この1か月によく聴いたアルバムを紹介する記事を日記のようにつけている。今回は11月後半から12月の前半にかけて、何度も聴いたアルバムを紹介したい。
今回は2010年以降の比較的新しいアルバムが中心となった。
最近気に入っているジャンル・よく聴いている5枚のアルバム
ここ数ヶ月はソウルやファンクに関連するようなアルバムを聴くことが多かった。その傾向は引き続いており、今回選んだアルバムもそういったジャンルが多くなった。
とは言え、今回はあまりジャンルに縛られずに様々なアルバムを紹介していきたい。
Ozzy Osbourne – Ordinary Man (2020)
言わずと知れたBlack Sabbathの初代ボーカリストであり、ソロ活動でも「メタルの帝王」として君臨しているOzzy Osbourneの最新作だ。
前作から10年ぶりのソロ作品であるが、2013年にはBlack Sabbathを再結成して『13』をリリースしていた。
筆者はオジーがボーカルのBlack Sabbath、ソロ作品も初期を中心に何作か聴いていた程度であった。
『13』ではあえてお得意のハイトーンを抑えた歌唱スタイルで、高いキーは歌えないのか、と勝手委に思っていたりした。
しかしそれは思い違いであり、御年72歳とは思えない力強いボーカルを聴くことができる作品である。
まずは1曲目「Straight to Hell」からストレートなハードロックを聴かせてくれる。こういったシンプルなリフを主体としたロックは心地よい。
もちろんオジーのボーカルの魅力が堪能できる作品ではあるが、エルトンジョンとのコラボレーションである「Ordinary Man」も味わい深いバラードとなっている。
現在のオジーが過去の自身の写真や映像を見つめるという、なんとも憎い演出のMVだ。今回のアルバムは自身のキャリアを振り返るような意味合いもあるのだろうか。
一方で若手ミュージシャンとのコラボレーションも見られ、ボーナストラックに収録されているポストマローンとの楽曲が非常にカッコいい。
このアルバムではBlack Sabbath時代から続く王道のハードロックもありつつ、アップデートされた新しいロックの要素も感じられる。
オジーオズボーンの現在をしっかりと感じられるアルバムで、とてもおすすめの内容である。
The Internet – Feel Good (2013)
2枚目に紹介したいのはThe Internetの2ndアルバム『Feel Good』である。
The Internetは2011年よりアメリカで活動を開始したR&Bやソウル、ヒップホップをミックスしたようなバンドである。
2015年にリリースされた3rdアルバム『Ego Death』は第58回グラミー賞の最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞にノミネートされるなど、注目度の高いバンドだ。
2016年・2018年・2019年と来日も果たしており、日本でも人気のあるバンドのようである。
今回紹介する『Feel Good』は全体を通じて、力の抜けたソウルミュージックと言う印象である。収録楽曲の中では「Dontcha」がMVとして公開されている。
この「Dontcha」はダンサブルなリズムが特徴的であるが、もう少しゆったりとした楽曲やルーズな雰囲気の楽曲も多い。
ボーカルを務めるシドの声が印象的だ。技巧的とは言えないかもしれないが、やや無機質にも思えるボーカルがクールな印象を強めているように思える。
アルバム全体を通じて、あまり山あり谷ありの展開はないアルバムだ。ゆったりした時間が流れていくような心地よさを感じるアルバムとなっている。
Ryu Matsuyama – Borderland (2020)
Ryu Matsuyamaはピアノ3ピースバンドで、2012年よりバンド活動活動を開始している。ピアノサウンドを軸に、ポップなメロディとダイナミックなサウンドが印象的だ。
2018年のアルバム『Between Night and Day』でメジャーへ進出し、2020年に2ndアルバムとなる本作をリリースしている。
なお本作のプロデューサーにはmabanua氏が参加しており、3ピースバンドとは思えないダイナミックなサウンドに仕上がっている。
アルバムからは「Go Through, Grow Through」がMVとなっており、イタリア出身のピアノ・ボーカルのRyu氏の伸びやかな歌声、そしてポップなメロディがとても良い。
「愛して、愛され」はアルバムでは羊文学の塩塚モエカ氏がゲストボーカルで参加している。ハモりが美しいのはもちろんながら、ソウルっぽさとオルタナを感じるような楽曲も良い。
基本的なメロディはポップであるが、リズムやボーカルにはかなりソウルなどのブラックミュージックの影響を感じさせる。
音楽的には高いレベルであるが、難解な印象はなく心地よく聴ける良盤であると思った。
Incognito – In Search Of Better Days (2016)
Incognitoはイギリスで1979年に結成されたジャズ・ファンクバンドである。アシッド・ジャズと呼ばれるファンクやフュージョン的な要素を感じさせるジャンルのバンドだ。
歴史の長いバンドだが、1990年代初頭にヒットし、1992年の『Tribes, Vibes + Scribes』が名盤の1つとされている。
そしてバンド名の意味するところは”匿名”であり、メンバーが変動することを前提としている。ただしリーダーはJean-Paul ‘Bluey’ Maunickである。
今回紹介したい『In Search Of Better Days』もたまたま手に取ったのだが、とてもクオリティが高い上に、非常に軽快で楽しいアルバムとなっている。
アルバム1曲目「Love Born in Flames」から軽快で楽しいファンクとなっている。
軽快な曲だけでなく、しっとりと聴かせる「I See The Light」など、アルバム通じたバランスも良い作品となっている。
あまり過去の作品との比較はできていないが、この『In Search Of Better Days』は近年のIncognitoの作品の中でも名作の評価もあるようだ。
軽快なジャズファンクを聴きたい人にとっては非常におすすめである。
Maison Book Girl – 海と宇宙の子供たち (2019)
最後に紹介するのは、アイドルグループのMaison Book Girlによる4thアルバム『海と宇宙の子供たち』である。
Maison Book Girlは2014年に結成されたグループで、BiSの解散から元メンバーのコショージメグミを中心に結成されている。略称はブクガである。
プロデュースはサクライケンタが手掛け、現代音楽とポップミュージックを組み合わせた”現音ポップ”の楽曲となっている。
筆者は2nd『image』、3rd『yume』をよく聴いており、簡素で無機質な音作りと変拍子を多用した楽曲を好んでいた。
今回の4th『海と宇宙の子供たち』では過去の作風を受け継ぎつつも、ややポップに寄ったアルバムとも感じられた。
タイトルも日本語となり、楽曲の間に挟まれる間奏曲が今回はないなど、前作までとは変化も見られている。
「闇色の朝」がMV製作されているが、かなり怖い映像作品となっている。楽曲としてはポップで聴きやすいものとなっている。
「悲しみの子供たち」はいかにもブクガらしいリズムであり、映像も含めてアイドルとは思えない作品に仕上がっている。
前作がかなり現代音楽的な要素の強いアルバムであっただけに、その反動としてポップな作品になったのかと思われる。
ただし歌詞の内容やMVでは相変わらず尖った作品となっており、独特の無機質な質感はしっかりと継承されている。
以上、今月の5枚を選んだ。あまりまとまりはないが、様々なアルバムを聴いた1か月になっていたと思う。
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