当ブログではこれまでいくつか演歌に関する記事も公開している。
筆者は現在30代前半と言う年代であり、演歌を聴いている人はなかなか周りにはおらず、決して20代~30代の若い世代にメジャーなジャンルとは言えない。
しかし中には「ちょっと興味あるけど何を聞いたらいいの?」と、入り口で立ち止まってしまっている人もいるのではないか?
筆者も最初は演歌に若干の抵抗感を感じてしまっていたが、入り口が見つかれば楽しむことができるようになった。
そこで今回の記事は、演歌への入り方、そして聞き方について書いてみたい。筆者の体験談を中心に、おすすめの演歌の聞き方を紹介していこうと思う。
演歌にどうやって入ったのか?
前半では演歌への入り口について、筆者の体験談を少し書いてみたい。
筆者の場合、母は演歌が苦手だったため、家族の中では演歌は聴くことはなかった。そのため演歌は”聴かず嫌い”の状態が続き、演歌に触れることもなく20代も中盤になっていた。
そんな中で、演歌と他ジャンルのコラボ的な楽曲に出会い、演歌を聴くきっかけになっていた。
その1つは、小林旭氏の「熱き心に」であった。大瀧詠一氏による作曲であり、小林旭氏のボーカルと相まって広大な大地を思わせるスケール感のある楽曲である。
もともと歌謡曲が好きだったため、この曲にたどり着いた。小林旭氏のボーカルにも惹かれて、ベスト盤を1枚借りた記憶がある。
また吉田拓郎氏のアルバムに収録されていた、森進一氏の「襟裳岬」のセルフカバーも好んで聴いていた。演歌とフォークソングの間のような楽曲で、耳馴染みやすい楽曲だった。
最初はこのように数曲聴く程度で、小林旭氏のベスト盤も聴いていたものの、当時は「昔の名前で出ています」など演歌色の強い楽曲はまだその良さが理解できていなかったように記憶している。
演歌特有のメロディラインであるヨナ抜き音階が、どうも最初は抵抗感があった。演歌への抵抗感がある人も同じように感じているのではないか。
では筆者はどのようにして演歌を本格的に聴くようになったか?それは冠二郎氏の楽曲との出会いだった。
冠氏の楽曲にはロック演歌と呼ばれる、演歌の中でもロック的なテンポ感を持つものを指すジャンルがあり、中でも冠氏の「炎」はその代表格である。
※当ブログでもロック演歌を特集した記事を書いた。
メロディはいわゆるド演歌のヨナ抜き音階だったが、アップテンポで聴き馴染みやすい楽曲である。
そして冠氏の代表曲である「旅の終りに」も聴いてみると、これまた名曲ではないかと、冠氏のアルバムも手に取ってみた。
アルバムに収録された冠氏の楽曲はド演歌が多かったのだが、不思議と聴き進めることができた。後から考えてみると、冠氏の歌声や歌い方のファンになっていることが分かった。
自分も冠氏のように歌いたいと思い、歌の練習をしてみると演歌は歌を練習するのにとても良いことが分かる。
「演歌は歌うもの」とは、筆者の高校時代の数学教師が授業中に話していた言葉だが、ここに来て不意に思い出された。
演歌もブルースと同様、コード進行はどの曲も類似しており、歌う人・演奏する人が誰なのかが重要になる。好きな歌手ができると、自然と演歌を楽しむことができるようになった。
こうして筆者は冠二郎氏のファンになるところから、演歌ファンになった。
※筆者が最初に聴いた冠二郎氏のベストアルバム
演歌の聴き方・広げ方
後半では筆者の体験談を踏まえ、おすすめの演歌の聴き方・広げ方を紹介していこう。
何曲か好きな曲が出てきた後に、いかに広げていくのか、というあたりを紹介していきたい。
好きな歌手を見つけて掘り下げる
まずは好きな歌手を見つけられると入りやすいだろう。筆者の場合は、冠二郎氏が最初に好きになった演歌歌手であった。
最初にどの歌手と出会うのか、というのは重要であるが、その探し方も難しいかもしれない。きっかけはやはり好きな曲があれば、それを歌っている歌手から広げていくのが良いだろう。
あるいは最初は演歌色の薄い曲を多く歌っている歌手から入るのも良いかもしれない。歌謡曲的な楽曲を多く歌う歌手から入ると聴き馴染みやすい人も多いと思う。
何名か筆者おすすめの歌手を以下に挙げてみた。
香西かおり
3月27日~4月2日集計
