【人間椅子】ファン目線でバンド生活三十五周年のベストアルバムに入る楽曲を選ぶ

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日本のハードロックバンド人間椅子は、2024年でバンド生活三十五周年を迎える

現在、4月にワンマンツアー「バンド生活三十五年~猟奇第三楽章~」(全7公演)が予定されており、今後もツアーやリリースの予定が楽しみなところである。

さてこの15年ほどを振り返ると、5年周期で周年の際にベスト盤がリリースされてきた。20周年・25周年・30周年それぞれに微妙に選曲の異なるベスト盤である。

まだ35周年を記念したベスト盤のリリースという話は聞かないが、ファンとしてはベスト盤が出るのか、どのような選曲になるのかが楽しみなところだ。

そこで今回の記事では、35周年のベスト盤の選曲をファン目線で考えてみよう、と言う内容である。選曲の基準や曲目を中心に書いてみた。

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ファンが考える人間椅子35周年ベストアルバムの選曲

さっそく35周年ベストアルバムの選曲を考えてみよう。

今回選んだ基準としては、売り手目線ではなくファン目線として、人間椅子の歴史を振り返るような内容になることを優先した。

レアな音源だから入れておく、と言うような発想は基本なく、あくまでライブの定番曲やその時期の重要と思われる楽曲を選んだ。

また曲順について、人間椅子の歴史が分かると言う意味で、今回は古い順に並べることとした。

なお曲数が増えすぎても大変なので、CD2枚組に入る曲数に絞って選曲した。2枚それぞれについて選曲と各曲を選んだ理由等のコメントを付した上、CD1枚毎に全体コメントを書いた。

Disc1:”懐かしい”人間椅子

No.タイトル収録作品作詞作曲コメント
1鉄格子黙示録(新録Ver.)人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤(2009)和嶋慎治和嶋慎治和嶋氏の表現の原点にして人間椅子の原点なので外せなかった。
2陰獣(新録Ver.)人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤(2009)和嶋慎治和嶋慎治・鈴木研一言わずもがな、人間椅子を初めて世に知らしめた楽曲。
3針の山人間失格(1990)和嶋慎治Tony Bourge, Burke Shelly, Ray Phillips近年のライブでは本編の最後に必ず披露される定番曲。
4りんごの泪人間失格(1990)和嶋慎治鈴木研一・和嶋慎治鈴木氏の処女作のリフ、鈴木氏の原点と言える名曲。
5人面瘡夜叉ヶ池(1991)和嶋慎治和嶋慎治プログレ風味+和風ハードロックの代表作。
6羅生門羅生門(1993)和嶋慎治和嶋慎治・鈴木研一重厚感がありつつも哀愁漂う美しい楽曲。
7ダイナマイト踊る一寸法師(1995)鈴木研一鈴木研一スラッシュメタルの名曲にして、人間椅子のライブを語る上で外せない。
8地獄無限の住人(1996)鈴木研一鈴木研一地獄シリーズの原点にして最高峰の名曲。
9黒猫無限の住人(1996)和嶋慎治和嶋慎治難解にして這いずるようなヘヴィさの人気曲。
10死神の饗宴見知らぬ世界(2001)和嶋慎治鈴木研一鈴木氏のヘヴィな楽曲と和嶋氏の仏教的歌詞の融合の最高峰。
11相剋の家修羅囃子(2003)和嶋慎治和嶋慎治不可解な歌詞に狂気を感じる和嶋氏の内面のダークさが出た楽曲。
12洗礼三悪道中膝栗毛(2004)和嶋慎治鈴木研一新生人間椅子の記念碑的楽曲。
13品川心中瘋痴狂(2006)和嶋慎治和嶋慎治ロック落語と言う新境地を開いた苦境の中での名曲。
14どっとはらい真夏の夜の夢(2007)和嶋慎治和嶋慎治従来のヘヴィさからシンプルな方向性へと舵を切った重要作。

まずDisc1は”懐かしい”人間椅子と題して、デビュー前のレパートリーから、和嶋氏が”覚醒”していく直前・境目辺りの14th『真夏の夜の夢』までをコンパクトに振り返るアルバムとした。

”イカ天”をきっかけに華々しくデビューし、その後の長い低迷期の歴史を凝縮している。音楽的にも、そして精神的にもダークだった時代の、今となっては懐かしい人間椅子である。

選曲については、歴代の代表曲の中で外せない曲・ライブで長く愛され続けている曲を選んでいったら、あまり迷うことなく決めることができた。

唯一、今までのベストで選ばれる率の低い楽曲が「鉄格子黙示録」である。20周年のベスト『人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤』で、デビュー前の歌ありのバージョンが初めて収録された。

ライブでは準定番くらいの位置づけだが、人間椅子の歴史を振り返ると、この曲の誕生の裏には和嶋氏のUFOアブダクション体験があり、和嶋氏の表現が変わったターニングポイントだ。

