「浜田省吾さんは現在も活動しているのか?」という疑問を持つ人が多いのか、以下の記事へのアクセスが多くなっている。
現在、確かにオリジナルアルバムの制作やツアー活動は頻度が落ちている。しかしファンクラブ向けには毎年ツアーを行うなど、しっかり音楽活動は継続中である。
この記事では近年の活動に注目し、往年の”名曲・レア曲”のリメイク音源を紹介したい。
1980年代に浜田氏の音楽を聴いていたが、最近聴いていなかったという人におすすめの内容だ。
前半ではリメイク作品が収録されたアルバムの紹介、後半では主に2000年以降にリメイクされた名曲・レア曲を紹介していく。
浜田省吾のリメイク作品について
1980年代~2010年代まで、浜田氏はリメイク作品を発表してきた。ここでは主だったリメイク作品の収録されているアルバムを紹介していこう。
なお2021年6月23日には「SHOGO HAMADA 45th Anniversary “DISCOGRAPHY COLLECTION”」と題し、旧譜をリプライスし全59タイトルを再発売している。
あまり強調されていないが、初期の作品を中心に新たなリマスター盤を施した作品もある。以下の7枚が今回リマスターされた。
- 1st『生まれたところを遠く離れて』
- 2nd『LOVE TRAIN』
- 3rd『Illumination』
- 4th『MIND SCREEN』
- 5th『君が人生の時・・・』
- ライブアルバム『ON THE ROAD』
- 企画アルバム『ROAD OUT TRACKS』
そして購入特典が下記サイトの通りもらえるので、ぜひこの機会に持っていないアルバムを手に取ってみてはどうだろうか。
バラードコレクション
1980年代~2000年代にかけて、計4枚のバラードコレクションを発表している。ベスト選曲と言うよりも、アルバムごとにテーマを決めてバラードを選曲し、リメイクした作品だ。
Sand Castle
- 発売日:1983年12月1日(リマスター盤が2003年9月26日に発売されている)
- 編曲:佐藤準
- テーマ:20代の若い恋人達の甘く切ない恋の物語
サウンドは80年代らしさも感じるが、神秘的な音像になっている。「丘の上の愛」「片想い」など、代表的なバラードも収録されている。
Wasted Tears
- 発売日:1989年9月1日(リマスター盤が2003年9月26日に発売されている)
- 編曲:星勝
- テーマ:30代の主人公の重く切ない“大人”の愛の物語
30代が主人公の楽曲ということで、『Sand Castle』が初期の楽曲を中心としたのに対し、「BREATHLESS LOVE」「もうひとつの土曜日」など80年代後半の楽曲が多い。
トラックダウンに納得がいかず、既にプレスされていたものを廃棄して、作り直した逸話がある。
Edge Of The Knife
- 発売日:1991年9月1日(リマスター盤が2003年9月26日に発売されている)
- 編曲:星勝
- テーマ:10代後半から20代にかけての恋人たちが主人公で、まるでナイフの刃の上を歩くような若い日々
これまでの3作の中で最も若い年代について集めたアルバム。楽曲は「想い出のファイヤーストーム」「EDGE OF THE KNIFE」など浜田氏が30代になって10代を描いた楽曲が多い。
「キャンパスの冬」はシングル『愛のかけひき』のB面で、CD初収録となった。
初秋
- 発売日:2003年9月26日
- 編曲:星勝・浜田省吾
- テーマ:40代の大人のバラード
バラード集としては4作目で最後となる本作。「君に捧げるlove song」のみ、本作のために制作された新曲である。
全体的に力の抜けた心地よいバンドサウンドとなっている。「永遠の恋人」「我が心のマリア」など、オリジナルアルバム未収録曲もリメイクされている。
ベストアルバム
2000年代~2010年代にかけて制作されたベストアルバム3部作には、リメイク作品が多数収録されている。
The Best of Shogo Hamada vol.1
- 発売日:2006年8月9日(2009年9月2日に再発売)
- プロデュース:浜田省吾・星勝
1988年から2005年までの楽曲を収録。完全なリメイク作品はないが、「Darkness in the heart-少年の夏」「日はまた昇る」のボーカルが再録されている。
他の楽曲でもリミックスが施されているものが多数ある。
The Best of Shogo Hamada vol.2
- 発売日:2006年8月9日(2009年9月2日に再発売)
- プロデュース:浜田省吾・星勝
1976年から1987年までの楽曲を収録。14曲中7曲が今回リメイクされ、その他もオリジナルではなくリメイクバージョンが収録されている。
レアな音源としては、シングル『イメージの詩』に収録されていた「生まれたところを遠く離れて」がある。
The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend
- 発売日:2010年10月6日
- プロデュース:浜田省吾、星勝、鈴木幹治
ベストアルバム3部作の完結編。時代で区切るのではなく、社会的なテーマを扱った楽曲のみで構成されている。
完全リメイクは「僕と彼女と週末に」のみで、その他はボーカル再録や一部の楽器の再録、リミックスなどが施されている。
その他(リメイクアルバム・シングル)
上記以外にも、リメイク作品がいくつかあるため簡単に紹介しておこう。
