しばらく日常的なことは書かずに来たが、今日は少し書いてみたい。
勤め先でもいよいよ出勤を自粛する方向で話が進んでいる。
昔ながらのやり方をしている職場ゆえ、なかなか在宅勤務に舵を切れずにいたが、さすがにそうもいかなくなってきたところだ。
年度明け早々で、どうなっていくのだろうとも思うが、もうこうなった以上は元通りには戻れないだろうと思っている。
むしろ新しいやり方に慣れて、僕たち自身が一皮むけるタイミングなのだろう。
今回の新型コロナウイルスについては、情報が今一つはっきりとしないところがあるように思っている。
医療の最前線においては本当に懸命な努力をされていることを思うと本当に頭が下がるが、一方ではSNS等では根拠のはっきりしない玉石混交とも言える情報で溢れ返っている。
情報と言うのも、浴び過ぎると毒なのだと思う。
今は何者にも、そして何事にも巻き込まれないで、自分をしっかり持つということがいつも以上に求められている。
自分をしっかり持つ、というのは頑なに主張をするということでは、もちろんない。
自分以外の何かに支配されるのではなく、そして支配するでもなく、自分の判断がそこにあることだ。
だからどんな状況になろうとも、時に頑丈に、時にしなやかに対処できる。
それを僕は「凛とした」、という言い方をするのではないかと思っている。
僕もそうなりたいと思いつつ、なかなか難しい。
しかし特別なことはできない。
僕がここでできることも、やっぱり好きな音楽について書くことだけなのだ。
・青葉市子 – 『qp』
「凛とした」という言葉がこれほどしっくりくるアルバムがあるだろうか。
最近よく聴いている青葉市子さんの『qp』と言うアルバム。
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青葉市子さんは1990年生まれの女性シンガーソングライター。
ガットギターをつま弾き、歌うというスタイルで、ギターは我流らしい。
しかしこの弾き語りスタイルが、こうでしかあり得ないようなオリジナリティがある。
おそらく歌うこととギターを弾くことの絶妙なリズム感を持った人なのだろうと思う。
僕はこの曲がとても気に入って、『qp』という6枚目のオリジナルアルバムを手にした。
過去作品も聴いたが、この『qp』は格別に透き通っていて、それでいて優しい。
しかし”癒し系”と言うのとは全然違う。
アルバムは妖艶でもあり、恭しくもあり、そして儚くもあり、様々な色を見せてくれる。
それも青葉さんの歌に芯が通っているからなのだろうと思う。
そういった人から出てくる音はやはり心地良いのだ。
そして青葉さんのギターと声に耳を澄ませていると時間を忘れさせてくれる。
現実が厳しい時にこそ、しばし羽を休めて音楽に浸る時間を持ちたい。
自分を見失わないためにも、優れた表現に触れることは忘れたくないものだ。
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