この曲を気に入ったのが鈴木氏であり、この曲が生まれなければ人間椅子はなかったと言っても過言ではない。35周年を記念する作品の1曲目はこれしかないと思った。

なお「天国に結ぶ恋」「幸福のねじ」「地獄風景」などライブの終盤に披露される定番曲も、「人面瘡」「地獄」などを入れたことで押し出されてしまった。

Disc2:”覚醒後”の人間椅子

No.タイトル収録作品作詞作曲コメント
1深淵未来浪漫派(2009)和嶋慎治和嶋慎治和嶋氏の覚醒を高らかに告げる涙なくして聴けない名曲。
2冥土喫茶未来浪漫派(2009)鈴木研一鈴木研一鈴木氏絶不調期に生まれたヘヴィかつスラッシュメタルな鈴木氏らしい曲。
3此岸御詠歌萬燈籠(2013)和嶋慎治和嶋慎治なぜかベストに入ったことのない人間椅子の出囃子曲。
4ねぷたのもんどりこ萬燈籠(2013)鈴木研一鈴木研一ねぷたの囃子をリズムにした鈴木氏渾身の楽曲。
5なまはげ無頼豊饒(2014)和嶋慎治和嶋慎治東北カラーを前面に出した人間椅子の新たなヘヴィネスを感じさせる曲。
6宇宙からの色現世は夢 〜25周年記念ベストアルバム〜(2014)和嶋慎治和嶋慎治ラヴクラフト好きが高じた和嶋氏らしい楽曲。
7芳一受難怪談 そして死とエロス(2016)和嶋慎治鈴木研一お経とヘヴィメタルの融合を果たした鈴木氏の近年の傑作。
8雪女怪談 そして死とエロス(2016)和嶋慎治和嶋慎治怪談をテーマに雪の冷たさを音で表現した意欲作。
9月夜の鬼踊り異次元からの咆哮(2017)和嶋慎治鈴木研一鈴木氏の近年の力作の1つで、少し意外なところも1曲入れてみた。
10無情のスキャット新青年(2019)和嶋慎治和嶋慎治YouTubeで国内外で大いにバズった出世作。
11夜明け前苦楽(2021)和嶋慎治和嶋慎治コロナの時期に元気づけてくれた力強い楽曲。
12蛞蝓体操色即是空(2023)鈴木研一鈴木研一歌詞の中身はなくても鈴木氏にしか作れない唯一無二の世界。
13さらば世界色即是空(2023)和嶋慎治和嶋慎治鉄格子黙示録で見た終末のイメージをついに前向きに描いた重要曲。

Disc2は和嶋氏が表現・生き方の軸を手に入れてから後の作品、筆者が和嶋氏の”覚醒”と呼んでいる出来事以降の作品から選曲したものである。

楽曲のダークさはそのままに、メッセージが前向きになった現在に至る人間椅子の変化がよく分かる楽曲群である。

Disc1に比べると選曲は難航した。その理由の1つとしては、この時期の楽曲の多くが和嶋氏の楽曲ばかりになってしまうのだ。

鈴木氏の楽曲は”馴染みの定食屋の味”のように目立たないながら良い活躍をしているものが多い。それに比べ和嶋氏の曲は、アルバムの推し曲として華々しいものが多いため、ベストに入れやすい。

またここ数年の曲は、まだ定番・レア曲が固まっていないため、逆にどれも魅力的に見えてしまって、曲数が多めとなっている。

なお変わったところでは、17th『萬燈籠』収録の「此岸御詠歌」を入れた。ライブのオープニングSEとして使われ、生演奏されることはないが、重要な曲なのでベスト初収録とした。

また「月夜の鬼踊り」もベスト初収録である。鈴木氏の曲が少なくなりがちという理由もあるが、鈴木氏の渾身の作品と言うことで、再注目されても良いのではないかと思った。

「さらば世界」を最後にしたのは、このベスト盤を「鉄格子黙示録」で始まり、「さらば世界」で終わる流れにしたかったのもある。

UFOのアブダクション体験で見たイメージから人間椅子の表現が始まった和嶋氏だが、「さらば世界」ではその伏線をついに回収できたのではないか、という記念碑的楽曲だと思う。

なお最後まで迷ったのが「今昔聖」を入れるかどうかであったが、時間的に厳しいのと、和嶋氏の似た曲調が並び過ぎるので泣く泣く削ることとなった。

UFOのアブダクションで宇宙人が和嶋慎治に託したメッセージは何か? – 鉄格子黙示録からさらば世界へ

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まとめ

今回はファンの目線から、人間椅子の35周年を記念するベスト盤の選曲を行ってみた。

ベスト盤とは、選ぶ基準によって何が入るかが大いに変わるものだと思っている。今回は「人間椅子の歴史を振り返る」をテーマにした選曲となった。

「音源として魅力的な楽曲」「ライブで盛り上がる曲」などをテーマにすれば、曲目はかなり変わってくることになるだろう。

それにしても、こうして歴代の定番曲をズラリと並べてみると、どれもこれも素晴らしい楽曲ばかりである。

定番曲に対しては様々に思いの変遷があるものだが(こちらの記事に書いた)、自ら定番曲を選出してみると、改めて定番曲の良さにも思いが向くこととなった。

35周年を記念したベスト盤がリリースされるのか情報を待ちたいところであるが、これを機に人間椅子の楽曲を聴き直してみてはどうだろう。

【初心者向け】”はじめてのアルバム” – 第7回:人間椅子 絶対おすすめの名盤と全アルバムレビューも

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