2021年6月~7月 よく聴いたおすすめアルバム5選(青葉市子, L’Indécis, 大原麗子, America, Yumi Zouma)

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よく聴いたアルバムの中から、”おすすめアルバム”を選んで記事にしている。

先月(5月~6月)のよく聴いた5枚についての記事

夏が近づいたことで、爽やかなアルバムを聴くことが増えたような気がする。今月も様々なジャンルから、心地好いアルバムを5枚選んでみた。

最新作から過去の名盤まで幅広い5枚となったと思う。

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青葉市子 – アダンの風 (2020)

以前、当ブログでもちょこっと紹介した青葉市子氏の2020年のアルバムである。弾き語りスタイルのこれまでの作品とは、サウンドも世界観も異なる作品だ。

本作は”架空の映画のためのサウンドトラック”というコンセプトであり、アレンジもこれまでと異なってギター以外にも様々な楽器が使用されている。

青葉氏が沖縄や奄美大島に滞在し、そこで物語のプロットを書き始めたと言う。物語『アダンの風』は近親交配で純血を保っていた島の少女が、異なる島へと流されるストーリーだそうだ。

その物語を軸に、今回は音楽家の梅林太郎氏、写真家の小林光大氏とともに制作している。作品の解説や制作に関しては、非常に詳細なインタビューがあるので、参考にされたい。

Mikki「青葉市子『アダンの風』ロング・インタビュー 島々を巡って紡いだ物語から、時空を繋ぐ音楽が生まれるまで」

青葉市子『アダンの風』ロング・インタビュー 島々を巡って紡いだ物語から、時空を繋ぐ音楽が生まれるまで | Mikiki
今年デビュー10周年を迎えて、新レーベル、hermineを立ち上げたシンガー・ソングライターの青葉市子。そのhermineからリリースされた新作『アダンの風』は、南の島に滞在していたときに思いついた物語...

CINRA.NET「青葉市子『アダンの風』全曲解説。作曲家・梅林太郎と共に語る」

青葉市子『アダンの風』全曲解説。作曲家・梅林太郎と共に語る
デビュー10周年、歌の本質に立ち返って生まれた大作を「響き」に着目して紐解く

TOKION「『アダンの風』をめぐるクロストーク:青葉市子×梅林太郎×小林光大」

青葉市子×梅林太郎×小林光大:『アダンの風』をめぐるクロストーク - TOKION
“架空の映画のためのサウンドトラック”をコンセプトとする青葉市子の新作は、どのように生まれ、育まれたのか。青葉と2人の共作者によるクロストーク。

解説的な内容はインタビューに譲るとして、本作の良さについて書き留めておきたい。

まずは弾き語りスタイルでないことについては、本作のコンセプトと世界観を知れば納得ができる。プログレのアルバムのような、壮大な世界観が表現されたアルバムである。

3曲目に収録された「Porcelain」は作編曲を梅林太郎氏が担当している。

本作は青葉氏の作ではない楽曲も多いが、メロディを作ることは本作では一部の作業であり、音楽というスケールに止まらない作品だ。

「Porcelain」 はアルバム前半のハイライトとも言える曲で、浮遊するメロディラインが土着的な魅力である。

アルバムの中では8曲目の「Sagu Palmʼs Song」が青葉氏によるもので、これまでの弾き語りのスタイルを踏襲した楽曲だ。アルバムの深い世界から、ふと現実に戻ってきたような感覚になる。

まだ筆者は物語のプロットと照らし合わせて聴くところまでいっていない。しかし、音だけを聴いていても、その奥深い世界観と作り込まれた音に圧倒される。

もともとコンセプトアルバムが好きなだけに、とても気に入って聴いている。ここまで1つのアルバムにこだわって作られた作品が、現代においても存在することが嬉しい。

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L’Indécis – Second Wind (2019)

ローファイ・ヒップホップ”なるジャンルのミュージシャンと言うことだが、 L’Indécisがリリースした2019年のアルバム。

ローファイ・ヒップホップと言うジャンル自体に馴染みがなかったが、ジャズ的な感覚をヒップホップに持ち込んだもので、インスト曲が多いのが特徴のようだ。

リズムが打ち込みを主体にしているところにヒップホップ要素があり、アレンジはジャズの要素を強く感じる。

ネットシーンを中心に流行し、 L’IndécisのCDもリリースしているChillhop RecordsはYouTubeチャンネルでライブ配信を継続して行っている。

もともとネットシーンであったため、CDの形態でリリースされないものも多い。

L’Indécisの2018年の『Playtime』、2017年の『Plethoria』の2作は2019年にコンパイルした編集盤としてリリースされた。

ローファイ・ヒップホップについて解説された記事

ネット発の音楽ムーブメント「ローファイ・ヒップホップ」とは? | ARBAN

そんなローファイ・ヒップホップのサウンドを堪能できるのが『Second Wind』である。

2曲目に収録されたタイトルトラック「Second Wind」は、ゆったり繰り返されるリズムにジャズギターがとても心地よい。

7曲目の「Sideways」は少しリズムが跳ねる曲で、バンドらしさも感じる。実際にセッションが行われた様子も公開されており、ヒップホップの枠にはとらわれない楽曲もある。

3曲目に収録された「Fried Potatoes」は、よりスロウなテンポでチルアウト的な要素を強く感じる。生音の楽器の音色が優しく響く、これも非常に心地よい楽曲だ。

