このブログでは、日本のハードロックバンド人間椅子の関する記事をたくさん書いている。中でも、バンドだけでなく各メンバーに焦点を当てた記事も作成してきた。
たとえば以下のような記事がある。
【人間椅子】ギター・ボーカル和嶋慎治の楽曲・プレイの魅力に迫る! – おすすめ楽曲プレイリストを作ってみた
【人間椅子】ベース・ボーカル鈴木研一に迫る! – おすすめの鈴木氏の楽曲、ライブパフォーマンスと素顔
ただドラマーであるナカジマノブ氏の記事をまだ作っていなかった。そこで、今回はナカジマノブ氏にフォーカスし、彼がボーカルをつとめている楽曲をすべて紹介していきたい。
ナカジマノブについて
まずはナカジマノブ氏について、簡単に紹介していこう。
- 生年月日:1966年9月20日
- 血液型:A型
- 身長:170cm
- 出身地:東京都中野区
- 出身大学:東邦大学理学部理学科
- 好きな食べ物:”ワンパク”な食事が好きとのこと。ハンバーグが特に好き。
- 趣味:漫画やアニメ(日野日出志の熱烈なファン)、腕時計やダムカードの収集など。
- その他:
ナカジマノブ氏は、1988年にGENを結成して、「平成名物TV三宅裕司のいかすバンド天国」に出場し、2代目イカ天キングとなった。1990年にメジャーデビューするも、1992年にGENは解散。
1996年にドミンゴスに加入し、2度目のメジャーデビューを経験している。そして2004年に人間椅子の4代目ドラマーとして加入する。
人間椅子の活動を行いつつ、一度脱退したドミンゴスの活動や他にも多数のバンドで並行して活動を続けている。
バンド以外には、多趣味であることを活かして、ダムカードなどマニアックな趣味について取材を受けることも多い。
人間椅子におけるナカジマノブのドラム、ボーカルの特徴は?
ここでは人間椅子におけるナカジマノブ氏のドラム、ボーカルについて注目してみよう。
そんなナカジマ氏のドラムの特徴は、やはり前に転がっていくようなスピード感のあるドラムである。ロックンロールを得意としているだけあり、8ビートが非常に心地よい。
そして人間椅子に加入してから、軽快さだけでなく、どっしりとヘビーなドラムもプレイするようになっている。加入時の『三悪道中膝栗毛』と最新作『新青年』のドラムを比べると明白である。
※銅鑼について語っている映像
ナカジマ氏は2004年に人間椅子に加入している。
最初は正式加入を躊躇したというエピソードがあるようだ。その理由として、これまでの自分の音楽性と異なり、これまでのファンを驚かせてしまうのではないか、というものだった。
実際のところ、これまでのナカジマ氏は、ツインペダルを使うのも初めてで、ドラムのタムの数も少なく、ロックンロールなどシンプルなジャンルをプレイすることが多かったようだ。
ただ和嶋・鈴木両氏と同世代で、ハードロックやメタルを通っていない訳ではない。KISSやRAINBOWなど、ハードロックのドラムも好んでいたようである。
ボーカルについては、野性味のある快活な声が印象的である。RAINBOW等で活動したグラハム・ボネットに似たような、ハイトーンではない男らしいシャウトが魅力だ。
なおライブでは、ナカジマ氏が歌う曲は後半で1曲必ず用意されている。ただ曲によっては必ずしも後半でないものもある。
ナカジマノブが歌う人間椅子の全楽曲紹介
ここからは、今回の記事のメインである、ナカジマノブが歌う楽曲を全て紹介していく。
今回の選曲は、公式に公開されている「人間椅子 ナカジマノブ(Ds) ボーカル曲」にあわせ、発表順に紹介している。一部の掛け声のみの楽曲は除き、部分的に歌っている曲も含めている。
道程
- 作詞:和嶋慎治、作曲:鈴木研一
- 収録アルバム:12th『三悪道中膝栗毛』(2004)
ナカジマ氏の初ボーカル曲であり、軽快なロックンロールである。もともと作曲した鈴木氏が歌う予定だったが、うまく歌えず、急きょナカジマ氏が歌うことで決まったようだ。
