【人間椅子】リマスター『無限の住人』の雑感 – 音質・ボーナストラックについて

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人間椅子

人間椅子の直近の話題として、1996年に発売された6thアルバム『無限の住人』の全編リマスターによる再発売がある。

2016年にメルダックで発売されていた旧譜が一斉にリマスター&HQCDによる再発売があり、高音質で人間椅子の過去の作品を聴くことができるようになった。

人間椅子には他のレーベルで発売されていたアルバムがあり、それらの作品はまだリマスター盤が発売されたことがなかった。

今回メルダック以外でリマスター盤が発売されるのは『無限の住人』が初である。

今回の記事では、リマスターで音質がどのように変わったのか。聴いた雑感を書き記しておきたい。

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アルバム『無限の住人』について

ここではアルバム『無限の住人』の基本情報と、筆者によるアルバムの評価・感想などをまとめた。

基本情報

人間椅子の6枚目のアルバム『無限の住人』は、1996年9月20日に発売された。2008年に再発されたものの、廃盤となっており入手困難が続いていた。

本作は、人間椅子ファンであった漫画家沙村広明氏により、漫画『無限の住人』のイメージアルバムとして制作された。

内容は『無限の住人』の漫画の内容と直接関係はないが、ルールとして「英語を使わない」「舞台となっている江戸時代にないものは歌わない」が課された。

各楽曲の小ネタは以下の記事を参照

アルバム『無限の住人』への筆者の評価

漫画「無限の住人」のイメージアルバムとして制作されたが、人間椅子のアルバムとして、大変内容が充実している傑作アルバムである。

個人的には、人間椅子のアルバムの中ではベストと言っても良いのではないかと思っている。

コンセプトアルバムでありながら、ジャンル的には幅広い音楽性を見せているところが魅力である。「辻斬り小唄無宿編」ではサーフロック、「宇宙遊泳」ではスペースロックの要素がある。

ヘビーな曲は和嶋氏の「莫迦酔狂ひ」「黒猫」でじっくり聞かせてくれるが、それ以外は聴きやすい楽曲が多いのは、イメージアルバムである故だろうか。

楽曲のバランスが良いため、全編を通して聴くと、非常に流れが良いアルバムである。

また和嶋氏のギターソロも大変練られており、泣きのギターも堪能できる。

『無限の住人』のギターソロについて書いた記事

ただしサウンド面においては、やや不満のある作品でもある。残念ながら、あまりハードロックの迫力が伝わらない音になってしまっている。

まず普段の人間椅子の作品に比べて、ギターの音が小さい。人間椅子の他のアルバムでは、ギターが全体を包み込むような音作りになっている。

ベースも硬質な良い音が入っているものの、全体の中では迫力に欠ける音になっている。本作は、全体的に楽器よりも歌に重点を置いた音作りになっている。

ロック好き以外もターゲットにしようと意図したためか、他の人間椅子のアルバムと並べて聴くと、やや違和感を覚えてしまう。

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リマスター『無限の住人』の雑感

サウンド面にだけ不満が残る作品だったので、リマスター盤として発売されることは大いにありがたい。

またアルバム未収録だった「桜下音頭」、新曲「無限の住人 武闘編」がボーナストラックとして収録されることも喜ばしい。

ここではリマスター盤を聴いた雑感を書いている。

良かった点

まず良かった点。

何よりも、音が全体に前に出ている。これまでは聞こえなかったようなエフェクトや音の質感が伝わってくるようになった。

一番改善されたのはドラムの音だろう。金物の音がしっかりと抜けるようになっており、音に締まりが出て良い。

具体的な楽曲では、「宇宙遊泳」の鈴木氏のボーカルに、大きくディレイがかかっていることは聞こえていなかった。録音された様々な工夫を、しっかりと耳にできる点は嬉しいところだ。

またシングルのみ収録だった「桜下音頭」がめでたくアルバム初収録となった点も嬉しい。「無限の住人」作者の沙村広明氏がメインで作られた楽曲で、歌謡曲風のディスコソングである。

「桜下音頭」も楽器の音が聞き取れない部分があったが、今回のリマスターによってクリアに聞こえるようになった。サビの楽器の音が聞き取れなかったところも、かなりクリアに聞こえる。

新曲「無限の住人 武闘編」に関しては、配信のみではなくCD収録されたことは素直に嬉しい。そして、20年以上の時を経て制作された続編の楽曲を、並べて聴ける喜びもある。

アルバムの再発が決まった際には、「桜下音頭」「無限の住人 武闘編」の収録は告知されておらず、筆者はTwitterでこれらの収録を強く望んでいた

残念だった点

少し残念に感じた点も書いておきたい。

全体的な音の厚みについては、やはりHQCDバージョンほどには改善が難しかったようだ。音の立体感は増しているが、音全体の迫力(および音量)については限界があるのかもしれない。

特にCDプレーヤーで流した場合にはそれが顕著だった。しかしヘッドホンで聴くと、音圧の改善についても感じることができた

権利関係等々で難しいと思われるが、リミックスバージョンをDISC2で付けられるとなお良かったのかもしれない。

筆者のTwitterでは、リマスター+リミックスの2枚組の再発について、再発が決まる前につぶやいていた。

今の人間椅子の録音・ミックスを担当チームで、改めて音を作り直す作業をすると、どんな仕上がりになったのかも気になるところだ。

そして、慣れ親しんだミックスを変えてしまうのは、違和感にもつながるため、リマスターとリミックスはセットで発売するのが望ましいだろう。

最後に、新曲「無限の住人 武闘編」は、本作の音量に合わせて収録されているため、やや最近の音像とは異なる印象となっている

多少気になる程度ではあるが、良曲なのでボーナストラックという形はもったいない気もした。

まとめ

取り留めなく、リマスター盤の『無限の住人』を聴いた雑感を書いてきた。

名盤アルバムの『無限の住人』がリマスターされたことは、大変喜ばしい。現代のマスタリングで当時に収録した音が蘇ったことで、快適に作品を楽しむことができる

好きなアルバム過ぎるゆえに、やや厳しめのコメントも書いてしまった。

今のレーベルとも異なる場所で制作されたアルバムだけに、リマスター再発には様々な調整が必要だったことだろう。

ライブができない状況の中、過去の作品を楽しめるように取り計らっていただいたことは大変有り難い。

ぜひライブができる状況になった際には、ぜひ『無限の住人』からたくさん演奏されることを心から願いたい。

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