演歌歌手にして元祖日本語ラッパー、吉幾三の幅広い音楽性について – 代表曲から隠れた名曲まで紹介

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今回はシンガーソングライターの吉幾三さんを取り上げてみたい。筆者はこの方の音楽性の広さに感服している。

今日はまず吉幾三氏の代表曲を紹介した上で、もう一段掘り下げて、代表曲以外の名曲・迷曲を取り上げる。

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吉幾三氏について

まずは経歴的な情報から。

吉幾三氏は1952年青森県北津軽郡金木町(現・五所川原市)出身で、青森県在住。

最初はアイドル歌手でデビューするも、1977年に吉幾三と改名し、再デビュー曲「俺はぜったい!プレスリー」がヒット。

その後しばらく低迷するが、1984年に千昌夫氏へ提供した「津軽平野」がヒットし、同年「俺ら東京さ行ぐだ」が大ヒット。

1986年には「雪國」が初のオリコン1位を獲得。コミックソング歌手から本格的な演歌歌手に路線変更を行っている。他にも1988年の「酒よ」も有名である。

吉氏の特徴としては、自身の曲を作詞・作曲するシンガーソングライターである点であり、演歌歌手の中では珍しいと言える。

また「俺ら東京さ行ぐだ」は国内で最初期に日本語ラップを取り入れた楽曲であり、2008年頃には動画サイトで様々な曲とミックスしたものが投稿され、「IKZOブーム」が起こった。

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吉幾三氏の代表曲プレイリスト

まずは代表曲、耳馴染みのある曲を集めてプレイリストを作ってみた。

もちろん他にもヒット曲はあるが、これだけ見てもバラエティ豊かだ。

デビュー曲「俺はぜったい!プレスリー」はフォーク調の曲で、語りかけるような歌い方が特徴的だ。

俺ら東京さ行ぐだ」は先ほど書いた通り、元祖日本語ラップとも言うべき革命的な曲。

そして第3期のゲゲゲの鬼太郎のオープニング・エンディングも歌っている。

雪國」「酒よ」は正統派の演歌の名曲。

「Dream」は新日本ハウスのCMで耳にした方も多いはず。

そして「TSUGARU」は近年リリースされた、津軽弁によるラップ曲と言う「俺ら東京さ行ぐだ」のアンサーソングのような仕上がり。

そして現在、「TSUGARU~コロナに負けるな!バージョン~」が公開されている。

吉幾三氏の楽曲を初めて聴く方は、このプレイリストから聴いていただけると良いのではないか。

吉幾三氏のその他の名曲・迷曲

ここまでは代表的な曲を挙げてきたが、ここから少しディープなところに入っていく。吉幾三氏はこれら以外にも面白い曲はたくさんある。

しかし音源がストリーミングサービス等にないものもあり、気になる方はCDを入手していただきたい。

コミックソング編

吉氏がヒットするきっかけとなったコミックソングであるが、有名な曲以外にも多数存在している。

おじさんサンバ

「おじさん」の子ども時代に憧れたもの、そして今の「おじさん」になった悲哀を歌った曲。

昔からおじさんじゃなかったんだ、おじさんは!

と言う歌詞でいつも笑ってしまう。そしておじさんをテーマにサンバにしているところも笑える。

陽気な吉氏の曲を聴きたいときに最適である。

小さな夢を追いかけて

吉氏の初期の曲に多いテーマで、都会に出てきた若者のことを歌っている。詳細不明であるが、初期の曲であることは間違いない。

この曲で斬新なのは、曲の中間で(おそらく)故郷の母親からの手紙を読み上げる部分、左右で津軽弁と標準語で音声を振っているのだ…!

読んでいるのは両方とも吉氏。左右で津軽弁の吉幾三、標準語の少しかしこまった吉幾三の声を聴くという訳の分からない試みだ(笑)

お・じ・さ・ん

埼玉県の上尾で小さい工場をやっているおじさんと若い女の子の○○な歌。援助交際が流行していた時代背景があった頃の曲なのだろうか。

しょうもなさしかない(笑)聴いてみてくださいとしか言いようがない。

これが本当のゴルフだ!

