ソロデビューから40周年を迎えるシンガーソングライターの浜田省吾が、2022年1月に「40th Anniversary ON THE ROAD 2022 LIVE at 武道館」公演を開催することが決定した。
もともと全国ツアーを予定していたが、新型コロナウイルス感染症の影響で開催を断念。ツアー最終公演を予定していた武道館公演を、今回の特別公演に代えるそうだ。
内容は、なんと「40年前の1982年(昭和57年)1月12日(火)武道館公演と同じ曲目」とのこと。
そこでこの記事では、今回の武道館公演の情報とともに、40年前の武道館公演のセットリストや、関連する情報を紹介して、1月の武道館公演の予習になればと思う。
現在の浜田氏のパフォーマンスで、どんな再現ライブになるのか楽しみである。
”40th Anniversary ON THE ROAD 2022 LIVE at 武道館”公演の概要
11月29日(月)に、浜田省吾公式サイトより、武道館公演についてのアナウンスがあった。なお特設サイトが設けられ、公演内容や申込方法などの詳細が記載されている。
以下、筆者が重要と思われる公演の概要をまとめた。
※チケットの一般販売は終了。今後は繰上抽選待ちとなる。公演が終了。
<日時>
- 2022年1月6日(木)17:30開場 / 18:30開演
- 2022年1月7日(金)15:30開場 / 16:30開演
<場所>
- 日本武道館(〒102-8321 東京都千代田区北の丸公園2−3)
<チケット・入場方法>
- 全席指定:¥13,200(税込)+[システム利用料]1枚につき ¥254(税込)+[決済システム利用料]1件につき ¥220(税込)+[デジタルチケット発行料]デジタルチケット<QRコード>:1枚につき ¥110(税込)=1人あたり¥13,784(税込)
- 支払方法:クレジットカード決済のみ(VISA/MASTER/JCB/AMEX/Diners)
- 入場方法:「デジタルチケット(QRコード)」と事前に選択した「顔写真付身分証明書」
<チケット購入方法>
- 一般販売のみで、FC先行予約や一般先行予約はなし。申し込み多数の場合は抽選。
- 購入は、特設サイトで会員登録(無料)の上、1人につきどちらか1公演のみ1枚まで申し込み可能。
- 1人2名まで申し込みが可能で、どちらかが代表者になり隣席者の【パスコード】【生年月日】を入力。(※隣席者も特設サイトへの会員登録が必要!)
<チケット申込日程>
- 受付期間:2021年12月2日(木)13:00 ~ 12月9日(木) 23:59(期間内は内容変更・キャンセル可)
- 抽選結果の確認・お支払期限:2021年12月17日(金)12:00 ~ 12月17日(金)23:59
- 繰上抽選(キャンセル者が出た場合):【1次繰上当選発表】2021年12月30日(木)12:00、【2次繰上当選発表】2022年1月5日(水)12:00
- チケット取得開始:2021年12月24日(金)13:00~
<ツアーグッズ・キャンペーン>
- Tシャツとマフラータオルを会場と通信販売で発売することが決定。
- コンサート会場のCD販売ブースまたは全国のCDショップ・オンラインショップで対象となる浜田省吾の作品を購入すると、オリジナルB2ポスターをプレゼント。
”40th Anniversary ON THE ROAD 2022 LIVE at 武道館”公演内容や曲目
では、今回の浜田省吾の武道館公演はどんな内容なのか?