初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜
- 発売日:1997年1月22日
- プロデュース:伊藤銀次、古賀森男、斎藤誠、白井良明、町支寛二、土方隆行、浜田省吾
愛奴時代を含め、1970年代に作られた楽曲のみをリメイクした作品。プロデュースは1曲ごとにギタリストが担当している。
「あの頃の僕」はシングル『涙あふれて』のB面である。このアルバムを制作するまで、浜田氏は70年代のアルバムは廃盤にしたいと思っていたが、そのようなこだわりはなくなったようだ。
ファンクラブコンサート連動シングル
2018年以降は、ファンクラブコンサートと連動したシングルが3枚リリースされている。各シングル収録曲については後述する。
・Good Night Angel/Love Train
- 発売日:2018年9月26日
- 「Shogo Hamada & The J.S. Inspirations」名義でのリリース
・凱旋門
- 発売日:2019年9月4日
- 凱旋門・明日なき世代・防波堤の上の3曲を収録
・MIRROR/DANCE
- 発売日:2020年9月9日
往年の名曲・レア曲のおすすめリメイク楽曲紹介
主に2000年以降にリメイクされた音源について紹介していこうと思う。
今回リメイク音源をおすすめしたいポイントは、浜田氏のボーカルの良さである。年齢を重ねオリジナルよりキーが下がっているが、それが良い味を出している。
そしてオリジナル音源は、時代が古いものであれば、どうしても音の迫力が弱くなってしまう。現代の音でリアレンジされた音源は、良質な音で聴くことができる点も見逃せない。
なお各リメイク音源について、オリジナル再現度とおすすめ度を5段階で評価してみた。オリジナル再現度は、オリジナル音源と近ければ点数は高くなる。
おすすめ度はリメイクのアレンジの良さやオリジナルとの比較を通じて、リメイクバージョンのおすすめ度を総合的に評価した。
※今回紹介するリメイク音源を集めたプレイリスト
演奏旅行
- オリジナル収録作品:シングル『明日なき世代』(1980年7月21日)
- リメイク収録作品:シングル『君の名を呼ぶ』(2001年8月1日)
- オリジナル再現度:★★★★☆
- おすすめ度:★★★★★
Bruce Springsteenのようなロックテイストの楽曲。シングルのB面ではあるが、コンサートでは演奏されることも多かった楽曲。
リメイクではキーも変わらず、アレンジも大幅は変更はない。歌詞が一部変わっており、アレンジはより簡素なものとなっていて聴きやすい。
モダンガール
- オリジナル収録作品:アルバム『愛の世代の前に』(1981年9月21日)
- リメイク収録作品:シングル『君に捧げるlove song』(2003年9月10日)、ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.2』(2006年8月9日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★☆☆
コンサートでもよく演奏される楽曲。オリジナルではサックスが目立ち、華やかな印象だ。
リメイクでは大胆に楽器の音数を減らしたボーカル・コーラス中心のアレンジ。バラードセレクション『初秋』に合わせた大人向けのアレンジであり、オリジナルとは大きく印象が異なっている。
Midnight Blue Train
- オリジナル収録作品:アルバム『Illumination』(1978年9月21日)
- リメイク収録作品:シングル『光と影の季節』(2005年4月13日)
- オリジナル再現度:★★★☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
ミュージシャンとして悩んでいた時期に、その気持ちをダイレクトに表現した楽曲。人気の高い楽曲でもあり、2005年のシングル『光と影の季節』でリメイクが収録された。
Procol Harumの「青い影」のようなベースラインは同じで、キーも変化がない。約30年を経て、浜田氏の声質が年齢とともに変化したことが味わえる点でおすすめだ。
さよならの前に
- オリジナル収録作品:シングル『ラストショー』(1981年8月26日)
- リメイク収録作品:シングル『Thank you』(2005年10月12日)
- オリジナル再現度:★★★★☆
- おすすめ度:★★★★☆
60年代の音楽を感じさせる楽曲であり、シングルにのみ収録されている楽曲だった。
歓声から始まる部分も、リメイクでは忠実に再現されている。キーは下がっている点や、アウトロが引き伸ばされている点などがオリジナルと異なっている。
家路
- オリジナル収録作品:アルバム『Home Bound』(1980年10月21日)
- リメイク収録作品:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.2』(2006年8月9日)
- オリジナル再現度:★★★★★
- おすすめ度:★★★★★
ファンクラブ内の投票でも1位を獲得したこともある、浜田氏の代表曲。重厚な楽曲であり、オリジナル時点では背伸びをして作られているような印象も受ける。
リメイクではオリジナルのアレンジを最大限に生かしながら、より成熟したボーカルで深みを感じる。歌詞の一部が変更となっているが、リメイク版の完成度はかなり高い。
君に会うまでは
- オリジナル収録作品:アルバム『Love Train』(1977年5月21日)
