妖怪ヘヴィメタルバンドを標榜する陰陽座が、実に4年半ぶりとなるアルバムをリリースした。タイトルは『龍凰童子』である。
陰陽座にとってアルバムリリースの間隔が4年半も空くことは初めてのことだった。その理由の1つには、ボーカル黒猫が突発性難聴を発症し、実質的な活動休止期間にあったことが挙げられる。
待望のニューアルバム、期待の高まる中で、近年の陰陽座らしさが詰まった作品となった。一方で近年の陰陽座の総集編的立ち位置、つまりそろそろ飽和状態にある感触も持ったアルバムだった。
そんな陰陽座15枚目のアルバム『龍凰童子』のレビューを今回は行いたい。
近年の陰陽座の音楽性について
『龍凰童子』について書く前に、本作に至るまでの陰陽座の作品を振り返りつつ、近年の音楽性の特徴について押さえておきたい。
近年の作風に至る最初のターニングポイントは、2011年の10thアルバム『鬼子母神』まで遡ることになる。そのポイントとは、初めてダウンチューニングを導入したことである。
これまで陰陽座はノーマルチューニングしか使わず、その中でヘヴィなサウンドも作り上げてきた。しかしついに1音下げチューニングを導入したことで、ヘヴィさに磨きがかかった。
また阿部雅宏氏によるキーボードの音色が前面に出てきたことも変化である。これまでも楽曲によってはキーボードが使用されてきたが、全編にわたり存在感を増している。
初期からのポップなメロディは変わらぬまま、それまでのハードロック色強めのサウンドから、より現代的なメタルのサウンドへと移行した歴史があるように筆者は感じる。
そして2014年には11th『風神界逅』・12th『雷神創世』の2作同時リリースを行う。前者がノーマルチューニング、後者がダウンチューニングによるアルバムとなった。
この2作は風神・雷神が対であるように、ポップな陰陽座・ヘヴィな陰陽座が対になって作品となっている。この後、ポップ寄りのアルバム、ヘヴィ寄りのアルバムが交互にリリースされることとなる。
まず2016年の13th『迦陵頻伽』は、ボーカル黒猫の歌唱を前面に押し出した作品であり、全体にポップなメロディが印象的な快作である。
ただサウンド面では、新たに1音半のダウンチューニングに加え、7弦ギター(5弦ベース)を使用するようになり、よりヘヴィなサウンドになっている。
※7弦ギター(5弦ベース)が使用された「愛する者よ、死に候え」
続く2018年の14th『覇道明王』は、今までにないほどヘヴィメタルを感じさせるアルバムに仕上がっている。
前作以上に7弦ギターが活躍し、より現代的なメタルサウンドに近づいているように感じられる作品だ。
そしてこの2作は、『風神界逅』『雷神創世』を音楽的により深く掘り下げたような作品で、ポップさとメタル要素のバランスを変えて、それぞれ個性を出した作品になっているようだった。
こうした流れの中、続くアルバムはどのような位置づけになるのか、注目されるところだった。順番的にはポップな方向性に行くところだが、どうだろうか。
冒頭にも書いた通り、黒猫氏の復帰作でもあり、ある意味で仕切り直しをすることもできるタイミングである。
ただ瞬火氏は何作も先の作品の構想を作っている人物であり、バンドの置かれた状況に左右されることなく、新作の内容が決められるとも思っていた。
15thアルバム『龍凰童子』(2023)レビュー
本題の15thアルバム『龍凰童子』のレビューを行う。
前半では作品の概要とアルバム全体の印象を書いている。後半では全楽曲について短く感想を述べた。
なお歌詞の読み解きや世界観については、筆者より詳しい人がたくさんいると思われ、サウンドやメロディなど、より音楽的な観点からのレビューとなっている。
作品概要と全体の印象
- 発売日:2023年1月18日
