【自部屋の音楽】2024年で最も聴いたアルバム・アーティスト – 過去の作品から近年の作品まで

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アルバムレビュー
画像出典:Amazon

当ブログ、自部屋の音楽では国内のベテランミュージシャン(人間椅子や浜田省吾氏など)を中心とした考察や、音楽の聴き方などについて2024年も記事を作成してきた。

お読みいただいた方々には改めて感謝申し上げたい。

当ブログで取り上げてきた内容とは別に、筆者が2024年によく聴いたアルバムやアーティストはだいぶんと違うところにあったりする。

今回の記事では、記事執筆のためではなく、純粋に筆者が2024年に1番よく聴いていたアルバム・アーティストについて、過去の作品と最近の作品に分けて紹介しようと言うものである。

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2024年で最も聴いたアルバム・アーティスト

当ブログでは人間椅子やハードロック・ヘヴィメタルの作品を取り上げることが多いように、筆者の音楽の最初の関心はその周辺であった。

その後、パンクロックやオルタナティブロック、同時にAORやソフトロック的なもの、フュージョンやプログレにも広がっていった。

さらにはアンビエントやエレクトロニカ、そしてソウルなどにも広がって現在に至っているという感じである。そのためアンビエントやソウル、ダンスミュージックなどのジャンルが多めとなっている。

筆者としては時代を問わず好きなものを探しているが、ここでは過去の作品と最近の作品(この2,3年以内にリリースされたもの)の2つに分けて紹介することにする。

過去の作品

筆者は昔のアルバムを漁っていることが多いが、2024年に最もよく聴いたアルバム・アーティストの順に紹介しようと思う。

まず最もよく聴いたアルバムは、おそらくDavid Sylvianの『Gone to Earth』(1986)ではなかろうかと思う。

David Sylvianは、イギリス出身のシンガーソングライター・ミュージシャンであり、1974年にJapanを結成してボーカルを務めていた。

1982年のJapan解散後はソロアーティストとなり、坂本龍一やロバート・フリップ等のミュージシャンとのコラボレーションでも知られる。

Japan在籍時から、徐々に電子音楽からアンビエント、民族音楽などの要素が強まっていく過程があり、ソロアーティストに転向後もその路線が継続・発展していく形となったと言えるだろう。

一般には、彼のソロ作品の頂点は1987年の『Secrets of the Beehive』であると言われることが多いが、個人的にはこの『Gone to Earth』が最も好きで、何度も聴きたくなるアルバムである。

本作はソロデビュー作である『Brilliant Trees』(1984)のロック的な要素と、カセットでリリースされた『Alchemy: An Index of Possibilities』(1985)のアンビエント要素が両方詰まった作品だ。

実に分かりやすく、2枚組の1枚目がボーカル曲、2枚目がインスト曲で統一されている。

本作の惹かれるところは、全編を通じて独特の浮遊感と言うか、”ここにいない”感じとも言うべき、トリップ体験ができるところである。

『Brilliant Trees』のようなファンク的なリズムは後退し、暗く沈み込むようなサウンドが特徴的である。

当時は麻薬を常習していたと言う噂もあるが、まさに夢の中にいるような現実感のない世界観に引き込まれる。大作ながら決して中だるみすることなく、アルバム通して楽しめるクオリティである。

個人的には2枚ともラストに配置された曲(「Silver Moon」「Upon This Earth」)が素晴らしく、とりわけ「Silver Moon」の美しい旋律はうっとりするものだ。

続いて、アーティスト単位で最も聴いたのはDead Or Aliveである。Dead Or Aliveはピート・バーンズを中心にイギリスで結成されたバンドである。

ジャンルとしてはディスコミュージックであるが、初期や前身バンドはゴシック・ロックやニューウェイヴ的な要素があり、そうした独特の雰囲気をまとったダンスミュージックが魅力である。

筆者がやはり好きなのは、ユーロビート路線になってからの『Youthquake』(1985)~『Fan the Flame (Part 1)』(1990)まではどれもよく聴いた。

この4枚がDead Or Aliveが大きく飛躍し、徐々に斜陽に向かって行く過程をよく表している感じがしている。

まず『Youthquake』は言わずと知れた「You Spin Me Round (Like a Record)」が収録されており、彼らがユーロビートのディスコ路線に切り替わった記念作とも言える。

