「無観客ライブ」について① – 「帰ってきた人間椅子倶楽部vol.9」の振り返り

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人間椅子
画像出典:Twitter:NINGEN ISU(人間椅子)Official

2020年3月28日、YouTube配信「帰ってきた人間椅子倶楽部vol.9」が行われた。

「帰ってきた人間椅子倶楽部」は、人間椅子メンバーによるトークと生演奏による配信番組だ。

もともと1990年代後半に青森県のローカル番組で放映されていた「人間椅子倶楽部」がもとになっている。それが動画配信が隆盛するにつれて、「帰ってきた人間椅子倶楽部」として復活した。

通常はリリースの後などに行われることが多いが、3/28・29に行われるはずだった青森県弘前でのライブが中止となってしまったことを受けて、急きょ決まったものと思われる。

配信の流れとしては、

  1. 初の海外公演の振り返り
  2. 事前にファンより募集した「くだらない質問」に答える
  3. ジェスチャークイズ
  4. 生演奏

毎回緩い雰囲気が面白いのだが、今回もそれは健在。

1.では海外公演での感想などが話された。

海外では終演後にVIPチケットを買った人との交流の時間があり、特別にピックセットやサイン色紙がプレゼントされたことが話された。

2.は募集した質問に答える形式だった。

かつてギターの和嶋氏が「使っているシャンプーは何か」という質問がくだらなくて怒ったエピソードから、各メンバーが持参した使用しているシャンプーの話題に。

そして最もくだらない質問をした人に贈られるプレゼントは、そのシャンプーセットとなった(笑)

3.なぜか行われたジェスチャークイズ。

簡単なものから難しいものまで混在しており、ベース鈴木氏のミックジャガーが難問であるとともに、迫真のジェスチャーが面白かった。

4.でここまでのとっても楽しい雰囲気から、ライブになると途端にかっこよくなる人間椅子。

なんと弘前のライブで行うはずだった曲目の一部を演奏。弘前Mag-Netと言えば、人間椅子1998年の名盤「頽廃芸術展」のレコーディングが行われた場所だった。

ライブハウスの閉店に伴うライブだったため、感謝の意を込めて「頽廃芸術展」の楽曲をふんだんに演奏するという趣旨だった。

もし実現されていたら、伝説に残るライブになっていたのではなかろうか。

前半では「頽廃芸術展」から「戦慄する木霊」や「九相図のスキャット」が演奏される予定であることが伝えられ、ライブ本編としては中盤から演奏。

↓配信で演奏されたセットリスト

ワンマンライブではかなり久しぶりに演奏される「ED75」や「阿片窟の男」があり、昔からのファンとしては嬉しい限りだった。

また「品川心中」では、海外公演の際に使われた英訳を書いた紙を見せるパフォーマンスも再現された。

今回の「帰ってきた人間椅子倶楽部」はとても充実の内容だった。通常のバンド形式で演奏される形も初めてだったように思うし、トーク部分も豪華だった。

一方でこれが無料で見られるのか?という感想をもった方もいたのではないかと思う。

僕も普段なら良かった!で終わるところだ。

しかし昨今の状況という文脈では、こんなに見せちゃっていいの?というモヤモヤが残る人もいると思う。

無観客ライブ」について、少し考えてみた。

「無観客ライブ」について② – 「無観客ライブ」は誰を、そして何を救うのか?

筆者の別ブログにて「無観客配信ライブ」について書いた記事

【音楽・新型コロナウイルス】配信ライブはどこまでライブに迫れるのか? – コロナ禍から見える”息を交わす”ことの意味
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