— 香西かおりスタッフ (@kozaistaff) April 10, 2020
週間USEN HIT演歌・歌謡曲
ランキングで
「契り酒」1位を獲得しました😆👏#契り酒#香西かおり pic.twitter.com/YpOMElAccj
香西かおり氏は1988年に「雨酒場」でデビューした女性演歌歌手である。代表曲は「流恋草」「無言坂」などで、紅白歌合戦への出場も多数回にわたる。
演歌のみならず、歌謡曲やポップスなど幅が広い点が、初心者にも聴きやすい。
おすすめは玉置浩二氏が作曲した楽曲群であり、「すき」は名曲だ。
高山厳
1971年にばんばひろふみ、今井ひろしと「バンバン」を結成し、脱退後の1975年に「忘れません」でソロデビュー。
1991年に「泣くなよ」でニューアダルトミュージック路線に転向し、1992年の「心凍らせて」ヒットした。
演歌の分類にはなるが、フォーク出身で歌謡曲テイストの強い楽曲が多いため、聴きやすいと感じている。
近年の名曲として「花手紙」は非常におすすめの楽曲である。
吉幾三
※吉幾三氏について当ブログでまとめた記事
1977年に「俺はぜったい!プレスリー」で再デビュー(アイドル歌手でデビューしている)。
「俺ら東京さ行ぐだ」などコミックソングだけでなく、「雪國」「酒よ」など正統派の演歌もヒットしている。
演歌だけでなく、フォークやポップスを背景に持つため、演歌に馴染みのない人にも入りやすいだろう。
近年は「俺ら東京さ行ぐだ」の続編的な「TSUGARU」がリリースされ話題となった。
好きな歌手が歌っているカバー集を聴く
誰か好きな歌手が見つかれば、次は曲の幅を広げていくことになるだろう。筆者としては、好きな歌手がカバーした名曲集を聴くのをおすすめしたい。
演歌が流行していた70年代~80年代頃には、名曲と呼ばれる楽曲が多数存在する。もちろんその年代のオムニバスベストアルバムを入手するのも手ではあるだろう。
しかし好きになった歌手の歌声で曲を知る方が、より積極的に曲を吸収しようと言うモチベーションが高まると言うものだ。
筆者の場合には、冠二郎氏のカバーした楽曲を集めた2枚組のアルバムを購入した。このアルバムはバイブルのように何度も聴いた。
そしてオリジナルでは誰が歌っていったのかを知ると、今度はその歌手の曲を聴いてみよう、とどんどん広げていくことができるのだ。
ちなみに上で紹介した香西かおり氏、高山厳氏なども冠氏のカバーで知った。演歌の場合アレンジを変えることも少ないので、カバーから聴いてもそれほど問題はない。
他の音楽ジャンルと広げ方が大きく異なる訳ではないが、好きな歌手を軸に広げていくことがおすすめである。
まとめ – 演歌は聴くより歌うもの
今回は演歌の入り方から広げ方までを書いてみた。やはり最後に改めて「演歌は聴くより歌うもの」という言葉で締めたいと思う。
演歌は音源を集める楽しみももちろんあるが、やはり歌を楽しむジャンルでもある。
演歌独特の歌いまわしやリズム感など、その歌の奥深さを知る楽しみである。それは耳で聴くだけでなく、自ら一緒に歌ってみることでわかる。
演歌は楽曲の主人公がおり、歌手はその主人公になりきって歌で思いを伝えるものだと思う。演歌を歌うことは、つまり楽曲の世界に入り込むことでもある。
そして人の心のひだを、楽譜に表しにくいような独特の歌いまわしで表現する。やはり演歌は歌うことと密接に関わっているのだと改めて思う。
何となく「演歌は古臭くてダサい」というイメージを持つ人もいるかもしれない。しかし人の心というテーマは普遍的である。
聴かず嫌いの人は一歩踏み出してみると、きっと面白い世界への扉が開くと期待している。
※演歌のサブジャンルである”ロック演歌”についてまとめた記事はこちら
<据え置き型の音楽再生機器に迷っている人におすすめ!>
Bose Wave SoundTouch music system IV
これ1台でインターネットサービス、自身で保存した音楽、CD、AM/FMラジオを聴くことができる。コンパクトながら深みがあり、迫力あるサウンドが魅力。
自宅のWi-FiネットワークやBluetooth®デバイスにも対応。スマートフォンアプリをリモコンとして使用することも可能。
コメント