【入門編】ハードロックバンド人間椅子を3曲で紹介する – ”イカ天”から再ブレイクの現在

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人間椅子
画像出典:人間椅子公式サイト

人間椅子と言えば「あのイカ天バンド」と言われたのも今は昔。イカ天は知らなくとも、今や人間椅子は国内のみならず海外にまで人気が広がる人気バンドへと進化している

「名前は知っていたけど、まだ聞いたことがない」という人もまだ多く、最近聴き始めて今まで聴かずにいたことを後悔している人も続出しているようだ。

今回はそんな初心者の人に向けて、ハードロックバンド人間椅子を3曲で紹介する記事を作成した。

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ざっくりわかる人間椅子の歴史

人間椅子は高校の同級生だった和嶋慎治(ギター・ボーカル)と鈴木研一(ベース・ボーカル)の2人を中心に結成されたバンドである。

1989年にテレビ番組「三宅裕司のいかすバンド天国」(通称”イカ天”)に出演し、奇抜な衣装と独特な世界観で人気を博した。1990年に『人間失格』でメジャーデビューを果たした。

しかしバンドブームの終焉とともに、人間椅子の人気も停滞し、一時はインディーズや単発契約の時代も経験した。その後は”イカ天バンド”のレッテルを貼られ、2000年代後半まで低迷期を経験した。

ドラマーが何度か交代になっていたが、2004年にナカジマノブが加入して、現在に至るまで不動のメンバーとなっている。

活動20周年を超えた2009年頃から、動画サイト(YouTube)などで過去の演奏動画で知る人が増え、ライブの動員数が増え始める。

そして2013年にオジー・オズボーンの主催するOzzfest Japan 2013に大抜擢され、敬愛するBlack Sabbathと同じステージに立つと、さらに注目度が一気に高まり。”再デビュー”となった。

対バンやフェスへの参加、SNSや動画サイトへの積極的な発信も功を奏し、”イカ天”出演後に再ブレイクとも言える状況となった。

しかしその音楽性は変わらず、Black Sabbathなどの70年代のダークなハードロックに影響を受け、日本語にこだわった歌詞の世界観が特徴である。

さらに2019年にYouTubeに投稿された「無情のスキャット」の再生回数が1,000万回を突破。国内のみならず、海外からの厚い支持を得て、2020年には初の海外(ヨーロッパ)ツアーを敢行した。

50代半ばにして最盛期を迎え、2023年にリリースされたアルバム『色即是空』のリリースツアーでは、各所最高動員数を更新するなど、その勢いはとどまるところを知らない。

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人間椅子を3曲で紹介する

人間椅子は20枚以上のアルバムがリリースされている。そんな中で人間椅子の歴史を語る上で外せない3曲を厳選して紹介する。

まずはこの3曲から人間椅子を聴いてみていただきたい。

陰獣

  • 作詞:和嶋慎治、作曲:和嶋慎治・鈴木研一
  • 収録アルバム:『人間椅子名作選 三十周年記念ベスト』(2019)など

人間椅子がデビューするきっかけとなった、「三宅裕司のいかすバンド天国」(通称”イカ天”)出演時に披露されたのが「陰獣」である。

ダークなリフに鈴木氏の独特な歌唱、そして中間部ではアップテンポに展開するなど、人間椅子らしさがコンパクトに詰まった楽曲である。

デビュー前にインディーズ盤としてリリースされた『人間椅子』(1989)にのみ収録されており、長らく入手困難な音源となっていた。

ただ2009年にリリースされたベストアルバム『人間椅子傑作選 二十周年記念ベスト盤』で、現在の人間椅子メンバーによる再録音源が制作されている。

実はテレビ用に3分台に短くしており、オリジナルはもっと展開が多く、7分ほどあった。

針の山

  • 作詞:和嶋慎治、作曲:Tony Bourge, Burke Shelley, Ray Phillips
  • 収録アルバム:『人間失格』(1990)、『人間椅子名作選 三十周年記念ベスト』(2019)など

近年の人間椅子のライブでは、本編最後に必ずと言って良いほど披露されるのが1990年の1stアルバム『人間失格』収録の「針の山」である。

実はこの曲、イギリスのハードロックバンドBudgieの「Breadfan」と言う曲のカバーなのだ。中間部にあった展開を省き、オリジナル日本語詞を乗せ、「針の山」として歌っている。

まるで人間椅子の楽曲化のように聞こえるのは、地獄を描いた歌詞の世界観によるものであり、後の人間椅子においても「地獄」「地獄風景」など、同様のテーマで楽曲が作られている。

カバー曲ながら、後の人間椅子の世界観を形作ったと言う意味で、重要な1曲である。

無情のスキャット

  • 作詞・作曲:和嶋慎治
  • 収録アルバム:『新青年』(2019)、『人間椅子名作選 三十周年記念ベスト』(2019)など

人間椅子は長く続いた低迷期にも、変わらぬスタンスで楽曲を作り続け、ようやくOzzfest Japan 2013でチャンスを掴み、再ブレイクへと走り始めた。

2019年にバンド生活30周年を記念したアルバム『新青年』に先駆けて、YouTubeにMVが公開されたのが「無情のスキャット」である。

報われない者の気持ちをスキャットにして歌ったこの曲が、再生回数1,000万回を超えるヒット曲となった。

とりわけ海外からのコメントが多くなり、和服姿の3人組が繰り出す、ヘヴィなサウンドは変わらぬ人間椅子サウンドながら、海を越えて新鮮な驚きとして伝わったようである。

土着的なビートにヘヴィなリフ、目まぐるしい展開など、人間椅子らしさが詰まった大作に仕上がっている。

人間椅子のアルバムを聴いてみたい人へのおすすめは?

人間椅子を語る上で外せない3曲を厳選して紹介した。しかしまだまだ魅力的な楽曲は山ほどあり、ぜひアルバムで聴いてみていただきたいと思う。

まずは今回紹介した3曲全てが収録されているベストアルバム『人間椅子名作選 三十周年記念ベスト』は、歴代の代表曲が凝縮されており、おすすめだ。

オリジナルアルバムは非常に数が多く、なかなか選ぶのが難しい。

筆者によるはじめて人間椅子を聴く人におすすめのアルバムは?と言う紹介記事を書いている。全アルバムのレビューも載せているので、気になるアルバムからぜひ手に取っていただきたい。

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