「トラック野郎」主題歌からマライア・キャリーまで!ロックバンド怒髪天のユニーク過ぎるカバー楽曲まとめ

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一昔前に”カバーブーム”と言われるほど、楽曲のカバーをすることが流行った時期があった。多くはポップスの歌手であったが、ロックバンドにおいてもカバーが行われることがある。

筆者は原型を止めないカバーには懐疑的であり、カバーについて以下の記事を書いた。

そんな中、ロックバンド怒髪天によるカバーは、見事にアレンジを行って自身の楽曲のようにアレンジする点が見事だと感じている。そしてジャンルのバリエーションも豊かである。

そこで今回は怒髪天の魅力的なカバー楽曲をまとめてみた。

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ロックバンド「怒髪天」について

怒髪天は、1984年に北海道で結成されたロックバンドで、メンバーは4人からなる。

増子 直純(ますこ なおずみ):ボーカル
上原子 友康(かみはらこ ともやす):ギター
清水 泰次(しみず やすつぐ):ベース
坂詰 克彦(さかづめ かつひこ):ドラム

JAPANESE R&E(リズム&演歌)という独自のジャンルを称している。海外におけるブルースは、日本では演歌であるとの考えから、生活に根差したロックを鳴らすバンドとして人気がある。

ボーカル増子氏による味わい深い歌詞とだみ声ボーカル、ギター上原子氏による自在な音楽性が特徴である。あらゆるジャンルをバンドで演奏しきる力量を持ったバンドである。

簡単な来歴は以下の通り。

1991年にメジャーデビューするも、1996年に活動を休止

1999年の活動再開後、インディーズで活動を行い、シングル1枚、ミニアルバム3枚、フルアルバム2枚をリリースしている。

2004年よりテイチクエンタテインメントのレーベルインペリアルレコードより再メジャーデビューし、2009年ごろから徐々にメディアでの露出やライブ動員が増加し始める。

2014年には”史上最遅記録”の日本武道館公演『ほんと、どうもね。』を行い、満員御礼の大成功を収める

2019年には2009年に発表した「オトナノススメ」10周年を記念し、ドラマー6名、ベーシスト6名、ギタリスト13名、ヴォーカリスト&コーラスをあわせて総勢220名が参加したトリビュート企画『オトナノススメ~35th 愛されSP~』が公開された。

代表曲としては、上記の「オトナノススメ」以外には、「酒燃料爆進曲」「喰うために働いて 生きるために唄え!」「歩きつづけるかぎり」などがある。

※おすすめのアルバムや歴史などについて、詳しくは以下の記事にまとめている。

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怒髪天のカバーの特徴

怒髪天はこれまでのキャリアの中で、数々のカバーやトリビュートアルバムへの参加がみられる。

怒髪天のカバーの特徴は、持ち曲かのように怒髪天流のアレンジに変身させることである。

怒髪天はバンドによるシンプルなサウンドを保ちながら、リズムにはジャズロカビリーなどを取り入れ、アレンジ的にはハードからオシャレなものまでオールマイティに作り上げる。

こういった怒髪天らしいアレンジはカバーにおいてもかなり作り込まれている。元アレンジへのリスペクトはもちろんあるが、大胆に怒髪天流に変えることでカバーとして成功している。

あまりに怒髪天らしいアレンジになっているために、元曲を知らないとカバーだと気づかないことすらあるのではないかと思われる。

怒髪天のカバー楽曲まとめ

これまで怒髪天がカバーした楽曲について、1.怒髪天オリジナル作品に収録された楽曲、2.トリビュート・カバーなどオムニバス盤に収録された楽曲に分けて紹介している。

各楽曲について、以下の情報を載せている。

  • 収録作品(怒髪天の収録作品と発売年)
  • オリジナル(オリジナル歌手・オリジナル発売年・あれば収録アルバム)

なお筆者が実際に聴いた楽曲のみ、以下の点を書き加えている。

  • オリジナル再現度(オリジナルと似ているか5段階で評価)
  • 怒髪天らしさ(怒髪天のオリジナルに近いアレンジか5段階で評価)
  • おすすめ度(総合的なおすすめする程度を5段階で評価)
  • コメント

怒髪天オリジナル作品に収録された楽曲

一番星ブルース

  • 収録作品:ミニアルバム『握拳と寒椿』(2004)
  • オリジナル:菅原文太・愛川欽也『一番星ブルース』(1975)
  • オリジナル再現度:★★☆☆☆
  • 怒髪天らしさ:★★★★★
  • おすすめ度:★★★★★

1975年から1979年の映画シリーズ『トラック野郎』の主題歌。作詞:阿木燿子、作曲:宇崎竜童、編曲:ダウン・タウン・ブギウギ・バンド。

オリジナルは渋いブルーステイストであり、怒髪天バージョンでは冒頭部分は忠実に再現されている。しかしその後は激しいジャングル・ビートに変わり、怒髪天らしいロックアレンジとなっている。