- レーベル:キングレコード
- 収録時間(楽曲数):71:38(全15曲)
- 全作詞・作曲:瞬火
- 初回限定特典:特製スリーブケース・カラー・フォトブックレット
陰陽座の15枚目のアルバムでであり、タイトルの『龍凰童子』には、これまで陰陽座が何度も題材にしてきた鳳凰と龍が入っている。
アルバム特設ページによると、タイトルの意味は、龍と鳳凰の魂をその身に纏い、音楽シーンや時代に媚びることない存在=陰陽座であり、本作はセルフタイトルと言うことなのだそうだ。
全15曲・70分を超える収録曲数・時間は、過去最長である。4年半ぶりの新作と言うこともあってか、異例のボリュームになっている。
ボーカルの黒猫氏が2020年に突発性難聴を発症して、バンドは実質的に活動休止状態にあったが、本作のリリースをもって復活を告げることとなった。
こうしたアルバム情報からも、気合の入りまくった新作であることは予想されるものであった。
ここでは最初に何度か聴いた時の、筆者の印象を書き留めておきたい。
筆者がまず本作から感じ取ったのは、前作『覇道明王』に比べると、ポップなメロディが戻ってきたような感触だった。
またサウンド的には近年のヘヴィな肌触りは変わっていないが、前作よりも”古き良きメタル”を感じさせるものである。
”古き良き”と言うのは、”人力の”とでも言うべき、人が力いっぱい(あるいは速く)演奏されるような、ヘヴィメタルの熱量が込められた音楽である。
打ち込みのような機械的なリズムや、メカニカルに構築されたフレーズではなく、ロックの持つ熱量を感じさせる、魂の滾りとも言えるサウンドのことを指している。
陰陽座は常にそうしたサウンドを目指してはいるだろうが、前作は現代的なメタルサウンドだったために、やや人力のメタルの良さから離れたように感じていた。
曲数が多いため、非常に充実したアルバムだと感じる一方、流れとしては中盤の楽曲で、やや似た曲調が続いている印象を持った。
最後にアルバム全体の総括でも詳しく書くが、陰陽座の”総集編”的な立ち位置のアルバム、ともいえるのかと思った。
※『龍凰童子』のスポット映像
『龍凰童子』(2023)全曲レビュー
アルバム『龍凰童子』に収録されている全15曲について、ごく簡単ではあるが、コメントをしている。主にメロディやサウンドなど音楽的な内容について書いた。
また使用していると思われるチューニング・中心的なキーの情報も付している。
なお各楽曲の歌詞や世界観については、作詞・作曲を行った瞬火氏本人の解説をお読みいただきたい。
※瞬火氏による全曲解説記事
霓
読み方は「にじ」であり、陰陽座がこれまで置かれてきた状況を雨天とすれば、今は虹が見えてきた段階を示しているタイトルだと言う。
これまでも瞬火氏による打ち込みの序曲は数々あった。それこそ1stアルバム『鬼哭転生』の「降臨」から始まっている。
原点回帰のオープニング、そして瞬火氏のプログラミングの進化も感じ取ることができる。
龍葬
・1音下げチューニング(Dm)
龍によって葬る、と言う不可能なことから、まだ死なないというメッセージを込めた楽曲。
陰陽座らしいスピーディーなメタルの快作である。たとえば「陰陽師」「蛟龍の巫女」など、陰陽座が得意としてきたビートの1つであろう。
そこに黒猫氏の伸びやかなボーカルが響き渡る、まさに黒猫氏復活の狼煙と言ったところだ。別々のフレーズを弾きながら、ハモるギターソロも面白い。
鳳凰の柩
・1音下げチューニング(Dm)
2曲目の”龍”に対して、”鳳凰”が登場するこの曲。再び死をイメージするタイトルだが、「龍葬」と同様に逆説的に生を歌ったもののようである。
黒猫氏の柔らかで伸びるボーカルが印象的な「龍葬」と対照的に、勢いのあるボーカルから、サビではハイトーンが登場する。