トラック・メロディは「俺ら東京さ行ぐだ」であり、自らによる替え歌である。こんなゴルフは嫌だ、というゴルフについてただ語っている歌。

「おらこんなゴルフ嫌だ 松の木が嫌だ~」だそうだ。

と・も・子…

付き合っていた彼女とのことを語り始めると言う設定のコミックソング。パンツをかぶって歩いていた、など変態エピソードも。

と思いきや、思ってもみない展開に転がり感動のラストが待っている曲。涙なしには聴けない大名曲。

吉幾三氏の実体験がもとになっている楽曲だという。

隠れた名曲編

「雪國」で正統派の演歌歌手としても評価されるようになった吉氏。他にも多数の隠れた名曲が存在している。

故郷

「俺ら東京さ行ぐだ」のB面の曲で、ベスト盤では結構収録されていることがある。

歌謡曲と言うかフォークと言うか、でもとてもシンプルに良いメロディだ。夜汽車に乗って故郷に帰る場面の歌詞、「寝ずに窓を見る」という表現がとても良い。

女のかぞえ唄

1991年のシングル曲で、「酔歌」や「酒よ」など演歌調の名曲がたくさん生まれていた時期の作品。

アレンジは時代を感じさせる部分もありつつ、全体を通じてとてもおしゃれ。

メロディは日本的にも感じるが、都会的な雰囲気も持っている。この曲はドライブにとても向いていると常々思っている。

かあさんへ

母に向けて歌ったストレートな曲。文句なしの名曲であり、これも涙なしには聴けない。

こういったおふざけなしの正統派の良いメロディを作るあたりが吉氏の凄さである。

「これが本当のゴルフだ!」を歌っているのと同じ人とは思えない。

上記楽曲が聴けるアルバム紹介

いかがだっただろうか。吉幾三氏の曲はコミックソングから正統派の曲まで実に幅広い。

最後に今回挙げた曲を入手するためのアルバムを以下に紹介する。

決定版 吉幾三 作品集

小さな夢を追いかけて」が収録されており、他にも「俺はぜったいスーパー・スター」「あそばれた男」等、初期の名曲がたくさん詰まっている。

間に入っている詩集も面白い。

吉幾三 大全集

20周年記念で制作されたベスト盤。

故郷」「女のかぞえ唄」「と・も・子…」「おじさんサンバ」が入っており、他にも往年のヒット曲はもれなく入っている。

個人的には「雪國」B面の「薄化粧」と言う曲が大変味わい深い名曲だと思っている。

吉幾三のおもちゃ箱:TVアニメ・CM&コミック集

タイトルの通り、「雪國」や「酒よ」みたいな曲を求める人には絶対おすすめしない。

お・じ・さ・ん」「これが本当のゴルフだ!」を収録し、「ゲゲゲの鬼太郎」も入っている。

明るい気持ちになれる1枚。

35周年記念アルバム「すべての人にありがとうを~詩の旅へ」

最近の曲も聴きたい方にはおすすめ。

かあさんへ」が収録されている。ちなみにアイドル歌手「山岡英二」時代の「恋人は君ひとり」が収録されているのもポイント高い。

まとめ

吉幾三氏の代表曲、そしておすすめの名曲・迷曲を紹介してきた。

演歌の枠には収まらない、幅広い音楽ジャンルの楽曲を歌っていることがお分かりいただけたと思う。コミックソングのイメージが強い人には、驚きの名曲がたくさんあったのではないか。

一方で演歌歌手のイメージが強い人には、実にいろんなタイプの楽曲があることが衝撃だったと思う。

ストリーミングサービスで手軽に聴けないレア楽曲もあるため、気になる方はぜひCDを購入して聴いてみてほしい。

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