寅さんを見ながら

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一杯やっております。この幸せなことよ。

しかし寅さんの最終作は悲しいですね。

もうほとんど動く寅さんを見ることができません。多くのシーンでは寅さんは寝っころがっていたり、座っていたりするわけで、撮影が限界のところで行われていたのが分かります。

男はつらいよシリーズはかろうじて私の物心のついたときにはやっていました。45作目ぐらいのポスターなんかを映画館で見た覚えがあります。多分92年とか。ゴジラを見に行き始めた頃なので、映画館のポスターが並んでて知ったのでしょう。その頃はさすがに見てなかったですが、小学校の頃はテレビでやってたのも含めて見ましたね。結構な数を見た気がします。

その当時は人間模様の機微とか日本の社会や家族制度なんてことは分からなかったですが、今見るとそういったものがしっかりと描かれているのだなと思います。色恋沙汰や面白可笑しいシーンもありますが、実は描かれている世界はしっかりその時代の日本を描いています。

言ってみれば寅さんに関係する人物以外はみんな「カタギ」の人たち。高度経済成長を支えてきた人たちで、その労働や生活が時代ごとによく分かります。

カタギではない寅さんのその人たちとのやり取りが面白いわけですね。でも時に寅さんが間違ったことを言ってないけど、そんな世の中簡単でないってことがあって、世の中のむずかしさを感じたりします。そして寅さんのそんなまごころにホロッとしたり。

まったく演歌に寅さんっておじさんみたいになってしまいますが、そういった日本人について考えるのは面白いことでもあります。

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