「龍葬」「鳳凰の柩」の2曲に黒猫氏の代表的なボーカルスタイルを詰め込み、黒猫氏の復活を祝しているように感じられる。
大いなる闊歩
・1音半下げチューニング(D♭m)
アルバムの流れは少し変わり、瞬火氏のボーカルから始まるこの曲。ヘヴィなリフに4つ打ちのリズムと言う、これまた陰陽座らしいヘヴィとポップが融合した楽曲である。
そしてAメロ・Bメロという簡素な展開からも、ハードロック的な立ち位置の楽曲なのだろう。こうしたタイプの曲が前半に登場することからも、ポップな印象を与える作品になっている。
陰陽座の往きたい道を闊歩する、という決意表明の楽曲でもあり、分かりやすくタイトルに表れている。
茨木童子
・7弦(Bm)
先行配信シングルとしてリリースされ、MVも制作された本作の推し曲。楽曲のテーマとしては、鬼の伝承をモチーフにしたものだそうだ。
これまでの陰陽座にあまりないタイプの曲をシングルにしたとの瞬火氏の発言もあったが、あえて言えば前作『覇道明王』の流れを汲む楽曲に思われた。
7弦ギターのヘヴィなリフとスラッシュメタル的な激しいリズム、目まぐるしい展開で駆け抜けていく。非常にメタル的でもありつつ、プログレッシブな要素も感じさせる。
猪笹王
・7弦(Bm)
「茨木童子」からしばらく”妖怪シリーズ”とも言える流れであり、巨大な猪の妖怪をテーマにした楽曲である。
再び7弦ギターが登場しつつ、ヘヴィさを前面に出さない楽曲での使用は珍しいように思えた。キーはBmを中心にしつつ、Bメロの冒頭にサラッとEmが登場するところが新鮮だった。
ただ若干この辺りで、曲調が似たものが並んでいるように感じられなくもなかった。
滑瓢
・7弦(Bm)
ゲゲゲの鬼太郎でも有名な妖怪、「ぬらりひょん」を題材にした楽曲。
3連続で7弦ギターが使用され、この曲では非常にヘヴィなサウンドを作るのに貢献している。唸るような不気味なセリフから、エクストリームな雰囲気も漂う楽曲だ。
ただサビのメロディは非常にポップであり、「ぬらりひょん」のどこか人間臭い部分が表現されているかのように感じた。
また陰陽座の中ではドゥームとキャッチーを混ぜた”ドゥルキャッチー”と言うジャンルがあるが、まさにこの曲はそれに該当するように思えた。
赤舌
・1音下げチューニング(Dm)
ダメ押しの”妖怪シリーズ”をもう1曲、ただ妖怪そのものを描くというよりは人間の諍いについて歌ったものであるとのこと。
瞬火氏が中心的なボーカルを担い、黒猫氏はBメロで日本音階のメロディを歌っている。Aメロについては1番が瞬火氏、2番が黒猫氏という割り振りはあまりないので面白い。
こうした和音階を用いたリフ、メロディは陰陽座の得意技である。ただシンプルなハードロックの「猪笹王」や「赤舌」は、どうも曲調が似通った印象を持ってしまう。
個々の楽曲のクオリティは高水準のはずであるが、やや詰め込み過ぎた感も否めない。
月華忍法帖
・1音下げチューニング(Gm)
アルバムの後半戦、おなじみの”忍法帖シリーズ”が登場である。当ブログに忍法帖シリーズのルールをまとめたが、5分超えでAメロ・Bメロ・サビの構成で、大きく”規制緩和”されている。
しかし忍法帖シリーズの楽曲は、やはり良いものである。ストレートにカッコいいリフに良いメロディが乗る、本作の中でも屈指の出来ではないか。
アウトロのリフが9th『金剛九尾』収録の「孔雀忍法帖」の冒頭リフと同じになっているのが面白い。
白峯
・7弦(Bm→Em)
こちらも陰陽座では定番の長尺の楽曲である。今回は11分を超える大作であり、上田秋成の『雨月物語』の一篇「白峯」を完全音楽化したものだと言う。
長年構想していた作品だけに、非常に完成度の高い力作である。冒頭の美しいメロディから、轟音リフに展開するところは見事である。
