2020年12月~2021年1月 よく聴いたおすすめアルバム5選(CHVRCHES, Alexander O’Neal, RYUTist, Stiff Little Fingers, Mercyful Fate)

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アルバムレビュー
画像出典:Amazon

2021年が始まって1か月が経とうとしている。本当にあっという間に時が過ぎていくように感じられる。

この1か月によく聴いたアルバムを紹介する記事を日記のようにつけている。今回は昨年12月後半から1月の前半にかけて、よく聴いたアルバムを紹介したい。

今回も特にテーマはないが、ソウル・ダンスミュージックのマイブームは一旦12月で去り、改めて自分にとって好きな音楽に回帰して聴くようになった1月と言う流れがある。

そんな流れに沿って5枚を選出した。

先月(11月~12月)のよく聴いた5枚についての記事

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CHVRCHES – Love Is Dead (2018)

ダンスミュージックやエレクトロニック・ミュージックを探している中で見つけたグループであった。読み方は「チャーチズ」であり、エレクトロポップバンドである。

グラスゴー出身のローレン・メイベリー(Vo)、マーティン・ドハーティ(Key,Vo)、イアン・クック(Key,B,Vo)で結成された3人組グループだ。

彼らはこれまでに3枚のアルバムを発売しており、2013年に発売された1stアルバム『The Bones of What You Believe』の1曲目「The Mother We Share」は、彼らを代表する楽曲である。

筆者は1stアルバムを聴いて気に入っていたため、この3rdアルバム『Love Is Dead』も聴いてみた。

よりポップさを前面に出したと言う3rdアルバムだそうだが、非常に心地よいサウンドと、ローレン・メイベリーのボーカルが魅力である。

1曲目の「Graffiti」のイントロからインパクトのあるサウンドが広がる。隙間のあるサウンドとメロディがとても心地よい。

またポップさを前面に出した曲以外にも、「My Enemy」では、Cocteau Twinsなどを思わせるアンビエントなサウンドもお得意のようだ。

シンプルで良いメロディがたくさんある印象で、とても良いアルバムだ。そしてリスペクトしているであろう、ポストパンクなどの影響も感じられて、音楽的なクオリティも高い

次のアルバムも楽しみなグループである。

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Alexander O’Neal – Hearsay (1986)

ソウルミュージックを聴いていく中で出会った、とても気に入っているアルバムだ。Alexander O’Nealのソロとしての2作目、『Hearsay』である。

1978年、ザ・タイムの前身バンドであるフライト・タイムのリード・ボーカルとしてジャム&ルイスとともに活動。1980年よりソロに転向して活動を続けている。

1985年の1stアルバム『Alexander O’Neal』も良いアルバムであるが、筆者はこの2ndアルバムが特に気に入っている。Alexander O’Nealはブラック・コンテンポラリーの代表格だそうだ。

いわゆる60年代~70年代のブラックミュージックよりも、白人向けにマイルドになったものを指すらしい。AOR的な要素も吸収し、洗練されたサウンドとなっている。

ソウルのクセの強い部分が抜けている分、初心者にとっては聴きやすくなっている。また都会的な雰囲気が漂うオシャレなアルバムとなっている点も良い。

タイトなリズムで突き進んでいく「Criticize」などはシンプルにカッコいい。日本でも80年代終わり~90年代になると、こういったサウンドに影響を受けた楽曲が増えたように思う。

「Fake」は、よりブラックミュージック感の強い楽曲だ。ただサウンドとしてはファンクを思わせる派手なアレンジで、賑やかな印象である。

全体を通じて聴きやすいファンク寄りのソウル、という印象がある。国内であれば角松敏生氏が好きだが、80年代終りの角松氏はこういったサウンドに大きく影響を受けたことが分かる。

近年ではAORの再評価が進んでいるが、こういったソウルからのアプローチの作品も深めてみたいと思った。

RYUTist – ファルセット (2020)

続いて紹介するのは新潟を拠点に活動するアイドルグループ、RYUTistの最新アルバムである。

RYUTistは「柳都=新潟市」と「アーティスト」を組み合わせた、新潟を大切にするアイドルグループとして2011年に結成されている。

RYUTistは現在、五十嵐夢羽・宇野友恵・横山実郁・佐藤乃々子の4人で活動している。クオリティの高い楽曲と、安定したパフォーマンスが魅力のグループだ。

日曜日に「RYUTist HOME LIVE」を新潟で開催することが多く、ライブの頻度は高い。またカバー楽曲も独自なものが多く、ファンの間では話題となっていた。

筆者はNegiccoのファンであったが、同じ新潟を拠点に活動する後輩として、RYUTistを知った。2014年に新潟でのNegiccoのライブに行った際に、翌日にHOME LIVEに参加したのを思い出す。

