【Twitter】人間椅子の楽曲でメロディ重視のアルバムを作ったら

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人間椅子

筆者が1人でやっている人間椅子の楽曲で、ジャンルを縛ったアルバムを作る企画を続けている。これまではスラッシュメタル、プログレの2つについてアルバムを選曲した。

スラッシュメタル

プログレ

今回は第3弾として、メロディ重視のアルバムを作ってみようと思う。これまではあくまでロックのサブジャンルであったが、あえてポップス寄りの楽曲を集めてみたい。

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人間椅子の中にも見られる”歌モノ”楽曲の特徴とは?

人間椅子はハードロックバンドである。30年間ハードロックを貫き、決してわかりやすい歌モノの楽曲を作ったりはしなかった。

しかしキャッチーな曲を作っていないとは全く思わない。「キャッチー」とは、人の心をつかむと言う意味であり、人間椅子の楽曲は心をつかむリフ、そしてメロディがある。

そして人間椅子の楽曲も、すべてゴリゴリのハードロック・ヘビーメタルばかりではない。アルバムの中には、歌メロが目立つ楽曲があり、時期によっても歌モノが多いこともある。

まずは人間椅子の楽曲の中にも、歌謡曲的な構成の楽曲が見られる。歌謡曲的な構成とは、Aメロ・Bメロ・サビの流れがあるものである。

この流れは起承転結のようなもので、Aメロが起承、Bメロが転、サビが結といったところだろうか。わかりやすく心が動かされるような流れが作られるのが歌謡曲である。

海外のハードロックはこの流れは少なく、Aメロ・サビなど簡素なものが多い。人間椅子であれば、たとえば「死神の饗宴」などはメインのリフとサビのシンプルな構成となっている。

他方、今回選んだ楽曲のように人間椅子の中にも、耳馴染みやすい歌謡曲的な構成の楽曲も決して少なくない。

そしてポップな楽曲が多いのは、ある時期の和嶋氏の楽曲だ。主に10th『見知らぬ世界』から何作かにおいては、人間椅子らしからぬポップで明るい曲が多くなっている

なお2013年のOZZfest Japan 2013出演後は、ヘビーな曲を届けたいという思いから、明るい曲調は控えめになっている。

今回はそんな和嶋氏の明るい楽曲も数多く取り入れている。人間椅子の楽曲の幅広い一面を垣間見えるような企画になるのではないかと思う。

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人間椅子の楽曲で歌モノのアルバムを作ったら

ここから実際にアルバム選曲を行ったプロセス、そして選ばれた楽曲の紹介をしていこう。最初に選曲した基準を述べ、その後に収録楽曲ごとに選んだ理由などを書いていく。

選曲の基準

今回の選曲の基準は、大きく分けると以下の3つになるだろう。

  • 口ずさみやすい・わかりやすいメロディかどうか
  • わかりにくい要素が少ない曲
  • アルバムの中でバリエーションを持たせる

1つ目のメロディのわかりやすさは、歌モノのアルバムと言うことを考えれば大前提になるだろう。今回の選曲においては、全曲口ずさみやすいものを選ぶことにした。

2つ目のわかりにくい要素がない、というのは楽曲の難しさが少ない曲の意味である。たとえば前奏が長すぎない、長い間奏やソロがないなど、コンパクトにまとまった曲を選んでいる。

人間椅子の楽曲の魅力には展開の多さも含まれているが、8分を超えるような長大な楽曲は含めていない。

加えて、歌詞の内容も難解すぎるものや怪奇現象などについて扱ったものも極力含めないようにした。ポップスの主人公は人間であるため、人間視点の歌詞の楽曲を中心に据えている。

アルバムの中でバリエーションを持たせる、については曲が似通らないように意識した。歌モノの中でもポップス、フォーク調、演歌調などタイプの異なる楽曲を選ぶようにした。

収録楽曲

1.幽霊列車

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:8th『二十世紀葬送曲』(1999年)

アルバム1曲目はパンチのある楽曲にしたいところである。いきなり人間視点とは言えない歌詞の曲だが、メロディの良さで「幽霊列車」を選択した。

人間椅子らしいヘビーなリフもありつつ、コンパクトに楽曲をまとめて歌メロを引き立たせている。人間椅子の楽曲屈指の泣きのメロディラインと言えるだろう。

2.憧れのアリラン

  • 作詞・作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:4th『羅生門』(1993年)

1曲目を幻想的な楽曲で始めたため、その流れで異国情緒が漂うこの曲を選んだ。アリランとは朝鮮民謡のことだが、メロディラインとしては軍歌のようでもある。

人間椅子の楽曲では珍しくギターソロがない。中間部で展開する部分もあるが、口ずさみやすいメロディが印象的な佳曲と言えるだろう。

3.愛の言葉を数えよう

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:11th『修羅囃子』(2003年)

3曲目で流れを少し変えるために、陽気な曲を選んだ。和嶋氏お得意のロックンロール調の楽曲であり、歌やリズムが耳に残りやすい楽曲である。

明るい曲調が多くなっていた2000年代前半の楽曲であり、近年の人間椅子には見られない楽曲である。今回のような企画にはマッチする楽曲と言えよう。

4.憂鬱時代

  • 作詞:和嶋慎治、作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:2nd『桜の森の満開の下』(1991年)