- リメイク収録作品:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.2』(2006年8月9日)
- オリジナル再現度:★★★☆☆
- おすすめ度:★★★★★
人気の高いバラードの1つであり、バラードセレクションでもリメイクされている。オリジナルはアコースティックギターを基調とし、若者の日記のような味わいを持つ。
リメイク版ではより普遍的なラブソングへと昇華されている。非常に味わい深くおすすめである。
散歩道
- オリジナル収録作品:アルバム『Illumination』(1978年9月21日)
- リメイク収録作品:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.2』(2006年8月9日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
「君に会うまでは」同様、長く歌い継がれるバラードソングである。甘酸っぱい記憶をたどるような楽曲で、オリジナルのアレンジは冬を思わせる透明感が魅力である。
リメイクではアコースティックな音色となっている。オリジナルよりも簡素なアレンジだ。
愛という名のもとに
- オリジナル収録作品:アルバム『愛の世代の前に』(1981年9月21日)
- リメイク収録作品:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.2』(2006年8月9日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
ドラマの主題歌になったこの曲のオリジナルは1981年であり、ピアノを基調とした王道のバラードアレンジだった。
リメイクではストリングスアレンジと打ち込みのリズムを組み合わせた現代的なもの。全体的に大人向けのサウンドに仕上がっている。
土曜の夜と日曜の朝
- オリジナル収録作品:アルバム『愛の世代の前に』(1981年9月21日)
- リメイク収録作品:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.2』(2006年8月9日)
- オリジナル再現度:★★★☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
オリジナルではやや時代を感じさせる4つ打ちのスラップベースを取り入れたアレンジとなっている。
リメイクではホーンセクションが目立ち、よりダンサブルなビートに変更されている。近年のライブでは、リメイクバージョンの印象が強い。
ロマンスブルー
- オリジナル収録作品:アルバム『PROMISED LAND 〜約束の地』(1982年11月21日)
- リメイク収録作品:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.2』(2006年8月9日)
- オリジナル再現度:★★★☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
社会派の作品と言われる『PROMISED LAND 〜約束の地』にあっては、シンプルなラブソング。オリジナルでは浜田氏の瑞々しいボーカルが印象的だった。
リメイクバージョンでは、ストリングスを前面に押し出してドラムをなくしている。印象としてはロマンチックさが増していると感じた。
勝利への道
- オリジナル収録作品:アルバム『J.BOY』(1986年9月4日)
- リメイク収録作品:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.2』(2006年8月9日)
- オリジナル再現度:★★★★☆
- おすすめ度:★★★★☆
ロックテイストな浜田省吾を代表するような楽曲である。オリジナルでは思いのほかどっしりとしたリズムとなっており、コーラスワークなども作り込まれている印象だ。
リメイクバージョンではよりロック色を強め、シンプルなアレンジとなっている。アルバム『My First Love』のバンド編成に近いサウンドとなっているとも言える。
僕と彼女と週末に
- オリジナル収録作品:アルバム『PROMISED LAND 〜約束の地』(1982年11月21日)
- リメイク収録作品:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend』(2010年10月6日)
- オリジナル再現度:★★★★☆
- おすすめ度:★★★★★
『PROMISED LAND 〜約束の地』のラストを飾る壮大な楽曲であり、当時は賛否両論あったようだ。プログレ的な要素もある大作であり、オリジナルではミステリアスな雰囲気もあった。
リメイクでは現代の技術を駆使し、見事にブラッシュアップすることに成功している。よりドラマチックな展開が映える、良質なアレンジとなっている。
光と影の季節
- オリジナル収録作品:アルバム『My First Love』(2005年7月6日)
- リメイク収録作品:ミニアルバム『Dream Catcher』(2015年1月14日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★☆☆
2005年のアルバム『My First Love』のリードトラックであり、久しぶりの浜田氏らしいロックテイストの楽曲にファンも大いに歓喜した。近年の楽曲だけにオリジナルのインパクトは強い。