Negiccoの歴史についてまとめた記事

今回取り上げたのは4thアルバム『ファルセット』である。音楽ライターの南波一海がタワーレコード内に立ち上げたPENGUIN DISCからのリリースである。

筆者がよく聴いていたのが1st『RYUTist HOME LIVE』だったが、その成長ぶりを感じられる力作だった。そして豪華な制作陣による、クオリティの高い楽曲も魅力である。

アルバムラストに収録されている「黄昏のダイアリー」。冒頭から引き込まれるメロディ、そしてキラキラとしたサウンドと、高揚感のある名曲だ。

3曲目に収録されている「きっと、はじまりの季節」もイントロから引き込まれる。彼女たちの透明感がより引き出されており、爽やかな楽曲となっている。

かつてのRYUTistは、どちらかと言えば”エモい”テイストの楽曲が多めで、アイドルらしいビートの曲の印象が強かった。

今回のアルバムでは「好きだよ・・・」にはその要素を感じるが、渋谷系のテイストを軸に、大人っぽう楽曲が増えている。音源で楽しめる要素が、以前より強まったように感じた。

そしてコロナ禍の折、無観客配信ライブ「ファルセットよ、響け。」がなんと無料で配信された。その模様が収録されたブルーレイがタワーレコード限定で発売されているので、そちらも要注目だ。

ライブが開けない状況はアイドルにとっては大変厳しいが、楽曲も楽しみなグループであり、今後の音源も楽しみにしたいと思う。

Stiff Little Fingers – Nobody’s Heroes (1980)

4枚目はパンクから、Stiff Little Fingersの2ndアルバム『Nobody’s Heroes』である。

Stiff Little Fingersは日本のeastern youthが多大な影響を受けているようで、初期の作品にはStiff Little Fingersのテイストを感じることができる。

Stiff Little Fingersは北アイルランド出身のパンクバンドで、1977年に結成され82年に解散。その後87年に再結成して、現在も活動を続けている。

解散前に4枚のアルバムを残しているが、3rdアルバムまでが名盤として語られているようだ。中でも筆者はこの2枚目のアルバムが最もよく聴いている。

1st『Inflammable Material』は攻撃性を前面に出したアルバムで、ハードコア的な要素も感じさせるものだった。「Wasted Life」はパンクの攻撃性を体現したような楽曲だ。

2ndアルバムの本作は、音楽的にも一段凝った内容となっていると思う。リフがカッコいい曲が多く、1曲目の「Gotta Gettaway」もシンプルながらよく構築された楽曲だ。

そしてタイトル曲の『Nbody’s Hero』はより攻撃性を押し出した曲。それでも1stに比べると少しわかりやすくなった印象はある。

続く3rdはあまり聴いたことがないが、また一段音楽的に凝ったアルバムになっているような印象がある。その意味では、パンクの衝動性と音楽性のバランスが非常に良いのが2ndとなる。

それでいてパンクの佇まいをしっかりと感じさせる傑作だと思う。これからも末永く聴き続けたいアルバムである。

Mercyful Fate – Into the Unknown (1996)

最後に取り上げたのは、ジャンル的に自分の最も好きなハードロックから。King Diamondがボーカルを務めるバンド、Mercyful Fateのアルバムである。

以前にも簡単にMercyful Fateについて、以下の記事で紹介している。

Mercyful Fateと言えば、一度解散するまでに発売された2枚のアルバム『Melissa』『Don’t Break The Oath』が名盤とされている。

実際のところ、King Diamondの独特の歌唱とプログレも感じさせる楽曲構成が光るのがこの2枚だった。一度解散して、1994年に発売された『Time』は再結成後の名盤とされる。

今回紹介するのは、その次にリリースされたアルバムだ。これまでホラーテイストのジャケットが続いていたのに対し、テイストの異なるジャケットで、少しずつバランスを崩し始めているともとれる。

しかしMercyful Fateの音楽性が好きな人にとっては、聴き応えのあるアルバムだと思う。まずは2曲目「The Uninvited Guest」からして、Mercyful Fate節がさく裂している。

冒頭のリフから歌に入るとさっそく転調するB級臭さも最高だ。再結成後はややシンプルな楽曲が増えたが、その路線はこのアルバムでも継承されている。

そしてタイトル曲「Into the Unknown」では展開の多さなど、初期を思わせる。不思議なリフなど気味悪さが漂っており、おどろおどろしい魅力は健在の作品である。

90年代後半と言うと、King Diamondはソロでも精力的にリリース活動を行い、1995年には「The Spider’s Lullabye」という名盤を生み出していた。

そのパワフルさに驚くが、若干Mercyful Fateとの棲み分けは難しくなってきた。”どれもこれも似たような感じ”と言うと、そうだが、King Diamondが好きな人にとってはあまり問題ないかもしれない。

全体に漂うB級臭さが好きな人にとっては、このアルバムも外せない作品だと思う。

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