ハードロックバンド人間椅子の楽曲に、「冥土喫茶」という曲がある。
ネットニュースを見ていたら、「冥土喫茶」の文字が登場して驚いた。何と「冥土喫茶」という名前でやっているお店が実際にあると言うのである。
それも予想の斜め上を行く「冥土喫茶」であったので、音楽と関係のない話題ではあるが、今回は取り上げた。
そして改めて人間椅子の「冥土喫茶」を紹介しつつ、意外な関連も見つけたのでそちらも注目いただきたい。
実在する「冥土喫茶」とは?
ネットニュースで見かけた「冥土喫茶」は、6月1日にCHANTO WEBから公開された以下の記事にあった。Yahoo!ニュースにも大きく取り上げられていたのだった。
※CHANTO WEB:メイドならぬ「冥土喫茶」雇用条件は65歳以上「喪え喪えきゅん」の異次元空間が地方の高齢者を救う訳

実在するこちらの「冥土喫茶」は、群馬県桐生市にある「冥土喫茶 しゃんぐりら」とは、65歳以上の「メイド」姿のスタッフが働くお店であると言う。
市街地の過疎化により、高齢者が集まれる場所が少なくなり、NPO法人「キッズバレイ」が企画・運営して、高齢者の居場所づくりを目的として作られたもののようだ。
人間椅子の「冥土喫茶」が、あの世に着いたら開いている喫茶店であるのに対し、こちらはあの世に近いというブラックジョークの喫茶店だったのであった。
メイド喫茶で繰り広げられる「萌え萌えきゅん」は「喪え喪えきゅん」と書かれるなど、なかなかブラックで面白い。
とは言え、高齢者の居場所づくりと言う、非常に社会的意義の高いものであり、実際のところ、人気が出始めて、高齢者のお客さんも多くなっているとのこと。
さらには「メイド」となる店員も、65歳以上を条件としており、働き手としても高齢者の居場所、やりがいをもたらす場となっているそうである。
実在する「冥土喫茶」は、単なるブラックジョークだけではなく、社会的に貢献している場所のようだ。
人間椅子「冥土喫茶」との意外な関連は?
さて改めて人間椅子の方の「冥土喫茶」について振り返っておこう。
「冥土喫茶」は、人間椅子ベース・ボーカルの鈴木研一氏が作詞・作曲した楽曲で、2009年のアルバム『未来浪漫派』に収録されている。
鈴木氏お得意のスラッシュメタル調の楽曲に、あの世の光景を残酷かつコミカルに描いた、鈴木氏の個性が炸裂した楽曲である。
歌詞には以下のような一節が印象的である。
女給さん白装束で 死化粧して死臭ふりまく
https://www.uta-net.com/song/86924/
この曲は、あの世で営業している喫茶店と言うことで、まさに死人が女給として働いている、というホラー的な内容なのだ。
当然ながら、実在する「冥土喫茶 しゃんぐりら」はそう言ったホラー要素のあるものではないようだ。
そして人間椅子の「冥土喫茶」があることを知って営業している様子もないし、ましてお店の中で「冥土喫茶」が流れていることもなさそうである。
しかし偶然なのか、歌詞と一致してしまった部分がある。それは以下の一節である。
三途の川のすぐ横 あの世着いたらすぐにおいでよ
https://www.uta-net.com/song/86924/
どうやら楽曲の「冥土喫茶」は、三途の川のすぐ横にあるのだと言う。
何と「冥土喫茶 しゃんぐりら」は入店すると、最初に「三途リバー」と書かれたビニールひもを越えていくことになるそうだ。
なお先ほどの記事によれば、「足を滑らせると地獄に落ちてしまいますので気をつけてくださいね」などと声掛けがあるそうである。
これはまさしく2つの「冥土喫茶」が出会う瞬間ではあるまいか。
こうなると、ぜひ「冥土喫茶 しゃんぐりら」で人間椅子の「冥土喫茶」を流して欲しいと思ってしまうのが、人間椅子ファンの心理である。
ぜひ檀家(人間椅子のファンのこと)の皆様も、「冥土喫茶 しゃんぐりら」に訪れてみてはいかがだろうか。
※【人間椅子】ベース鈴木研一による”◯◯シリーズ”の楽曲まとめ
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