リメイク版は次のアルバム『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』の音作りに近く、力が抜けたものとなった。よりアコースティックなアレンジが好きな人にはおすすめだ。
I am a Father
- オリジナル収録作品:アルバム『My First Love』(2005年7月6日)
- リメイク収録作品:ミニアルバム『Dream Catcher』(2015年1月14日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★☆☆
「光と影の季節」同様、『My First Love』のリードトラックで父となった主人公の歌に多くの人が感動した。オリジナルはストレートにロックなアレンジで、ギター中心の音作りだった。
リメイク版はやや変化球で、R&Bテイストを目指したもの。ホーンセクションを取り入れ、軽やかなアレンジに生まれ変わった。
BASEBALL KID’S ROCK
- オリジナル収録作品:アルバム『誰がために鐘は鳴る』(1990年6月21日)
- リメイク収録作品:ミニアルバム『Dream Catcher』(2015年1月14日)
- オリジナル再現度:★★★★☆
- おすすめ度:★★★★☆
内省的な楽曲が多くなった『誰がために鐘は鳴る』の中ではストレートなロックナンバー。ロックと野球が好きな浜田氏らしい楽曲となっていた。
シンプルなロックンロールの楽曲だけに、アレンジの大きな相違点はない。リメイクバージョンは、より賑やかなサウンドになっている点は特徴だ。
君が人生の時…
- オリジナル収録作品:アルバム『君が人生の時…』(1979年12月5日)
- リメイク収録作品:ミニアルバム『Dream Catcher』(2015年1月14日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
70年代最後のアルバム『君が人生の時…』のタイトル曲。オリジナルでは、浜田氏の若々しいボーカルもあってニューミュージック風のアレンジとなっている楽曲だった。
リメイクではストリングが効果的に入り、より壮大なサウンドとなった。近年の浜田氏の味わい深いボーカルとともに、じっくりと聴けるアレンジとなっている。
Good Night Angel
- オリジナル収録作品:アルバム『MIND SCREEN』(1979年5月21日)
- リメイク収録作品:シングル『Good Night Angel/Love Train』(2018年9月26日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
浜田氏が作詞のスランプに陥っていた『MIND SCREEN』はやや地味なアルバムだが、良質なポップスが揃っている。オリジナルではダンサブルなシティポップ調のアレンジとなっていた。
このリメイク版は、カバーアルバム『初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜』をベースに作られている。イントロが新たに追加されるなど、より華やかな印象があり、リメイクごとに完成度が高まっている。
Love Train
- オリジナル収録作品:アルバム『LOVE TRAIN』(1977年5月21日)
- リメイク収録作品:シングル『Good Night Angel/Love Train』(2018年9月26日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★★★
名曲が多数収録されている2nd『LOVE TRAIN』のタイトル曲で、作詞は松本隆氏。愛奴のようなポップな楽曲を求められ、オリジナルはアイドル歌謡のようなアレンジと言えなくもない。
リメイク版では、より普遍的なポップスとしての持ち味を出すことに成功している。ホーンセクションを導入し、キラキラしたサウンドを作り上げている。
凱旋門
- オリジナル収録作品:アルバム『PROMISED LAND 〜約束の地』(1982年11月21日)
- リメイク収録作品:シングル『凱旋門』(2019年9月4日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
アルバム『PROMISED LAND 〜約束の地』発売当時のコンサートでは頻繁に演奏されていたものの、近年は頻度が減っていたことで、あえてリメイクされた作品。
オリジナルではキーボードを主体としたアンビエント風で神秘的なサウンドとなっていた。リメイクでは打ち込みのドラムが鼓動のように響き、生々しい現代的なサウンドに生まれ変わった。
明日なき世代
- オリジナル収録作品:アルバム『Home Bound』(1980年10月21日)
- リメイク収録作品:シングル『凱旋門』(2019年9月4日)
- オリジナル再現度:★★★★★
- おすすめ度:★★★★☆
アルバム『Home Bound』の先行シングル楽曲で、ライブでも盛り上がる躍動感溢れる曲だ。
オリジナルとリメイクバージョンでは、アレンジはあえてほとんど変化させていないようだ。約40年前の疾走感を現在のバンドメンバーと見事に再現しているように思えた。
やはりオリジナルのアレンジを素直に演奏している点には好感が持てる。
防波堤の上
- オリジナル収録作品:アルバム『愛の世代の前に』(1981年9月21日)