全体を通じてずっと聴いていたくなるような、心地好いビートとサウンドが特徴的だ。1曲あたりの時間は非常に短く、そこがチルアウトのようなひたすら繰り返すジャンルとは少し異なるようだ。

1曲ごとに微妙にビート感や音の広がりを変化させ、聴く側の心にわずかな変化をもたらす。穏やかながら能動的な時間が流れていくこの作品は、ずっと聴いていたくなる。

大原麗子 – 愛のつづれ織り (1978)

3枚目は思い切り趣向を変えて、女優大原麗子が残したただ1枚のアルバムを紹介したい。

大原麗子氏と言えば、1960年代は映画『網走番外地』シリーズで人気が出たことで不良映画の出演が多かったが、70年代にはテレビドラマを中心に日本的な女性の役で人気を博した。

”男はつらいよ”シリーズが好きな筆者としては、1984年の映画『男はつらいよ 寅次郎真実一路』で蒸発した夫を探す妻ふじ子の寂しげな演技が印象的だ。

どこか憂いがあり、儚げなイメージであるが、2度の離婚や闘病生活や闇整形の失敗など波乱万丈の人生を送り、2009年に62歳で亡くなっている。

そんな彼女は歌手活動も行っており、シングル3枚とアルバム1枚を残している。1978年の本作は、フォークや歌謡曲の作家が集まり作られたアルバムである。

楽曲としては歌謡曲、少し演歌と言った内容が多い。しかしド演歌の曲はなく、洗練された歌謡曲と言った印象なのは、70年代後半というシティポップが流行した時代背景もあるだろうか。

何と言っても大原氏の哀愁のあるボーカルがとても良い。決して技巧的とは言えないが、ずっと聴いていたくなるような味わい深い声である。

特に筆者が好きなのは「おもしろくて哀しくて」だ。王道の歌謡曲的なメロディラインだが、朗々と歌い上げたのではしつこくなってしまうだろう。

大原氏のさりげないボーカルに合わせて作られたような、ドラマチックなメロディが素晴らしい。

最後に演奏と語りのみで構成された「レストラン(語り)」が入っている。これがまた映画のワンシーンのようであり、とても良かった。

洗練された音楽が流行だった時代の、映画音楽のような素晴らしいアレンジを聴くことができる。”女優が出したアルバム”として片付けることはできない、良い音が詰め込まれている。

America – Your Move (1983)

イギリスで結成されたバンドAmericaの1983年のアルバムである。時代的にもAORの影響を強く受けたような、メロウで甘いボーカルの作品となっている。

しかしもともとのAmericaはよりフォーキーなバンドだった。1972年リリースの「名前のない馬」は、Billboard Hot 100で第1位を獲得している。

70年代後半はややヒットに恵まれない時期があったようだが、1982年の『View From The Ground(風のマジック)』でヒットを放って復活となった。

楽曲としては、爽やかなAOR路線へと切り替えている。この頃はRuss Ballardが作曲・プロデュースで加わり、「You Can Do Magic」がヒットしている。

ヒットした1982年の作品の続編的なアルバムが求められたのも無理はない。そんな本作『Your Move(渚のボーダー)』は、Russ Ballardが全面プロデュースした作品である。

昔からのAmericaファンにはいまひとつ評価の高くないアルバムのようだ。しかしAORという文脈で聴けば、ソフトで良いメロディの聴ける良盤だと思っている。

たとえば2曲目の「She’s a Runaway」は完全にAORの楽曲である。ボーカルもかなり甘い雰囲気となっており、もはやフォーク的な力強さは確かに感じられない。

5曲目の「The Border」はややロックテイストの楽曲。80年代らしいロックと言う印象で、サビのメロディが非常に耳に残る。

革新性は確かに感じられないアルバムかもしれないが、ゆったりと美しいコーラスに耳を傾け楽しめるアルバムだと思う。

爽やかな海辺の風が吹いてくるような、夏の時期にぴったりのアルバムではないだろうか。

Yumi Zouma – Yoncalla (2016)

ニュージーランド出身の4人組ドリームポップバンド、Yumi Zoumaの1stアルバムである。

日本人のような不思議なバンド名だが、メンバー共通の友人からとった名前とのこと。透明感のある女性ボーカルが特徴的で、いかにもドリームポップと言う感じのサウンドだ。

今回紹介するデビュー盤の前は、メンバーはオンライン上で楽曲制作を行っていたようだ。その頃の作品が、編集盤『EP I & EP II』として2015年にリリースされている。

そしてパリで集まってレコーディングされたのが、この『Yoncalla』である。全体的に音数が少ない簡素なアレンジゆえに、奥行きを感じるサウンドが1番の魅力であると思う。

1曲目の「Barricade (Matter Of Fact)」では、アルバム冒頭に非常にミニマルなサウンドの楽曲を配置している。曲の後半に行くにつれ、音を重ねて盛り上がっていくような展開になっている。

3曲目の「Keep It Close To Me」はよりダンスミュージック寄りのビートだ。ここでもやはり簡素なアレンジで、隙間のあるサウンドがとても心地よく感じられる。

筆者の好みとして、ドリームポップでも音数ができるだけ少ない方が好きだ。逃げ場がないほど簡素なアレンジの中、厳選された心地よい音が並べられているようなアルバムだ。

その後も新作リリースを続けているとのこと。ぜひ他のアルバムも手に取ってみたい。

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