覚醒

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不思議な夢を見た。

私は塔のような城のような建物を上っていた。

しかし上っては下りをしている内に、一つの広場に出た。しかしそこは行き止まりであり、しかも二階か三階程度の高さの所にある。

何故だか不気味になって抜け出したいと思うのだが、飛び下りる勇気がない。

そこに一人の老婆が現れる。そして私に何かを諭している。はっきり何であったか覚えがないが、どうも「一人で進まねばならない道だ」という事を言っていたような気がする。

そして私は酷く追い詰められたような気分になって再びその言葉を胸に、建物を上っていったのである。

これは一体何だろうか。

思うにやはり自立や受験勉強に関わる事な気がする。これからは自分で生きていくのだという覚悟である。

老婆は私の分身である。私自身が私に向かって「己で道を切り開け」と諭しているのだ。

目覚めた後には、まだ不思議な感情が残った。焦りに近かった。

しかしそれは受験勉強に対する「やる気」よりも重い「覚悟」であるとも思う。これまでは自分を高める喜びだけが勉強に対するやる気であった。しかし今日の時点で、それは大袈裟に言えば生きていくための勉強であり、もう勉強しなければ道は開かれないぞ、という覚悟が勉強に対するやる気になったのだと思う。

勿論夢にそこまでの意味があったのかは分からない。しかし直感的にそんな意味を感じたのは確かであった。


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