増子氏は大きな影響を受けていると思われ、怒髪天との相性も抜群でありおすすめである。

唐獅子牡丹

  • 収録作品:ミニアルバム『桜吹雪と男呼唄』(2005)
  • オリジナル:高倉健『唐獅子牡丹』(1965)
  • オリジナル再現度:★☆☆☆☆
  • 怒髪天らしさ:★★★★☆
  • おすすめ度:★★★★☆

日本映画昭和残侠伝シリーズの主題歌である。作詞:矢野亮・水城一狼、作曲:水城一狼、高倉健による歌唱。

オリジナルは渋い演歌であるが、カバーではズンドコ節風でギターはスカのような大胆なアレンジ。ややコミカルに感じさせるコーラスは怒髪天らしい。

元曲がしっかり演歌なので、怒髪天にはないメロディに感じる人もいるだろう。

ぐでんぐでん

  • 収録作品:シングル『酒燃料爆進曲』(2007)
  • オリジナル:萩原健一『ぐでんぐでん』(1980)
  • オリジナル再現度:★★★☆☆
  • 怒髪天らしさ:★★★★☆
  • おすすめ度:★★★★★

作詞:康珍化、作曲:鈴木キサブロー、編曲:ドンファン、萩原健一による歌唱。元曲もロックテイストの楽曲で、萩原氏の男臭いボーカルも怒髪天との相性は抜群であり、カバーのイメージもしやすい。

リズミカルに動くベースラインが怒髪天らしさを感じさせる。少し跳ねたリズムを持ってくることが怒髪天は多いように感じる。

増子氏のボーカルも低音を聴かせるような歌い方をしている。

夏のお嬢さん

  • 収録作品:シングル『真夏のキリギリス』(2010)
  • オリジナル:榊原郁恵『夏のお嬢さん』(1978)
  • オリジナル再現度:★★★★☆
  • 怒髪天らしさ:★★★☆☆
  • おすすめ度:★★★★☆

怒髪天らしからぬ”夏向けの曲”をコンセプトに作られたシングルに収録。オリジナルは作詞:笠間ジュン、作曲:佐々木勉、編曲:小六禮次郎。

まさかの昭和のアイドル楽曲をチョイスしているが、アレンジはかなり原曲に忠実に作られている。それゆえに増子氏のだみ声のボーカルで聴くと笑ってしまう。

圧倒的なインパクトであり、ライブでは盛り上がること間違いなし。

恋人たちのクリスマス(All I Want for Christmas Is You)

  • 収録作品:シングル『Merry X’mas Mr. Lonelyman』(2010)
  • オリジナル:マライア・キャリー『恋人たちのクリスマス』(1994)
  • オリジナル再現度:★★★★☆
  • 怒髪天らしさ:★★★☆☆
  • おすすめ度:★★★★☆

『真夏のキリギリス』に続く、怒髪天らしくない”冬向けの曲”のシングルに収録。作詞・作曲は、Mariah Carey/Walter N. Afanasieffである。

こちらも「夏のお嬢さん」同様、バンド編成で原曲のリズムや雰囲気を再現している。増子氏のだみ声が最も似合わない楽曲であり、クリスマス感を全く感じない点が面白い。

「夏のお嬢さん」と併せて、カバーのチョイスが素晴らしい。

男達のメロディー

  • 収録作品:シングル『44 “R&E” MAGNUM tour ライブ会場限定盤』(2011)
  • オリジナル:SHOGUN『男達のメロディー』(1979)
  • オリジナル再現度:★★★★☆
  • 怒髪天らしさ:★★★★☆
  • おすすめ度:★★★★☆

SHOGUNのデビュー曲で、テレビドラマ「俺たちは天使だ!」の主題歌に使用された。SHOGUNは「探偵物語」の主題歌も作っており、男っぽくも都会的なサウンドが魅力である。

この楽曲はカントリー要素も強い楽曲だが、怒髪天のカバーもかなり原曲に忠実である。

バンドによる再現をしやすいこともあるが、世代的にはかなり影響を受けているためアレンジを変えなかったのかもしれない。

夕焼けのメロディー

  • 収録作品:怒髪天×SCOOBIE DOのシングル『恋のレキシカン・ロック / おんな』(2012)
  • オリジナル:SCOOBIE DO『夕焼けのメロディー』(1999)
  • オリジナル再現度:★★★★☆
  • 怒髪天らしさ:★★☆☆☆
  • おすすめ度:★★★☆☆

怒髪天とSCOOBIE DOのコラボシングルであり、ゲストにはレキシが参加している。カバー楽曲はSCOOBIE DOのデビューシングルである。

オリジナルとリズムなどは同じであるが、レキシ池田氏によるキーボードが目立つアレンジとなっている。やや怒髪天らしさは感じにくいカバーかもしれない。

トリビュート・カバーなどオムニバス盤に収録された楽曲

世界のまん中

  • 収録作品:アルバム『THE BLUE HEARTS 2002 TRIBUTE』(2002)
  • オリジナル:THE BLUE HEARTS『THE BLUE HEARTS』(1987)