またギターソロの途中からのテンポチェンジ、目まぐるしい展開と再び美しいメロディへと、これぞ陰陽座の得意とする流れである。
迦楼羅
・1音下げチューニング(Dm)
美しい音色から始まるこの曲、「白峯」と続きでじっくりとメロディを聞かせてくれる楽曲が並んでいるところが良い。
「迦楼羅」という巨鳥を題材としつつ、テーマには大事なものを失ったときにどうするか、という内容が歌われているとのこと。
リフは登場せず、全編黒猫氏による歌唱になっており、美しいメロディ、そして黒猫氏の歌唱をじっくりと聞かせてくれる。実はこうした曲もまた、陰陽座の魅力の1つだと思う。
覚悟
・1音半下げチューニング(D♭m)
本作の中では異色の楽曲であり、瞬火氏いわく泥臭いソウルフルなハードロックを目指して作られたものとのこと。
曲調は違えど、特に他の楽曲との間で違和感を持つことはなかった。むしろこういった変化球の楽曲をもう少し入れても良かったのではないか、と個人的には感じるところだ。
それにしても本作はドラム始まりが多く、「猪笹王」「赤舌」に「覚悟」と珍しい印象である。
両面宿儺
・7弦(Bm→Em)
アルバム終盤に向けて再びメタルらしく、勢いを感じさせる楽曲が続いていく。「両面宿儺」は伝説上の鬼であり、本作でも鬼や妖怪をテーマにした楽曲が多くなっている。
EmとBmのキーを行き来するのは、7弦ギターを用いるようになってできるようになったこと。結果的にEmを軸とした初期からの陰陽座らしい音と、7弦のヘヴィなサウンドが融合して面白い。
アグレッシブなビートに、ややシンフォニックなメロディの曲は、たとえば12th『雷神創世』の「天獄の厳霊」などを思い起こさせる。
静心なく花の散るらむ
・1音半下げチューニング(F♭m)
百人一首33番の下の句からタイトルが取られている楽曲。内容は“己の運命に葛藤する無敵の女忍者シリーズ”とのことで、「月華忍法帖」と同テーマである。
その完結編と言うことで、次回以降に収録する内容だったが、本作に含めたとのこと。気合の入った楽曲だけに、リフ・メロディともに素晴らしい内容である。
確かに忍法帖シリーズとも言えるシンプルな構成にスピードメタル的なビートである。本作が収録されたことで、アルバム後半がさらに締まって聞こえる。
心悸
・1音下げチューニング(Dm)
読み方は「ときめき」であり、人間にとって欠かせない心臓が動いてくれていることが当たり前ではない、という内容を歌ったものだそうだ。
陰陽座のアルバムラストには明るい作風の楽曲が配置されるのが、1stアルバムから一貫している。弾け要素は控えめながら、爽やかさは満点の楽曲だ。
やはり黒猫氏の病気のこともあって、能天気にではなく静かに燃え上がるような楽曲が多くなっているような印象もある。本作を象徴するようなラストになっているだろうと思う。
まとめと総評
ここまでアルバム『龍凰童子』の最初の印象と全曲レビューを行った。
最後に本記事を書く中でさらに『龍凰童子』を聴き込んだので、全体的なレビューとして総括したいと思う。
筆者が考える本作のキーワードは、”陰陽座らしさ”と”総集編”の2つである。この2つのキーワードを軸に、良かった点・今後に期待したい点などを書いて、まとめとした。
”陰陽座らしさ”の詰まった充実作にして黒猫復帰を祝すアルバム
1つ目のキーワードは”陰陽座らしさ”である。
瞬火氏が構想していたように、実質的にセルフタイトルを示した本作は、”陰陽座らしさ”が詰まった充実作である、という感想を持った。
前作『覇道明王』がやや現代的な雰囲気を持つヘヴィメタルのアルバムであった。筆者の好みも大いにあろうが、メロディやリフでグッとくるものが13th『迦陵頻伽』に比べて少なかった印象である。
