ロッキンオンジャパン感想

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また今日はセンター試験に向けてプリントを用意したりしていたので、出かけた親にロッキンオンジャパンを買ってきてもらうようにしていました。

今回はエレカシの宮本氏と銀杏BOYZの峯田氏の対談が載っているためです。

えぇ、何というか似た物同士と言えなくもないですが、決定的に違う部分もあるな、と感じました。峯田氏に関しては全く音楽も聴いた事はないですが。

まず似ていると思う部分は、共にロマンチックなものが好きであるという事です。「青春」というテーマが両バンドで取り上げられるように、何か感情的な物を音楽で表現するというスタイルを取っているのだと思います。だから一般受けはせず、その感情的な部分で触れ合う人たちが「熱狂的なファン」と呼ばれるようになるのでしょう。

一方違うと感じる部分は、歌われるテーマというか、年代が違う気がします。勿論銀杏BOYZについては知りませんが、話からすれば少年から青年にかけての思春期の男の子の気持ちを歌っているのではないでしょうか。

エレカシの場合は様々ですが、よく取り上げられる初期に関して言えば、世間的には遊び盛りの年の青年たち(あるいは大人)を、冷ややかに、怒りや悲しみを伴って眺める厭世的な青年の視点で描かれていると思います。新曲では「悲しみを知り目を背けたくて町を彷徨い歩いた」と描かれているように、「浮世の夢」から「5」辺りまでは悲しみに満ち溢れています。

勿論どちらの方が良いという訳ではなく、違うなと感じたというだけですのでね、一応。

しかし、共に飾りたてることなく、真っ直ぐに音楽をやろうとしているのが、素晴らしいと思いました。

急に話はズレていきますが、最近は「個性」というイマイチ曖昧な尺度によって評価されるバンドが多いように思います。でも誰にしたって個性はある訳で。エレカシのようにもはや他に類を見ない個性を持ったバンドならば、個性を表現して評価されるでしょう。

しかし最近はそんな「個性」に頼るバンドが多過ぎるかと思います。あまりに他と掛け離れているような楽曲や演奏スタイルがあれば個性も評価されるでしょう。しかしそれほど他との違いも見られないならば、やはり楽曲のクオリティーや演奏レベルの高さで評価されるべきだと思います。明らかに最近のロックバンドはかつてのロックバンドより要求される演奏レベルが低くなっています。昔なら演奏が下手なら馬鹿にされる所ですが、最近はあまり演奏レベルなど注目されないのです。注目されなくなった要因は様々でしょう。オールスタンディングのライブハウスがほとんどになって、落ち着いて演奏を聴く機会がなくなった事、聴く側が寛容になった事。

しかし第一線で活躍するバンドで演奏レベルを含めた音楽レベルの高さで勝負するバンドが減っているのは問題だと思います。エレカシのように圧倒的な個性が評価されるバンドがありつつ、音楽のクオリティーの高さで評価されるバンドがあるという状況こそ、極めて豊かな音楽業界になると思います。

音楽をやる人たちの、個性や表現に隠れた意味を一生懸命探すような聞き方だけではなく、楽器の音色だけで思わず体が動き出すような音楽の聞き方もあるべきだと思うのです。それは「ノリ」などというものではありません。演奏にシビれるというか…演奏のレベルに聴く側が圧倒されて思わずノッてしまうような音楽。これが今の音楽に不足している部分かと思います。この状況=音楽の衰退と見るのは安易ですが、片手落ち状態ではあると思います。


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