【人間椅子】8月4日発売アルバム『苦楽』をジャケットと曲目だけで想像してみた – 先行配信曲「杜子春」の感想も

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人間椅子の22作目となるアルバム『苦楽』のジャケット、そして曲目が発表された。2年2か月ぶりのアルバム発売に、ファンも大いに期待を寄せているところである。

今回はアルバム発売までの約1か月、解禁となった情報だけであれこれ楽しんでみようと言う記事だ。ジャケット、曲目の順に、勝手にアルバムを想像してみたいと思う。

最後に先行配信となった「杜子春」を聴いた感想も述べている。

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『苦楽』のジャケットの意味するものを勝手に考える

今回のジャケットは、近年の作風とは一味異なるもので意外性があった。近年はメンバーが写っているものや、イラストの場合も日本風で洒落た印象があったぐらいだ。

しかし本作では、あからさまに不気味とも異なる、何とも言えない不気味さがあるジャケットだ。

ジャケットの原画を担当したのは、イラストレーターの鈴木旬氏である。そしてデザインはおなじみカッサイ氏であった。

筆者としては近年の作品の中では、1番気に入っているジャケットかもしれない。

3rd『黄金の夜明け』や9th『怪人二十面相』など、怪しさをイメージさせるアルバムジャケットで、どこか惹かれるものがある。

今回のジャケットにはどこか不穏なムードが漂っているように感じる。そしてその不穏さは、描かれている内容について考えてみると、さらに面白そうだ。

ジャケットに描かれているのは、どうやら弥勒菩薩だ。その弥勒菩薩がりんごを手にしているが、どんな意味が考えられるのか。

弥勒菩薩とは、ブッダの入滅(死して涅槃に入ること)後、56億7000万年後に悟りを開いて、人々を救うとされる菩薩のことだ。菩薩とは仏になるため修行している者を指す。

弥勒菩薩は遠い未来において、救われていない人々を悟りへと導く”救世主”と言う考え方がある。修行の仕方もわからないとされる”末法”の世においては、極めて重要な存在だ。

一方、手にしているりんごは、キリスト教では禁断の果実と呼ばれている。アダムとイヴは、食べることが禁じられていた果実を、悪魔にそそのかされて口にし、楽園を追放される。

禁断の果実は、”罪”の象徴ともされ、神の約束を破った”原罪”として考えられている。

つまり心の平穏を目指し、人々を救うはずの弥勒菩薩が、罪を作る”悪”の道に進もうとしているのである。いったいどんな陰謀によって禁断の果実を手にしてしまったのか。

また弥勒菩薩の目は光っており、ロボットのように見える。別の見方をすれば、弥勒菩薩の姿をした別の何かが、人々を悪の道へ引きずり込もうとしているのかもしれない。

上に示した和嶋氏のコメントと併せて考えても、仏教における悟りへの道、そしてそれを阻む悪の心、というテーマがありそうなアルバムであると想像できる。

なおジャケットの弥勒菩薩の目が光っていることで、Twitterの自身のアイコンの目を光らせる”覚醒”現象が流行っているとのこと。

SNSが浸透した昨今では、様々な楽しみ方があることがうかがえる。

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曲目からも勝手に内容を考える

曲名の第一印象というのは、思いのほか当たっていることが多い。そこで、最初にアルバムの曲目全体を見た時の印象を記しておきたい。

まずは一単語で言い切り型のタイトルが割と多い気がした。人間椅子は「◯◯の◯◯」が多くなりがち(今回も5曲あるが)だが、シンプルなものも多いように思う。

文字の並びを見ると、結構毒々しいタイトルも見られている。「悪魔の処方箋」「恍惚の蟷螂」「肉体の亡霊」などは、どんな曲だろうと期待が膨らむ。

タイトルの並びを見ていると、あまり1つの方向性に揃った印象はない。そうすると、曲調としてもばらける可能性はあるだろう。

筆者としてはハード一辺倒よりは、プログレ風味あり、ポップな曲あり、ドゥームな曲あり、とあちこちに向いているアルバムの方が好きなので、そんな期待も高まるところだ。

また人間椅子は全員ボーカルをとり、ボーカルをとる人が作曲を行うことが多い。そのため曲目が出た時点で、どれが誰の曲なのかの予想が必ず行われる。

筆者もやってみようかと思ったが、既に何人もやっている人をTwitterで見かけたので、勝手に3名分を貼らせてもらった。

いくつか気になるポイントがある。1つは2曲目の「神々の行進」が和嶋氏・鈴木氏どちらであるか、だろう。

2014年の18th『無頼豊饒』では、1・2曲目が和嶋氏の曲であった前例もある。もしかすると和嶋氏が連続の可能性も捨てきれない。

そうなると、それ以降の予想もずれてくることになる。「悪魔の処方箋」「暗黒王」あたりは、どちらも鈴木氏のようにも思えてくるし、違うようにも思えるし…わからない。

そして「宇宙海賊」がナカジマ氏の曲ではないか、という予想もある。「世紀末ジンタ」も誰がどんな曲を作ったのか気になるタイトルである。

M.9は和嶋氏であろうと言う予測から、M.9以降の予想は概ね一致と言ったところ。

なかなか予想は難しいところだが、発売までの1か月間はそれぞれで予想してみるのも面白いのではないだろうか。

先行配信曲「杜子春」の感想

アルバムから先行して1曲目の「杜子春」が解禁となっている。配信サイトだけでなく、各種サブスクリプションサービスでも聴くことが可能である。

人間椅子「杜子春」
Listen to content by 人間椅子.

筆者はさっそく聴いてみたので、少しだけ雑感を書こうと思う。アルバム発売まで聴かないという人は読み飛ばしていただきたい。

アルバム1曲目がノーマルチューニングかダウンチューニングか、で印象も決まってくる。そしてイントロはそれが分かりにくいような、意表を突いたものだった。

オルタナティブロックかな、と思うようなコードから始まり、コーラスが入ってくる。驚いているうちに、怪しげなアルペジオが聞こえてきて、ヘビーなリフへとなだれ込んでいく。

ダウンチューニングのリフで押していくタイプの楽曲である。ここ最近はメタル風のリフもあったが、この曲はがっつりハードロックのリフだ。

決して派手なタイプの曲ではない。しかし、しっかりとリフやメロディが練り込まれた楽曲であり、地を這うようなヘビーさが人間椅子の良さを改めて思い起こさせる。

最後の展開は希望を感じさせるようなものであった。この辺りは、今の人間椅子だな、と思わせるものである。

展開も多く、8分近い楽曲ではあるが、あまり長さを感じさせない。楽曲の構成力は毎回さすがだな、と感心してしまう。

ここまで練られた楽曲が出てくると、やはりアルバムへの期待も高まる。そしてアルバムの流れでこの「杜子春」を聴くと、また違った印象になるであろうことも、楽しみだ。

まとめ

今回は、人間椅子の22枚目となるアルバム『苦楽』の発売を前に、あれこれ想像を膨らませてみる記事であった。アルバム発売を待つ時間も、実はとても楽しいものだったりする。

前作『新青年』発売からは、初の海外公演があり、その後はコロナ禍の影響でライブ活動のない時期が続いた。

それでも『映画 人間椅子 バンド生活三十年』の公開と、そのDVD/Blu-rayが発売などのトピックがあった。

コロナ禍という、異例の時期を経た人間椅子の作る音楽はどんなものなのだろう。楽しみにしながら発売を待ちたいと思う。

アルバム『苦楽』の情報をまとめた記事

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