そもそもは、浜田氏の活動45周年を記念したアリーナツアー『ON THE ROAD 2021』が2021年には予定されていた。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大により、開催が中止となってしまった。
そのツアーの最終公演として予定されていたのが、日本武道館での公演だった。
そこで、予定されていた曲目ではなく、ちょうど40年前の同時期に行われた日本武道館公演と同じ構成でやったらどうだろう、と浜田氏から提案があったと言う。
予定外の状況となってしまった以上、曲目も特別なものにしよう、との提案であろう。
そして浜田氏にとって40年前の日本武道館は特別なものであったそうだ。
どんな公演だったのか?ここから武道館公演までの道のりと、武道館公演のセットリスト、関連作品などを紹介したい。
1982年1月12日 武道館公演までの道のり
今回演奏される曲目は、1982年1月12日の武道館公演と同じものだと言う。ここでは、その公演内容や公演に至る道のりを振り返りたい。
1982年の武道館公演は、浜田氏にとっては初めてのアリーナクラスでのコンサートだった。当時は、”無謀な挑戦”と言われても仕方ないような状況だったようだ。
いきさつは今回の特設サイトにも書かれているが、少し武道館公演までの歴史を振り返ろう。
1970年代は浜田氏にとって模索の時期であった。1976年のデビューアルバム『生まれたところを遠く離れて』は、ポップスからロックまで幅広いジャンルで作られたが、思うような評価は得られなかった。
またバンドスタイルでの演奏はできず、弾き語りスタイルで全国歌えるところでは、どこでも歌ったそうである。
その後は、レコード会社の意向で、当時流行っていたシティポップ調の楽曲を求められた。そのため2ndアルバム『LOVE TRAIN』以降の数作は、作家的な曲作りを行っていた。
そんな中、1979年に日清カップヌードルのCMソングとして書いた「風を感じて」がスマッシュ・ヒット。このヒットを機に、浜田氏は自身のやりたい音楽をやることを決意する。
続く1980年の6thアルバム『Home Bound』では、もともとやりたかったロック志向の作品となり、初の海外レコーディングも経験。
インタビューによれば、原点回帰した作品で、浜田氏にとっては1stアルバムのような位置づけだと言う。
続く1981年の7thアルバム『愛の世代の前に』は、1982年の武道館公演が決まった中で、驚異的なスピードで作られたアルバムだった。前作以上に社会的なテーマを感じさせる作品となっている。
収録曲の「悲しみは雪のように」は、一時生死をさまよった母のことを思って作った曲。後の1992年にテレビドラマ『愛という名のもとに』の主題歌に起用され、ミリオンヒットを記録した。
当時の浜田氏は、自分の居場所はライブだと感じるようになったと語っている。79年~81年にかけては年間100公演を超えるツアーを行っていたが、ライブハウスやコンサートホールが主であった。
1万人を超える収容人数の日本武道館については、「スタンドがガラガラでもアリーナが一杯になればいいよね」と話していたと言う。
しかしふたを開けてみれば、4時間でチケットは完売。浜田氏にとってはプレッシャーに感じられたそうだ。
1982年武道館公演のセットリスト
ここでは1982年の日本武道館公演のセットリストをまとめておく。Livefansに掲載されていたセットリストから、作成したものである。
なお曲目とともに、収録されているアルバムやシングルも記載した。予習用に、できるだけ近年に再録されたものを選んでみた。
no. | タイトル | 収録作品 |
---|---|---|
1. | 壁にむかって | 41stシングル
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2. | 明日なき世代 | 39thシングル
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3. | 青春のヴィジョン | 5thアルバム
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4. | 土曜の夜と日曜の朝 | ベストアルバム
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5. | 愛という名のもとに | ベストアルバム
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6. | モダンガール | ベストアルバム
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7. | 君の微笑 | セルフカバーアルバム
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8. | 悲しみは雪のように | ベストアルバム
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9. | いつわりの日々 | セルフカバーアルバム
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10. | 路地裏の少年 | 10thアルバム
