☆第七回☆その2

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昨日の続きで陰陽座の新譜「魔王戴天」の全曲レビュー後半です。

6.ひょうすべ

曲名の時点で素晴らしいですね。最近の河童ブームを先取り?…ではなさそうです(笑)

こういうファンキーな曲は好きですね。米米クラブが好きだったので、尚更です。リフもヘビーで、サビのメロディーも印象的です。ただギターソロをもう少し頑張って欲しいです。ハードロック的なフレーズに弱いという弱点が陰陽座にはある気がします。イマイチぎこちない印象があります。それにフロント(太い音)で弾くというポリシーもこういう曲では捨ててもいいと思いますが。

7.大頚

これは随分ヘビーに来たね、とニヤリとしました。案外今まではこういった大作では重いリフを際立たせていなかった気がしますが、今回はガッツリきました。ライブではノリにくい変拍子も使われており、良く聴いて覚えてライブに行く事必須です(人間椅子はそんな曲ばかりです)

中間の展開が好きですね。瞬火さんのおどろおどろしいボーカルと、黒猫さんの美しいボーカルが対照的です。本当にこの曲はベースメインの部分や複雑な展開があってハードロックの美味しい部分盛り沢山で楽しめます。この6 7 8辺りの流れは良いですね。

8.骸

タイトルを見てこちらがスローな曲かと思ったらスラッシュメタルでした。このアルバムでは1、2番に好きな曲ですね。陰陽座のスラッシュメタルな曲と言えば「悪路王」ですが、この曲はもっと練ってあって楽しめます。中間はハードロックらしくなり、和音階を取り入れたソロ、複雑なツインソロがテンポ良く繰り出されます。この曲もリフがかっこよくて、今作を象徴していますね。

「諸行無常の響き無し」は一度聴くと忘れられない詞です。

9.接吻

聴いている内に良いと感じ始めた曲です。今作では歌謡曲っぽいメロディアスな曲ですが、もう少しロック寄りな曲です。これは黒猫さんのボーカルが必聴です。今まではパワフルに歌いあげる歌い方が中心でしたが、この曲では違った歌い方で感情を表現しています。喉を痛めたことも関係しているのかもしれませんが、以前より聴きやすくグッとくるボーカルになったと思います。

やはりもう少しギターに頑張って欲しいです…ミディアム~スローテンポの曲でいかに格好いいor切ないソロが弾けるかがロックのギタリストの真価が問われると思いますので。

10.生きることとみつけたり

これはメタルファンには堪えた一曲かと…私は青春パンク的な曲はよく聴くのですんなり入れましたが、やはり陰陽座としてはかなり異色な曲です。しかしパンクよりはうんと泥臭さはなく、爽やかです。この曲は珍しく瞬火さんが全パートの主旋律を歌っています。「眩暈坂」以来?分かりませんが…。

ライブで楽しそうな曲ですね。扇子を振る曲ではなさそうですがラスト近くで演りそうです。瞬火さん曰く「顔で笑って心で泣く」曲だとか。寅さんの世界観ですよね。怒髪天にもつながります…つながりはしないか。

演奏はシンプルにまとまっていて、勢い先行という辺りがパンクっぽいですね。

これで10曲全て終わりました。聴いた人向けな感想ですが、もしハードロックやヘビメタに興味ある方は是非。


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