男餓鬼道空っ風

  • 収録作品:アルバム『エレファントカシマシカヴァーアルバム 「花男」』(2003)
  • オリジナル:エレファントカシマシ『東京の空』(1994)
  • オリジナル再現度:★☆☆☆☆
  • 怒髪天らしさ:★★★★★
  • おすすめ度:★★★★★

エレファントカシマシのトリビュートアルバム第1弾で、全体的に渋い楽曲が選ばれている。怒髪天がカバーしたこの曲も、エレカシの中でも決してメジャーな楽曲ではない。

しかし怒髪天がカバーするならこれしかないぐらい絶妙な選曲だ。そしてオリジナルの独特なアレンジに縛られず、大胆に怒髪天流にアレンジを変えている

怒髪天のオリジナル曲と言われても全く違和感のないカバーであり、怒髪天のカバーの中でもダントツでおすすめの楽曲だ。

怪獣音頭

  • 収録作品:アルバム『ROCK THE ULTRAMAN (ウルトラマントリビュート)』(2006)
  • オリジナル:ハニー・ナイツ(1971?)

『帰ってきたウルトラマン』における挿入歌。

バラッドをお前に

  • 収録作品:アルバム『THE MODS TRIBUTE ALBUM SO WHAT!! Vol.2』(2006)
  • オリジナル:THE MODS『HANDS UP』(1983)

落陽

  • 収録作品:アルバム『吉田拓郎トリビュート~結婚しようよ~』(2008)
  • オリジナル:よしだたくろう『よしだたくろう LIVE’73』(1973)
    オリジナル再現度:★★★☆☆
  • 怒髪天らしさ:★★★★☆
  • おすすめ度:★★★★☆

吉田拓郎氏の人気の高い楽曲をカバーしている。「落陽」は様々なアレンジが存在するが、『よしだたくろう LIVE’73』ではブルースロックテイストのバンドアレンジであった。

怒髪天バージョンは、よりパンクロック色の強いアッパーなアレンジとなっている。イントロ部分は原曲に忠実であり、リスペクトも強く感じられる。

ギターソロはアコースティックギターによるもので、上原子氏らしいソロである。

深夜高速

  • 収録作品:アルバム『深夜高速 -生きててよかったの集い-』(2009)
  • オリジナル:フラワーカンパニーズ『世田谷夜明け前』(2004)

WHISKEy ROCK

  • 収録作品:アルバム『ピエロとスイカと88ライダー』(2010)
  • オリジナル:ニューロティカ『ハーレム野郎』(1989)

雨あがりの夜空に

  • 収録作品:アルバム『KING OF SONGWRITE~SONGS OF KIYOSHIRO COVERS~』(2012)
  • オリジナル:RCサクセション『雨あがりの夜空に』(1980)

I’m on fire

  • 収録作品:アルバム『Yes, We Love butchers~Tribute to bloodthirsty butchers~ Mumps』(2014)
  • オリジナル:bloodthirsty butchers『I’m standing nowhere』(1993)

エンプティ・ノーション

  • 収録作品:アルバム『ソウル・フラワー・ユニオン&ニューエスト・モデル 2016 トリビュート』(2016)
  • オリジナル:ニューエスト・モデル『プリティー・ラジエーション』(1988)

涙の連絡船

  • 収録作品:アルバム『都はるみを好きになった人~tribute to HARUMI MIYAKO~』(2020)
  • オリジナル:都はるみ『涙の連絡船』(1965)
  • オリジナル再現度:★☆☆☆☆
  • 怒髪天らしさ:★★★☆☆
  • おすすめ度:★★★★☆

リズム&演歌を標榜する怒髪天は、演歌のカバーも時々見られる。最新の作品として都はるみ氏のトリビュートアルバムへの参加である。

オリジナルはいわゆる”ド演歌”であるため、バンドアレンジに大胆に変更されている。アレンジは演歌メタル的なサウンドであり、シンプルな4ビートでヘビーに突き進んでいく。

増子氏のボーカルは高音を抑えつつ、だみ声をかなり強めた歌い方をしている。

まとめ

怒髪天のカバーが曲をまとめ、怒髪天オリジナル盤に収録された楽曲を中心に筆者のコメントも掲載した。

オリジナル盤に収録された楽曲では、怒髪天が影響を受けた楽曲から女性ボーカル曲まで大胆にアレンジを施している

リスペクトを込めて原曲に忠実な部分もありつつ、カバーに取り組むことで、アレンジ力を高めている意味合いもありそうだ。怒髪天のバンドの力量を感じることもできるだろう。

トリビュート盤では、怒髪天と距離の近いバンドのカバーも多く見られ、怒髪天の顔の広さも垣間見える。

怒髪天は増子氏のボーカルの個性が強く、バンドの世界観もかなりクセの強い。カバーではその特徴を活かし、大胆に怒髪天らしいアレンジを施すことで楽曲を料理している。

カバー作品では、どんな選曲・アレンジをしているかに注目して、好きなバンドのカバー作品を掘り下げてみるのも面白いかもしれない。

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