- リメイク収録作品:シングル『凱旋門』(2019年9月4日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★☆☆
アルバム『愛の世代の前に』のラストに配置され、死を思わせる不穏な楽曲である。ライブでは演奏されることがなかったが、リメイクにあたりファンクラブコンサートで演奏された。
オリジナルはキーボードを中心に歌謡曲的なアプローチだった。リメイクではアコースティックギターの弾き語りと、エモーショナルなギターソロという少し変化球のアレンジである。
やや好みが分かれるアレンジにも思われ、おすすめ度は低めにつけた。
MIRROR
- オリジナル収録作品:アルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』(1984年10月21日)
- リメイク収録作品:シングル『MIRROR/DANCE』(2020年9月9日)
- オリジナル再現度:★★★★☆
- おすすめ度:★★★★☆
30秒ほどのアカペラソングであるが、良質なメロディの楽曲。オリジナル・リメイクともに編曲は長年ともに活動をする町支寛二氏である。
リメイクではより複雑なコーラスワークが用いられ、時間も1:20ほどで倍近くとなっている。町支氏のアレンジ力を楽しめる点でおすすめだ。
DANCE
- オリジナル収録作品:アルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』(1984年10月21日)
- リメイク収録作品:シングル『MIRROR/DANCE』(2020年9月9日)
- オリジナル再現度:★★☆☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
12inchシングルとしてもリリースされた楽曲で、シングルではアルバムバージョンよりも打ち込みを前面に出したアレンジとなっていた。
“DANCE”というタイトルの通り、その時代に流行ったダンスミュージックのサウンドを取り入れている。リメイク版ではEDM的要素を取り入れつつ、オリジナルのフレーズを散りばめている。
違和感なくかつての音源をアップデートしたアレンジとなっている。
青春の絆
- オリジナル収録作品:アルバム『生まれたところを遠く離れて』(1976年4月21日)
- リメイク収録作品:シングル『この新しい朝に』(2021年6月23日)
- オリジナル再現度:★★★☆☆
- おすすめ度:★★★★☆
オールディーズ的な普遍的なポップスのメロディながら、オリジナルではどことなくフォーク要素もあった。それがゴージャスなR&Bに生まれ変わっている。
リズムなどは原曲と変わらず、大枠はオリジナルに忠実とも言える。ただラストには2ndアルバム『LOVE TRAIN』収録の「行かないで」のメロディが挿入されている点は新しい。
壁にむかって
- オリジナル収録作品:アルバム『生まれたところを遠く離れて』(1976年4月21日)
- リメイク収録作品:シングル『この新しい朝に』(2021年6月23日)
- オリジナル再現度:★★★★☆
- おすすめ度:★★★★☆
1stシングル『路地裏の少年』のカップリングでもあったロックテイストの楽曲。オリジナルは浜田氏のがなるようなボーカルもあって、やや荒々しい印象であった。
リメイクではよりダンサブルなアレンジとなり、しっかりとアップデートされている。ライブでも人気の曲だっただけに、待望のリメイクといったところだろう。
まとめ
今回の記事では、浜田省吾氏のリメイクアルバム紹介と、2000年以降の名曲・レア曲のリメイク音源について詳しく紹介してきた。
2000年以降の音源では、サウンド面でのクオリティが上がっており、過去作品を新たに楽しむことのできる機会が増えたと言えよう。
新旧の比較についても各楽曲で記載したが、オリジナルと極端に異なる楽曲はほとんどない。オリジナルのフレーズなどは活かしつつ、アップデートされた音で楽しむことができる。
かつて80年代の浜田氏のレコードやCDを持っている方も、ぜひアップデートされた音源を手にしていただきたい。
今年は1980年代後半のアルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』『J.BOY』『FATHER’S SON』の3枚のみのセットリストでのファンクラブツアーも計画されていた。
残念ながらこのツアーは新型コロナウイルスの影響で中止となってしまったが、今後また開催される可能性も残されている。
次のライブに向けて、現在の浜田省吾氏の音源をぜひ手に取ってみてほしいと思う。
※今後の浜田省吾氏の新作発売情報
・Mini Album「In the Fairlife」
Fairlife名義で発表された楽曲を再編集したミニアルバム。浜田氏がボーカルの楽曲のリミックス音源と、「みちくさ」を浜田氏のボーカルで収録。2020年11月11 日(水)発売予定。
・Blu-ray/DVD「Shogo Hamada Official Fan Club Presents “100% FAN FUN FAN”
ON THE AVENUE 2013『曇り時々雨のち晴れ』」
2013年のファンクラブコンサートツアーのうち東京NHKホールで行われたチャリティー公演を収録。2020年12月9日(水)発売予定。
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