【Twitter】人間椅子の楽曲でスラッシュメタルのアルバムを作ったら

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人間椅子

筆者はプレイリストを作るのが好きであり、あれこれ悩みながら選曲するのが楽しい。

今回も全くの思い付きだが、Twitter上で、以下のようなことをつぶやいた。

このブログではたびたび登場する人間椅子は、70年代ハードロックに強い影響を受けたバンドであり、速く攻撃的なスラッシュメタルのバンドではもちろんない。

しかしスラッシュメタルに影響を受けたと思われる楽曲は、思いのほかありそうだ。

そこで人間椅子の楽曲のみで、新たにスラッシュメタルのアルバムを作ったら、どんな選曲・曲順になるのか、試しにやってみた経過について記事にした。

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スラッシュメタルのアルバムで大切なこと

この試みを行うにあたり、最初に「スラッシュメタルのアルバム」について思うところを書いておこう。

まずはスラッシュメタルとは何か、については以下の記事に書いた。

スラッシュメタルは、”ムチ打つ“(Thrash)ような速いスネアドラムの音から名づけられたとされる。

70年代後半に台頭したニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・ヘビーメタル(NWOBHM)のIron MaidenSaxonなどに影響を受け、さらにソリッドに攻撃性を高めたジャンルである。

一般にスラッシュメタルと言えば、速くて弾丸のように進んでいく音楽を想像するだろう。それではスラッシュメタルのアルバムは速い曲ばかりが並んでいるのだろうか?

答えは否であると考える。もちろんSlayerの名盤『Reign in Blood』のように全速力で駆け抜けていくアルバムもあるが、多くの作品は緩急のついているアルバムが多い。

筆者はスラッシュメタルのアルバムについて、以下のつぶやきでまとめた。

重要な点は、まず攻撃性の強い曲を集めることである。スラッシュメタルが速いのは攻撃性を高める目的であり、遅くても攻撃性の高い曲はスラッシュメタルのアルバムには相応しい。

そして曲順に関しては、ジェットコースターのように速くしたり遅くしたりを繰り返すのがカッコいい。こちらも攻撃性を強めるべく、聴き手を振り回すような展開をするのが良いだろう。

今回の試みでは、上記の内容を念頭に置きたいと思う。

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人間椅子の楽曲でスラッシュメタルのアルバムはできるのか?

さて、人間椅子はスラッシュメタルバンドではないが選曲をすることは可能だろうか?この点については、可能であると考えた。

1つには、ベース・ボーカルの鈴木氏が”パチンコシリーズ”や”地獄シリーズ”の楽曲でスラッシュメタルの楽曲を数々制作している。

そしてギター・ボーカルの和嶋氏についても、速い曲を作っている。和嶋氏はスラッシュメタルはあまり聴かないと思われるが、Metallicaなどハードロックを感じるものは好むようだ。

近年は「命売ります」や「無限の住人 武闘編」など、速い曲が推し曲として作られている。

ひとまず速い曲はありそうで、ヘビーな楽曲はお手の物なので、選曲はすることはできそうである。

人間椅子の楽曲でスラッシュメタルのアルバムを作ったら

ここから人間椅子の楽曲でスラッシュメタルのアルバムを構成する試みについて、その経過を書いていこうと思う。

選んだ基準とルールについて

今回選ぶにあたって基準とルールを決めた。以下のつぶやきの通りである。

1つ目はスラッシュメタルの名盤を目指すと言うもの。冒頭に書いた通り、攻撃性をいかに高めるかを念頭に選曲・曲順を考えることを意味する。

2つ目は曲数はCDのアルバムに収録できる時間だけにすること。アルバムの流れを考える上でも、曲数はあまり多すぎない方が良いだろう。

3つ目は人間椅子の作品としても成立するよう意識することだ。例えば全曲1人の作曲者によるアルバムはあり得ないので、和嶋・鈴木両氏の曲をある程度バランス良く配置することを意識した。