「憧れのアリラン」に続き、演歌のようでありながら異国情緒も漂うこの楽曲を選んだ。鈴木氏のボーカルも味わい深く、思わず口ずさみたくなるメロディである。

なお「第十五回 人間椅子倶楽部の集い2019」において、開演前に鈴木氏が弾き語りでこの曲を披露している。この事実からも歌モノの楽曲と言って間違いないであろう。

5.さよならの向こう側

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:10th『見知らぬ世界』(2001年)

前半4曲はロックテイストな曲が続いたため、中盤ではしっかり歌モノを配置しようと考えた。10th『見知らぬ世界』でも最も賛否両論となったのが、この「さよならの向こう側」である。

前向きな歌詞と穏やかなメロディラインが新鮮である。爽やかな朝に聴きたくなるようなこの楽曲は、この企画では必須の楽曲と言えるだろう。

6.羽根物人生

  • 作詞・作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:5th『踊る一寸法師』(1995年)

鈴木氏の楽曲でしっかり歌モノを選ぶことにし、四畳半フォークのような「羽根物人生」を選んだ。実はギャンブルシリーズの楽曲だが、歌詞は人生を歌っているようにも聞こえる。

スタジオ音源ではコーラスも作り込まれているが、弾き語りスタイルでも歌える曲である。この曲も、「第十五回 人間椅子倶楽部の集い2019」の開演前に鈴木氏が披露していた。

7.孤立無援の思想

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:13th『瘋痴狂』(2006年)

ここからは近年の和嶋氏の前向きな歌詞の楽曲で流れを作ってみた。まずはナカジマ氏がボーカルを取る、ポップなコード進行が印象的な「孤立無援の思想」である。

かなり歌謡曲要素の強いAメロから、Bメロ・サビではディスコ・ビートとなる。ハードロックとポップスの融合した楽曲と言えよう。

8.リジイア

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:18th『無頼豊饒』(2014年)

1曲は弾き語りメインの楽曲を入れたいと思い、近年の楽曲の中から「リジイア」を選んだ。エドガー・アラン・ポーの小説「リジイア」がもとであるが、和嶋氏らしいラブソングとなっている。

アコースティックギターが重ね録りが行われており、瑞々しいサウンドとなっている。

9.輝ける意志

  • 作詞:和嶋慎治、作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:15th『未来浪漫派』(2009年)

「リジイア」からまた流れをハードに戻すために、鈴木氏の楽曲はスピード感もありつつ、メロディが印象的なこの曲を選んだ。

表だって言われていないが、”青春シリーズ”の楽曲である。おどろおどろしさはなく、爽快感のあるロックナンバーとなっている。

10.エデンの少女

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:10th『見知らぬ世界』(2001年)

ここでやや古い曲を挿入することにして、『見知らぬ世界』収録のポップな楽曲を選曲した。統合失調症と思われる少女を見かけたことから歌詞を思いついたと言う曲である。

近年の前向きな歌詞とは異なる味わいではあるが、人間の中にある純粋な心を歌おうとしている内容だ。明るいメロディは聴きやすく、ぜひ選曲したいと思った。

11.エキサイト

  • 作詞・作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:7th『頽廃芸術展』(1998年)

テンポが速い、パチンコシリーズの楽曲である。しかしメロディを聴くと、非常にポップで口ずさみやすい曲であり、ぜひ選曲したいと思った。

歌詞はギャンブル全般について歌ったものであるが、最後には人生論になっている。実は鈴木氏なりの応援歌なのではないかと思っている。

12.異端者の悲しみ

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:20th『異次元からの咆哮』(2017年)

アルバムのラストにはダウンチューニングの曲を配置したいと思った。その中でもメロディが印象的な楽曲としては、この「異端者の悲しみ」がぴったりだと感じた。

仏教的な世界観が色濃く反映された歌詞であり、六道輪廻をさまよう魂の視点から書かれている。中間部には明るいメロディが使われ、全体的にはヘビー過ぎない味わいとなっている。

まとめ

以上12曲からなる人間椅子の歌モノのアルバムを選曲してみた。

人間椅子のアルバムとしてはかなり異色のアルバムであり、もし発売されたら”ヘビーな曲が少ない路線変更のアルバム”とでも評されそうなアルバムだ。

初めて人間椅子を聴く人にはあまりおすすめしない並びだが、人間椅子の曲はメロディも良いものがたくさんある点は目が離せない。

またあらゆるジャンルのメロディやリズムとハードロックを融合させていた歴史も感じることができる。近年は原点に戻ってハードロック色が強くなったが、長い歴史には様々な実験が行われていた

今回のリストはそんな人間椅子の音楽的実験の歴史として見ることもできるかもしれない。人間椅子の楽曲を1つの視点で切り取ることで、また人間椅子の魅力を発見することに繋がるから面白い。

面白い切り取り方が浮かんだら、また次回も作成してみたいと思う。

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