結果的にはそれが正解だったと思える楽曲で、”人間椅子でノブさんが歌う曲”の方向性がこれで決まったとも言える。
ロックンロール特急
- 作詞:和嶋慎治、作曲:鈴木研一
- 収録アルバム:13th『瘋痴狂』(2006)
前作の「道程」と同じ路線の、快活なロックンロール路線の楽曲である。鈴木氏いわくBudgie臭がする曲ということで、ハードロック色がもう少し強いとも言える。
中間部のギターソロは、ライブでは和嶋氏のアドリブを聴くこともできる。ライブでは非常に盛り上がる楽曲となっている。
無慈悲なる青春
- 作詞:和嶋慎治、作曲:ナカジマノブ
- 収録アルバム:13th『瘋痴狂』(2006)
人間椅子の中でナカジマ氏が初作曲となった楽曲。鈴木氏がお得意としていたスラッシュ風の楽曲を、『瘋痴狂』ではナカジマ氏が担うこととなった。
”青春”をテーマにした楽曲で、生き急ぐような性急なビート感だ。ナカジマ氏の高い声が映えるような楽曲であり、どこかクレイジーさも感じさせる。
孤立無援の思想
- 作詞・作曲:和嶋慎治
- 収録アルバム:13th『瘋痴狂』(2006)
高橋和巳のエッセイからタイトルを借りた楽曲。ポップなメロディと、RAINBOWを思わせるビート感のあるハードロックが融合した楽曲となっている。
『瘋痴狂』ではナカジマ氏ボーカルの楽曲が3曲と最も多く、賛否もあったようだ。ナカジマ氏は歌が上手い、ということでボーカルが増えたようだが、人間椅子としては明るい印象が強いかもしれない。
猿の船団
- 作詞:和嶋慎治、作曲:ナカジマノブ
- 収録アルバム:14th『真夏の夜の夢』(2007)
人間椅子に加入してナカジマ氏作曲の2曲目である。これまでとは歌詞の世界観が大きく異なり、SF的な内容となっている。
曲調はロックンロールを土台に、アニメソング風でコミカルである。ライブでも楽しめる楽曲であり、底抜けに楽しい楽曲は人間椅子に新たな風をもたらしたと言えよう。
赤と黒
- 作詞・作曲:和嶋慎治
- 収録アルバム:15th『未来浪漫派』(2009)
和嶋氏が作曲した、Deep PurpleあるいはRainbow風の疾走感のある楽曲である。人間椅子としてはストレートなラブソングであり、ナカジマ氏の快活なボーカルとマッチしたようだ。
この曲はファンからも人気が高く、ナカジマ氏ボーカル楽曲の1つの到達点とも言える。サビのシャウトも、歌い方に工夫を重ねて、このような形になったと思われる。
秋の夜長のミステリー
- 作詞:和嶋慎治、作曲:人間椅子
- 収録アルバム:15th『未来浪漫派』(2009)
人間椅子メンバー3人でボーカルを回している楽曲。ナカジマ氏はサビの部分を担当しており、一番目立つ部分と言っても良いだろう。
楽曲としては、シャッフルであり、フィンガー5の「個人授業」を彷彿させる。歌詞は不気味だが、軽やかで楽しい雰囲気の曲となっている。
阿呆陀羅経
- 作詞・作曲:和嶋慎治
- 収録アルバム:16th『此岸礼讃』(2011)
この曲も「秋の夜長のミステリー」のように、人間椅子の全員がボーカルをとっている。ただメインはナカジマ氏で、鈴木氏がBメロ、和嶋氏はコーラスでのみ参加している。
これまでのナカジマ氏ボーカル曲とはタイプが異なり、人間椅子らしい曲と言える。それゆえ、ライブではナカジマ氏ボーカルコーナーで演奏されることはなく、他の曲とやや立ち位置が異なる。
蜘蛛の糸
- 作詞:和嶋慎治、作曲:和嶋慎治・鈴木研一・ナカジマノブ
- 収録アルバム:17th『萬燈籠』(2013)
ヘビーなハードロックに回帰したアルバム『萬燈籠』では、ナカジマ氏の曲もダークな内容。芥川龍之介の小説からタイトルを借り、シンプルなリフで押し続けるハードロックだ。