アルバムに選んだ曲と解説

ここでは選んだ楽曲と、各曲に感じるスラッシュ要素などを解説していこうと思う。曲を選ぶにあたっては、かなり候補があり、選び出すのに大変苦労した。

そして曲順を考えるのにも大変苦労した。以下のツイートで選曲を公開している。

アルバムとして選んだ曲順で、各曲の説明をしていこう。

1.菊花の数え唄

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:19th『怪談 そして死とエロス』(2016年)

1曲目をどうするかで大いに悩んだ。スラッシュメタルのアルバムとして、1曲目はひたすら速い曲を持ってくるべきか、あえて抑えた曲を持ってくるのか、の2つのパターンがある。

ここは”人間椅子らしさ”をやや優先した形ではある。「針の山」にも似たこの曲は、スピーディーに展開していく曲ながらスラッシュメタルとは言えない。

イメージとしては”スラッシュメタル草創期のバンドのアルバム1曲目”としている。

2.地獄への招待状

  • 作詞:和嶋慎治、作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:ベストアルバム『現世は夢 〜25周年記念ベストアルバム〜』(2014年)

2曲目もスラッシュメタルかどうか微妙であるが、ツーバスで速く進む曲を選んだ。Motorheadを思わせるリフであり、スピードメタル的な楽曲である。

1,2曲目は3分ほどのスピーディーな楽曲を配置し、人間椅子のアルバムでは見られない幕開けをイメージした。

3.巌窟王

  • 作詞:和嶋慎治、作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:21th『新青年』(2019年)

3曲目で一度大きくスピードダウンを狙っている。ずっしりとヘビーに、そしてポップさを抑えた楽曲として「巌窟王」を選んだ。

お経のようなメロディラインに人間椅子なりの攻撃性を感じている。そして中間部やアウトロ部分では、スラッシーな展開となるところもカッコいい。

4.ナニャドヤラ

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:4th『羅生門』(1993年)

3曲目で流れを変えたところで、4曲目は突っ走る楽曲を配置しようと考えた。スラッシュでありながら、ほとんど歌詞のないやや変化球ではある「ナニャドヤラ」を選んだ。

歌詞がないことで、よりアグレッシブに感じられるのではなかろうか。和嶋氏の中では珍しく、しっかりとスラッシュメタルの楽曲であるため選曲している。

5.あやかしの鼓

  • 作詞:和嶋慎治、作曲:和嶋慎治・鈴木研一
  • 収録アルバム:1st『人間失格』(1990年)

ここでもあえてヘビーな楽曲を配置したが、「ナニャドヤラ」から不気味な楽曲を続ける流れを作りたかった。1stアルバムにはメロディの曖昧な不気味な楽曲がいくつかあり、これもその1つだ。

初期の楽曲は、近年に比べると70年代ハードロック要素が強いため、選びにくいところがあった。この曲はラストの怒涛の展開も含め、スラッシュメタル的な攻撃性を持つ曲だと思った。

6.ダイナマイト

  • 作詞・作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:5th『踊る一寸法師』(1995年)

一気にスラッシュメタルに展開することを狙い、人間椅子で最もスラッシュメタルを感じる「ダイナマイト」を選んだ。人間椅子の通常のアルバムでは絶対にない並びだろう。

Slayerを愛聴していた鈴木氏が影響されて作ったとされるが、2分弱のこの曲はハードコアパンクのようでもある。

7.迷信

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:18th『無頼豊饒』(2014年)

勢いを止めないまま、和嶋氏のスラッシュメタルを感じる楽曲「迷信」に続けた。筆者はこの曲に初期のAnthraxを感じており、スラッシュメタルのアルバムに入るハードロック寄りの曲の位置づけだ。

パワーコードや和音を主体としたリフ、ザクザクと刻むギターなど、攻撃性を感じる楽曲だ。中間部でリズムチェンジする部分も、良い味付けとなっている。

8.地獄のロックバンド

  • 作詞・作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:16th『此岸礼讃』(2011年)