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11. | ラストショー | セルフカバーアルバム
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12. | 片想い | ベストアルバム
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13. | 陽のあたる場所 | ベストアルバム
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14. | 終りなき疾走 | ベストアルバム
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15. | 独立記念日 | 7thアルバム
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16. | 反抗期 | 6thアルバム
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17. | 東京 | ベストアルバム
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18. | 愛の世代の前に | ベストアルバム
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En.1 | ||
19. | あばずれセブンティーン | 6thアルバム
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20. | HIGH SCHOOL ROCK & ROLL | 1stアルバム
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En.2 | ||
21. | Midnight Blue Train | 35thシングル
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22. | ラストダンス | セルフカバーアルバム
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関連してリリースされた作品・武道館公演のエピソード
1982年の日本武道館公演に関連して、ライブアルバムが発売されている。
それが、8thアルバム『ON THE ROAD』である。音源としては、日本武道館公演だけでなく、前年のツアーの広島郵便貯金会館でのテイクが使用されている。
その理由については、どうやら日本武道館公演は、緊張やテンションの高さからスピードが速くなってしまったからのようだ。
どちらのテイクが使われているのか詳細は分からないが、確かに「路地裏の少年」などは少しテンポが速いように感じられる。
まさかチケットが即完売するとは思っていなかった浜田氏は、緊張してしまい、音楽を楽しむと言う状況ではなかったという。
チケット発売前には、カフェバーの店員の女性に「俺、来年の1月に武道館でコンサートやるんだよね」と自慢げに話していたエピソードもあるが、そんな余裕はどこへやら、だったようだ。
なお詳しくは、『ON THE ROAD』について浜田氏のインタビュー記事がオフィシャルサイトにアップされているので、お読みいただきたい。(ファンクラブ会報にも掲載されていたもの)
またライブアルバム発売にあたり、当時のディレクターからタイトルソングが欲しいと要望があったそうだ。浜田氏はいらないと感じたようだが、「ON THE ROAD」という曲が出来上がった。
この「ON THE ROAD」のみ、スタジオ音源であり、アルバムの最後に収録されている。
次のツアーまでに2~3週間しかない中で制作されたようだが、その後今日に至るまで「ON THE ROAD」はライブで歌われ、ライブツアーのタイトルであり続けている。
40年前の日本武道館公演は、初めてのアリーナコンサートであり、「ON THE ROAD」のツアータイトルを冠する直前のライブであり、浜田省吾の歴史において極めて重要なコンサートだったことがわかる。
ライブの予習におすすめの作品!
最後に、1月の武道館公演に向けて、予習の意味も込めて、公開されている動画やおすすめの作品を紹介しておこう。
MV「壁にむかって」公開+ニューシングル『この新しい朝に』
まず、武道館公演の決定とともに公開されたのが、「壁にむかって」のMVである。
1976年の1stアルバム『生まれたところを遠く離れて』に収録された、ミドルテンポのロックナンバーである。40年前の日本武道館公演でも演奏されていることからも、MVに選ばれたのだろう。
そしてこのテイクは、既にシングルでリリースされていた。2021年6月23日(水)に待望の新曲を含むシングル『この新しい朝に』が発売されている。
新曲「この新しい朝に」はMVが公開されている。神奈川県のよこすか芸術劇場で撮影された映像には、ただ1人ステージで歌う浜田氏の姿が印象的である。
シングルには他に、1stアルバムから「青春の絆」がリメイクされて収録されている。
リメイクされた「青春の絆」、そして新曲「この新しい朝に」は、もしかすると武道館公演で追加で演奏される可能性があるかもしれない。ぜひチェックしておきたいところだ。
※筆者によるシングル『この新しい朝に』の見どころ紹介記事はこちら