作曲はメンバー全員だが、位置づけとしてはナカジマ氏ボーカルコーナーで演奏される。ついにこの曲でナカジマ氏もダークな楽曲に仲間入り、といった記念碑的楽曲でもある。
宇宙船弥勒号
- 作詞:和嶋慎治、作曲:ナカジマノブ
- 収録アルバム:18th『無頼豊饒』(2014)
「猿の船団」以来、久しぶりにナカジマ氏単独での作曲である。リフはBudgie臭のするもの、曲調としてはロックンロールを思わせるものだ。
歌詞の世界観は和嶋氏のカラーが色濃く出ている印象。すっかり人間椅子の世界観に馴染みつつ、お得意のロックンロールをうまく融合することができた曲だと思う。
超能力があったなら
- 作詞:和嶋慎治、作曲:ナカジマノブ
- 収録アルバム:19th『怪談 そして死とエロス』(2016)
前作に続いてナカジマ氏が作曲しており、また異なるタイプの楽曲である。鈴木氏がお得意とするミドルテンポのハードロックであり、どんどん人間椅子に馴染んでいる印象だ。
SFがテーマだが、和嶋氏の歌詞はどこかコミカルで、ナカジマ氏のキャラクターによく合っている。掛け声も収録されており、ますますライブを意識したアレンジとなっている。
悪夢の添乗員
- 作詞・作曲:和嶋慎治
- 収録アルバム:20th『異次元からの咆哮』(2017)
ナカジマ氏の作曲が続いていたが、今回は和嶋氏によるもの。Deep Purpleの「Black Night」を思わせるイントロとリフである。
悪夢の旅を案内する添乗員、という面白い設定の楽曲である。ライブでの盛り上がりも意識した楽曲であり、「超能力があったなら」と並んで、ハードロックかつノリの良い名曲だろう。
地獄小僧
- 作詞:和嶋慎治、作曲:ナカジマノブ
- 収録アルバム:21st『新青年』(2019)
人間椅子の活動30年、そしてナカジマ氏加入から15年と言う節目の作品。作曲はナカジマ氏であり、タイトルはナカジマ氏が敬愛する日野日出志の漫画からとっている。
もうすっかり人間椅子の楽曲として、おどろおどろしい世界観の曲となっている。和嶋・鈴木氏からすると、あまり使わないコード感でであり、新鮮な印象の楽曲であるとのことだ。
至上の唇
- 作詞:和嶋慎治、作曲:鈴木研一
- 収録アルバム:22nd『苦楽』(2021)
作詞・作曲がこの組み合わせとなるのは、12th『三悪道中膝栗毛』の「道程」や13th『瘋痴狂』の「ロックンロール特急」以来となる。
鈴木氏はMotörheadを意識したようなリフを作ったが、明るい曲調のためナカジマ氏がボーカルをとることになった。
和嶋氏はコロナ禍でマスクの下の唇が見えない状況から、この詞を作るに至ったと言う。
未来からの脱出
- 作詞:和嶋慎治、作曲:ナカジマノブ
- 収録アルバム:23th『色即是空』(2023)
ナカジマ氏が作曲を担当した、NWOBHM調のスピーディーな楽曲。ナカジマ氏らしい、ワイルドに叫ぶようなボーカルが印象的である。
楽曲のテーマとしては『色即是空』に収録の「さらば世界」にも通じるものだが、重厚感のある「さらば世界」と対比して、疾走感がありつつ鋭いテーマの歌詞が面白い。
まとめ
今回は人間椅子のドラム・ボーカルのナカジマノブに焦点を当て、ボーカルをとっている楽曲を全て紹介した。
人間椅子の音楽性とは異なるジャンルをメインに活動していたナカジマ氏だった。加入にあたっては、ハードロックに馴染みつつ、人間椅子の音楽とも融合していく段階が必要だった。
最初は”ノブさんが歌うコーナー”と言う形で、少し別枠のような形だった。それが今はすっかり人間椅子の音楽性と、ナカジマ氏の個性が融合して、新たな形が生まれた。
これまでのナカジマ氏ボーカル曲を並べて聴いてみると、その変化を感じることができるだろう。ぜひ改めて公式のプレイリスト、あるいはCDで楽しんでいただきたい。
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