もう1曲スラッシュ度合いの高い曲を続けたが、5拍子でスラッシュメタルという変わった曲。鈴木氏の地獄シリーズの楽曲で、変拍子を使うことで不気味さが増している。

速さと言う意味ではそこまで感じさせないが、2分台の楽曲で急ぎ行くような焦燥感を感じるところに、スラッシュメタルを感じる楽曲である。

9.泥の雨

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:19th『怪談 そして死とエロス』(2016年)

一度流れを変えてどっしりとヘビーな楽曲を配置した。しかし遅いながらも、ギターのピッキングは忙しく動き、アグレッシブさを感じるのが「泥の雨」である。

歌のメロディはキャッチーだが、絶望的な歌詞の世界観やヘビーな音が特徴だ。スラッシュメタルアルバムに収録されてもおかしくない楽曲と考えた。

10.無限の住人 武闘編

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:6th『無限の住人(ボーナストラック)』(2020年)

TVアニメ「無限の住人-IMMORTAL-」の第2クール主題歌として、書き下ろされた新曲である。和嶋氏の最近の傾向として、スラッシーなリズムがお気に入りのようである。

こちらもメロディはキャッチーながら、前に突き進んでいくようなリズムが印象的だ。1996年のアルバム『無限の住人』の再販にあわせ、ボーナストラックとして収録された。

11.地獄の球宴

  • 作詞・作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:19th『怪談 そして死とエロス』(2016年)

アルバムのラストに向けて、速い曲を並べることを意識した。Slayerの『Diabolus in Musica』に収録の「Stain of Mind」のイントロに似たリズムで、前のめりに進むリズムが印象的だ。

Slayerの「Stain of Mind」は攻撃的な曲となっているが、「地獄の球宴」はややコミカルなテイストとなっている。これも鈴木氏の持ち味であり、人間椅子においては外せない要素だ。

12.大予言

  • 作詞・作曲:鈴木研一
  • 収録アルバム:ベストアルバム『ペテン師と空気男〜人間椅子傑作選〜』(1994年)

続いて冒頭からスラッシーに進んでいく「大予言」を選んだ。シングル『もっと光を!』のカップリング曲である。

歌詞の内容はややコミカルであるが、攻撃的に展開する楽曲である。スラッシュメタルのアルバムには欠かせないタイプの楽曲だ。

アルバム的には10.~12.の流れで、速い曲を立て続けに配置した。

13.隷従の叫び

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:18th『無頼豊饒』(2014年)

アルバムのラストは、ヘビーに締める形とした。人間椅子のアルバムでも多い展開であるが、中でも攻撃性の高い楽曲として、「隷従の叫び」を選んだ。

ヘビーなテーマを歌うこの楽曲は、サウンドも全体的に重々しい。それでいて、中間部ではアグレッシブな展開をするところもカッコいい。

より現代的なメタルに寄った楽曲であり、スラッシュ要素を感じる楽曲であると思った。

※Spotifyでプレイリストを作成した

まとめ – 人間椅子の楽曲に感じるスラッシュメタルについて

人間椅子の楽曲でスラッシュメタルのアルバムを構成する試みを行ってきた。

一聴してみると、アルバムとしての流れは悪くないものが出来上がった。しかし当然人間椅子はスラッシュメタルバンドではないため、攻撃性と言う点ではそこまで高くないかもしれない。

選曲をする上で気づいた点がある。それはスラッシュメタルを感じる楽曲は、近年の楽曲に多い点である。

特に和嶋氏の楽曲については、初期の楽曲からはスラッシュメタルの要素を感じる曲は少ない。多かったのは『無頼豊饒』や『怪談 そして死とエロス』などの近年の作品だった。

人間椅子の音楽性は一貫しているものの、近年はより力強い楽曲が増えている印象がある。自然と攻撃性の高いリフやサウンドが増えているのではないかと考えている。

※人間椅子の歴史についてまとめた記事

スラッシュメタルと言う切り口から人間椅子の楽曲を見ると、人間椅子の音楽性の変化について確認できた。

今後も「プログレのアルバム」「NWOBHMのアルバム」など、ジャンルを絞った選曲をしてみるのも、面白いかもしれない。

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コメント

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