【ライブレポート】2023年10月1日(日)Marble独立記念3周年月間初日「rocknomukougawa2023」ジャパハリネット東京単独公演 新宿Marble

スポンサーリンク
ジャパハリネット

2015年に再結成し、地元愛媛を中心に活動しているジャパハリネット。このたびかなり久しぶりに関東でのライブを行うこととなった。

コロナ期間中は、ジャパハリネットACとしての活動がメインだったが、ようやくジャパハリネットとしてのライブ活動が再開しているタイミングである。

今回は東京では久しぶりのワンマン公演、非常にコンパクトなセットリストではあったものの、ジャパハリネットの魅力が伝わってくるライブとなった。

10月1日(日)新宿Marbleでのライブをレポートする。

スポンサーリンク

ライブレポート:Marble独立記念3周年月間初日「rocknomukougawa2023」ジャパハリネット東京単独公演

思えばライブの告知は唐突だった。8月25日、会場である新宿MarbleのX(旧Twitter)からライブ告知があり、チケット発売は翌日26日からイープラスで先着順だと言う。

今時分、事前の抽選がなく、いきなり翌日に先着順で販売と言うのも珍しい。ちなみに筆者はイープラスでジャパハリネットをお気に入り登録していたおかげで、メールが届いて知ることができた。

チケットは即完の恐れもあるので、26日の12時に待機して、迷わず購入した。分単位での即完ではなかったようだが、翌日27日には完売のお知らせがみられた。

さて、前回ジャパハリネットのライブに行ったのはいつだったのか。最後に行ったのは、2019年6月に渋谷で行われた「20祭だよ!全員集合 in TOKYO」だった。

ワンマンで言えば、2019年2月に代官山UNITで行われた「シンガとロング」TOUR2019のライブだった。

※コロナ前2020年頃までのジャパハリネットの歴史は当ブログの下記の記事をご覧いただきたい。

4年前と言えばそれほど昔でもないように思えるが、コロナ騒動を経て、通常のライブがやっと行えるようになって、という変遷を思うと、遠い昔のようにも思えてくる。

10月1日(日)、まだ少し蒸し暑さの残る新宿、時折雨が降っていた。18:10頃に会場に到着すると、既に多くのファンが待機していた。

整列は通りを挟んだ歩道で行われ、ライブハウスの入り口はこのように可愛らしい雰囲気であった。

キャパは150人程度、ステージも高さはなく、ほとんど観客と同じ目線である。

整理番号は前半ではあったので、結構前の方に陣取ってしまった。開演前、半歩前に、そして入口付近が混雑するので、右に移動できる人はお願いします、とアナウンスがある。

19:15に開演、おなじみのSE「Love Me Do?」でメンバーが入場。中田氏の合図でギターが鳴らされ、1曲目は既にこの段階で明らかになっている。

1曲目は「It’s a human road」だ。インディーズでの名盤『満ちて来たる日々』の1曲目であり、ライブでは幾度となく1曲目に披露されてきた楽曲である。

既に会場のテンションは一気にマックスへ、前の方に陣取ってしまった筆者は既にもみくちゃである。ボーカルの城戸氏は最前列の柵に上って観客から見える高さで時折歌っている。

このままもみくちゃも疲れそうなので、1曲目が終わろうかと言う頃に後ろの方へ少しずつ退散した。

2曲目はすかさず「はりねずみな男」、この流れこそジャパハリネットの王道だ。3曲目「少年の空」では、鹿島氏の気合の入った叫び声を聴くことができた。

個人的には鬱屈としていた高校時代を思い出してしまうのが「少年の空」である。

ここまで全てインディーズの楽曲、ここ最近のジャパハリネットはインディーズの楽曲がライブの中心になっているようだ。

城戸氏からのMCでは新宿Marbleへの感謝の言葉が何度も聞かれた。確かにコロナ騒動の始まる時に独立して3周年と言うのは凄いことである。

また「烈の瞬」後だったか、中田氏から長めのMC。ジャパハリネットはいろんなものから離脱した、と言うような、含みのある発言もありつつ、目の前で応援してくれるファンがいる限り続けると宣言。

城戸氏からは初めて来る人も、昔から来てくれる人にも楽しめるように、最近あまりやっていなかった曲も今日は演奏すると語る。

その1曲だったのか「帰り道2018」が披露される。2005年のジャパハリ的には中期の曲だが、アレンジは2018年リリースの『RE:JAPAHARINET』収録のリメイクバージョンだった。

ここで涙腺が崩壊していた人もいたのではないだろうか、やはり名曲である。

続く「心の音」で、少ししっとりとした曲が並ぶ。何度聴いても最後のアップテンポになる展開が好きだ。

どこかのMCで城戸氏からおじさんがこんなに揃うとは、という話があり、皆パンプアップしているとのこと。そしてなぜか中田氏サイドにパンプアップした人たちが集まると言う話もあった。

続いて「絶望の風」、アウトロのブレイクのところでりょういち氏がMCを始める。

城戸氏のリハ中の昔と変わらぬ癖を話すも、ややウケで困惑。筆者も残念ながらオチがいまひとつ掴めず。

曲が終わった後もりょういち氏がMCを続けつつ、Marbleどこですかと2回くらい聞かれたというエピソードなどを話す。

そして「贈りもの」が早くも披露され、もう終盤なのかと少し驚く。どう数えても10曲はやっていないよなと思いつつ、かなり曲数の少ないライブであることが予感させられる。

続く「哀愁交差点」で会場のボルテージはさらに高まる。今回は城戸氏はアコースティックギターは弾かず、ハーモニカのみの演奏だった。

あっという間にラストの「物憂げ世情」で、久しぶりに大声で合唱する空間は素敵だった。ここまで10曲、1時間ほどの短い本編が終了した。

アンコールで登場した際には、やや長めのMCが展開される。中田氏からりょういち氏が本当によく喋るようになったこと、地元愛媛ではラジオにテレビに大活躍であることなどが話される。