後の時代に比べると、やや荒々しさと言うか、ロックっぽさが残ったアルバムであり、初期衝動を感じるところが魅力である。

続く『Mad, Bad, and Dangerous to Know』はディスコ路線をより明瞭なものにした作品である。よりメロディアスな部分が前面に出てきている。

そして上昇気流に乗っている感じがして、非常に勢いがあって爽快なアルバムだと思う。

そして『Nude』は名実ともにDead Or Aliveの頂点を極めた作品と言う感じがする。全曲がノンストップになっているところにも、自信と言うか勢いを感じさせるものである。

楽曲のクオリティと言う意味でも、個人的には1番高い作品であると感じている。

最後は『Fan the Flame (Part 1)』であり、徐々に人気が下火になっていくことになるが、その寂しさのようなものがアルバムからも漂ってくる感じがしている。

前作以上にポップで分かりやすい作品になっているが、初期にあった勢いやロック的な骨太さは失われつつあり、バランス感が危うくなっていくように思われる。

しかし筆者はこの秋風が吹き始めた本作の雰囲気もとても好きである。

その後のDead Or Aliveと言えば、ピート・バーンズが整形手術を繰り返して体調悪化、一時は復帰したものの、2016年に死去している。

5年間ほどの短い煌めきの時代であるが、その間にリリースされた4枚のアルバムは、どれも素晴らしい作品ばかりである。

近年の作品

過去の作品を聴くことの多い筆者であるが、最新の作品も部分的には聴くようにしている。とりわけソウルやジャズ寄りのジャンルでは手に取ってみるものが多いかもしれない。

アーティストと言う意味では、edblのリリースしたCDはよく聴いていた。edblはイギリスのプロデューサー・ミュージシャンであり、ネオソウルやローファイビーツと言われるジャンルである。

日本でも人気があったり、日本のミュージシャンとのコラボもあるためか、日本独自でのCDリリースなどもあったりして嬉しいところだ。

筆者が最初に手に取ったのは、2021年の『South London Sounds』であった。全体に”ジャジー”と言われるサウンドやメロディが、非常にセンスを感じる1枚だった。

中でもとりわけ気に入ったのは、Tilly Valentineがボーカルを担う「Symmetry」であった。力の抜けた演奏・トラックに、Tilly Valentineが歌うメロディ実に心地好い。

少し前に流行っていたローファイヒップホップ的な要素も感じられるサウンドは、聴いていてとても心地好い。

ここからTilly Valentineのアルバム『Body Language』(2023)も非常に良い楽曲が揃っており、edbl好きの人には刺さる内容となっていた。

EPもいくつかリリースされており、筆者としてはedbl & friends名義でリリースされている『James Berkeley』(2022)が気に入っている。

YakulのシンガーであるJames Berkeleyがedblのサウンドと見事に融合して素晴らしい化学反応が起きている。edbl作品の中でも、より甘くメロウな雰囲気が好きな人にはおすすめである。

そしてもう1人、Nala Sinephroはコンサートにも行き、作品もよく聴いた印象である。Nala Sinephroはカリブ系ベルギー人の作曲家・ミュージシャンである。

BEATINK.COM / Nala Sinephro / アンビエント・ジャズの傑作『Space 1.8』から3年振りとなる 待望のニュー・アルバム『Endlessness』完成 〈WARP〉より9月6日リリース

ハープやモジュラーシンセを操り、アンビエントやジャズなどを自在に演奏する。

2021年に1stアルバム『Space 1.8』がリリースされ、筆者も愛聴する1枚となっていた。ジャズとアンビエントのバランスが絶妙であり、どちらの要素も感じられる良盤であった。

そして3年ぶりにリリースとなった2ndアルバム『Endlessness』(2024)は、前作をさらに上回る力作となっていた。

輪廻をテーマにした本作は、アルバム全体が1つの世界となっている壮大な作品である。どちらかと言えば小曲を集めた1stに比べ、トータル感の増した作品になっていた。

音源では静かな印象もあるNala Sinephroであるが、コンサートでは随分と印象が違った。待望の来日公演が2024年に行われ、筆者も参加してきた。

【ライブレポート】2024年11月25日(月)Nala Sinephro めぐろパーシモンホール 大ホール

ロックのコンサートに行くことの多い筆者にとっては、色々と衝撃的なことが多かったコンサートだったが、その模様はライブレポートをご覧いただきたい。

2024年も様々な音楽を聴くことができた。来年も変わらず、新しい音楽・過去の音楽ともに掘り下げる1年として継続したいと思う。

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