”70年代”、”80年代前半”の曲だけで構成されたファンクラブコンサート
また1月の武道館公演で演奏される楽曲は、1981年のアルバム『愛の世代の前に』までに限られる。そこで、浜田省吾ファンクラブで行われた、時代を区切った企画ライブも紹介しておきたい。
ファンクラブでは、過去の時代を振り返るライブツアーが企画され、2018年には”70年代”、2019年には”80年代前半”を振り返るライブが行われ、その模様は一部映像化されている。
まず2018年には、70年代の楽曲のみで構成された、「100% FAN FUN FAN 2018 “Journey of a Songwriter” since 1975 Welcome back to The 70’s “君が人生の時 ~ Time of Your Life”」が行われた。
曲は、1st『生まれたところを遠く離れて』~5th『君が人生の時…』までの楽曲(+後に音源化された曲)のみで構成される。
第1部には、当時を思い出して、浜田氏・ギターの町支氏の2人で弾き語りによる演奏も行われている。普段あまり演奏されない「LOVE TRAIN」「子午線」なども演奏された貴重なライブだ。
なお、ライブDVD/Blu-Rayが発売され、先行してシングル『Good Night Angel / Love Train』もリリースされていた。
・Blu-ray/DVD『Welcome back to The 70’s “Journey of a Songwriter” since 1975 「君が人生の時~Time of Your Life」』
・シングル『Good Night Angel / Love Train』
他にもライブの模様が、公式YouTubeチャンネルに公開されている。
・「雨の日のささやき」
続く2019年には、”80年代前半”として、「100% FAN FUN FAN 2019 ”Journey of a Songwriter” since 1975 Welcome back to The 80’s Part-1 終りなき疾走 ~ ALL FOR RUN」が行われた。
6th『Home Bound』~9th『PROMISED LAND ~約束の地』までの楽曲で構成される。
ロック志向になった時代であり、非常に勢いのある楽曲ばかり。ここでもレア曲「さよならスウィート・ホーム」「防波堤の上」などが飛び出すライブとなった。
映像作品にはなっていないが、先行シングルとして『凱旋門』がリリースされている。
公式YouTubeチャンネルには、「明日なき世代」のショートバージョンが公開されているが、ライブの熱気が伝わってくる。
以上のファンクラブライブ関連作品は、1月の武道館公演で演奏予定の曲も含まれる。近年のアレンジなどを知りたい人は、手に取ってみることをおすすめしたい。
※詳しいライブレポートを含む、近年の浜田省吾の活動をまとめた記事はこちら
全音源作品がリプライス再販+70年代の全アルバムはリマスターで再販!
シングル『この新しい朝に』の発売にあわせて、旧譜全59タイトルをリプライスして発売となった。
そしてあまり強調されていないが、初期の作品を中心に新たなリマスターを施した作品もある。以下の7枚が今回リマスターされた。
- 1st『生まれたところを遠く離れて』
- 2nd『LOVE TRAIN』
- 3rd『Illumination』
- 4th『MIND SCREEN』
- 5th『君が人生の時・・・』
- ライブアルバム『ON THE ROAD』
- 企画アルバム『ROAD OUT TRACKS』
1月の武道館公演でも演奏予定の70年代の1st~5thアルバム、さらに武道館公演の音源を収録した『ON THE ROAD』もリマスターとなっている。
かつては「1st~5thは廃盤にしたい」と語っていた浜田氏であるが、高音質で初期の作品を聴くことができる。リメイク作品ではなく、オリジナルで過去作品を聴いてみるのも良いかもしれない。
なお、この記事に貼っているアルバム購入リンクは全てリプライス作品になっている。
まとめ
今回は、2022年1月に開催される浜田省吾の「40th Anniversary ON THE ROAD 2022 LIVE at 武道館」に向けた予習記事をお送りした。
40年前の武道館公演も、浜田氏の活動においては重要なものであり、その再現ライブとなれば、非常に思い入れの強いコンサートになることだろう。
当時のライブに行った人も、筆者のように1982年には生まれていなかった世代の人も、現在の浜田氏のパフォーマンスで、どんな再現ライブになるのか楽しみにしたいところだ。
選曲に関しては、40年前の構成を再現する、とのことだった。その他に追加で何か曲をやるのかどうかは、わからない。
ただ今回紹介した中では、ライブアルバムのために作られた「ON THE ROAD」、そしてまだライブで披露されていない新曲「この新しい朝に」などは、演奏される可能性もなくはない。
そこで予習用に、Spotifyで1982年1月12日武道館公演セットリストの並びに、「ON THE ROAD」「この新しい朝に」を加えたプレイリストを作った。
ライブは抽選になること間違いなしだが、迷っている人はぜひ申し込んでみてはいかがだろうか。筆者も、この特別なライブを楽しみに待ちたいと思う。
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