またジャパハリネットのライブに初めて来た人は?というメンバーからの問いかけに何人かの手が上がる。鹿島氏からはどういうきっかけで来ようと思ったのか、という問いかけもあった。

どうやら来たかったのだが、機会がなかった、と言う人が多かったようである。確かに再結成後の関東のライブは本数も少なく、ピンポイントで予定が合わなければ、悉く来られなかった人もいただろう。

そう考えると、あの会場にいた人の思いも結構それぞれだったのだろう。

また今回の東京のライブはライブハウスの店長の情熱に押し切られた、と言う話もあった。鹿島氏からは旅費等がかさむ現実的な問題があったことも告げられた。

しかし早い段階で完売してくれたことで、無事に実現できていることも語っていた。迷わずチケットを購入して参加できて良かった、と改めて思う。

終演後、物販コーナーにメンバーが立つことも告知される。

アンコール1曲目は「蹴り上げた坂道」、これも一気に会場がヒートアップする。ラストは少し久しぶりの「百花繚乱」、解散前の頃のことを少し思い出したりした。

これにてアンコールも含めてすべての曲目が終了、終演後はいつも通り「シンガとロング」が流れていた。

メンバーはいったん楽屋に戻り、客席後方の物販エリアで全員で物販を行っていた。しばしファンとの交流タイムとなり、ライブは終了となった。

<セットリスト>

No.タイトル収録アルバム
SELove Me Do?(WigBeach)『Chocolate』(2004)
1It’s a human road『満ちて来たる日々』(2002)
2はりねずみな男『満ちて来たる日々』(2002)
3少年の空『満ちて来たる日々』(2002)
4烈の瞬『天国ベスト〜BEST FIRE OF HEAVEN〜』(2007)
5帰り道2018『RE:JAPAHARINET』(2018)
6心の音『満ちて来たる日々』(2002)
7絶望の風『現実逃走記』(2004)
8贈りもの『満ちて来たる日々』(2002)
9哀愁交差点『現実逃走記』(2004)
10物憂げ世情『現実逃走記』(2004)
アンコール
11蹴り上げた坂道『現実逃走記』(2004)
12百花繚乱『夢色ロジック』(2007)
スポンサーリンク

全体の感想

東京でのワンマンとしては約4年半ぶりで、急きょ告知のあったライブだった。本当にあのタイミングでチケット販売を知った人だけ、そして日程が合って来られた人だけ、という感じだったのだろう。

そしてようやく通常通りのライブと言うことで、ジャパハリネットのライブを楽しめる環境が揃った中、パワフルなステージが見られたことが何より嬉しかった。

一方、久しぶりのワンマンと言うことで、それなりに長いのかと覚悟していったところ、非常にコンパクトなセットリストで少々驚いたのが本音だった。

2023年になってのジャパハリネットでのセットリストはいくつか確認していたが、インディーズ時代を中心に代表曲を集め、今回向けに数曲追加した、と言う感じである。

結果的には、2015年に再結成して初の愛媛でのワンマンライブ(後に公式サイトでDVD販売された)LTC vol.1「再結成だよ!全員集合」のセットリストをコンパクトにした内容だったと言える。

LTC vol.1「再結成だよ!全員集合」 - ジャパハリネットオフィシャルウェブショップ
収録曲01. It’s a human road 02. はりねずみな男 03. 少年の空 04. 少年バット 05. ...

つまり再結成後にリリースされた楽曲は1曲も入っていない、ということである。これが今のジャパハリのモードと言う事なのか、インディーズからメジャーデビューして最初の頃の曲が中心である。

確かにジャパハリネットの真骨頂は初期の楽曲にあり、改めてライブを再開する中で原点を見つめる、ということなのかもしれない。

とは言え、今回のライブで「PEOPLE×PEOPLE」の話題があったり、終演後に「シンガとロング」が流れたり、再結成後の曲が封印されている、と言う事でもないらしい。

繰り返しになるが、やはりもうちょっと聴きたかったというのがファンの本音だったように思う。

諸々いろんな事情はあったのかもしれない。2019年当時の城戸氏の喉の状態からすると、今回はだいぶんと回復しているようにも思われた。

ただ時折かすれ気味になることもあり、長時間歌い続けることは難しいのかもしれない、とも思った。

いずれにしても、今回のライブはメンバー・ファンがお互いに「お久しぶりです」と言う感じの再会のライブだったように思える。

メンバーは東京で久しぶりのワンマンということで緊張感もあっただろうし、実はファンの側もコロナ明けの本格的なライブに慣れていない、と言う人もいたことと思う。

また初めてジャパハリネットのライブに来たという人もいたし、たとえば10年ぶりと言うかなり久しぶりの人もいたかもしれない。

しばらくライブをやっていない、というのはそういうことでもある。愛媛から東京に出てくる大変さを重々承知しつつも、やはりまた関東でライブを楽しみにしたい。

今回のライブを”序章”として、お互いに万全の状態になり、「よし!」と言うタイミングでの次のライブも期待したいところである。

今回披露された楽曲が収録されているアルバム

天国ベスト〜BEST FIRE OF HEAVEN〜(2007)

初期ジャパハリネットの代表曲を中心にリメイクも施された、定番曲の揃ったベスト盤。

現実逃走記(2004)

メジャーデビュー後の1stアルバム、勢いを感じさせる作品。

夢色ロジック(2007)

解散発表後にリリースされたアルバム、音楽的には最も多様な方向に広がった作品。

コメント

タイトルとURLをコピーしました