしれないが、人間椅子としてはストレートで、歌メロがわかりやすい曲が集まったと言えるだろう。
こちらも以下のリンクから、記事にしているのでお読みいただきたい。
まとめ
今回は筆者が行ってきた、人間椅子の楽曲を楽しむ方法を紹介してきた。実践しやすいものから、ハードルの高そうなものまで様々にあった。
人間椅子は楽曲数も多く、そして楽曲も多様なジャンルの要素を持っている。ハードロックを軸に、メタルやプログレ、演歌にフォークと音楽的に非常に面白い。
そして30年以上の歴史があり、ブレない部分と変化してきた部分がある。そんな変化についても、楽曲から感じるのも面白いだろう。
まだまだ人間椅子の楽曲の楽しみ方は他にもたくさんあるだろう。皆さんも独自の楽しみ方を見つけてみてはどうだろうか。
今回紹介した楽しみ方は、もちろん他のアーティストについても適用可能だ。ライブに行けない状況であっても、音楽を楽しんでいきたい。
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