本作はポップさが増しているアルバムと言う意味で、”陰陽座らしい”と筆者は考えたところである。
何をもって”陰陽座らしさ”と捉えるかは人それぞれだろうが、筆者としては瞬火氏の作るメロディラインの良さこそ、不変の”陰陽座らしさ”だと考えている。
サウンド面や曲調の変化はあっても、ポップで良いメロディこそ陰陽座の要だと思う。
そして療養中だった黒猫氏の復帰作と言う意味では、本作は満点のアルバムではなろうか。生き生きとした歌声は、全くブランクを感じさせない歌唱である。
黒猫氏復帰の意味もあってか、歌が前面に出ることとなった結果、流麗なメロディラインが増えたのか、とも推察するところだ。
やはり瞬火氏の作る美しいメロディ+黒猫氏の歌唱、というのが陰陽座の重要な位置であることを再確認できるアルバムだった。
陰陽座の”総集編”的な立ち位置
もう1つのキーワードは”総集編”である。この言葉には良い意味も含みつつ、やや批判的な意味合いも込めている。
アルバムの流れと言う点からは、本作は4つくらいに分かれるように思えた。勝手に筆者が命名した4つのパートは以下の通りである。
- 黒猫氏復活を告げるアルバムの幕開け:霓~大いなる闊歩
- 鬼・妖怪シリーズ:茨木童子~赤舌
- 歌唱をじっくり聴くシリーズ:月華忍法帖~覚悟
- 疾走感あるメタルシリーズ:両面宿儺~心悸
上記4つのパートに分けた時、1.ならびに3.と4.は素晴らしい流れに思われた。ただ2.のパートが、やや冗長に思われたのが残念である。
2.のパートは曲調が似通っており、1.のパートともやや似ていることから、流れが失速してしまう印象がある。その分、3.からの流れは圧巻とも言える出来栄えである。
どうしても2.のパートを含めて、曲数が多い作品としたのも、瞬火氏としてこだわる部分があったのだろうと思う。
察するには、『龍凰童子』という実質的セルフタイトル作であるがゆえ、”陰陽座らしさ”を全て詰め込むことを優先させたのではないか、と思うところだ。
その結果、近年の陰陽座の”総集編”的なアルバムになった、と筆者は感じた。”総集編”とは、今までの良いところを全体的に見渡せる、という意味合いがある。
陰陽座の良さを全面的に楽しめる半面で、”手堅い楽曲が並ぶ”と言う印象を持たせてしまう面もある。
もっと言ってしまうと、音楽的な自由さ・解放感と言う点では弱く、新たな側面・要素はあまり感じられなかったも言える。
いくつか陰陽座には転機となる作品があり、2016年の13th『迦陵頻伽』がターニングポイントとなっているように筆者には感じられる。
ヘヴィなサウンドを打ち出しつつも、瞬火氏のメロディと黒猫氏の歌唱が合致した、新たな陰陽座像を示した作品である。
本作は『迦陵頻伽』からの流れを総括する意味で”総集編”的な立ち位置にあるように思う。ただそろそろ次なる方向性も見たい、というのがファンの感じるところであろう。
”4年半ぶり”、そして”黒猫の復帰作”など、まずはこれまでの陰陽座をしっかり提示する、という部分が強かったのは当然にも思える。
最近の陰陽座を総括する点では成功している作品であるが、総括を重視するのか、それとも挑戦を求めるか、によって評価が分かれそうなアルバムである。
筆者としては”総集編”的な意味での成功を評価しつつ、一方で次なる方向性もやっぱり見たかった、という両方の感想を持ったのが1番正直なところである。
しかし新たな挑戦は次回作に期待すべきところなのかもしれない。陰陽座のカムバックとも言うべき本作は、その点においては充実のアルバムとなったと言えるだろう。
<筆者が気になるハードロック・ヘヴィメタルの新作アルバム>
・Captain Black Beard – Neon Sunrise(2022)
80年代メロディアスハードのリバイバル的サウンドのアルバム
・About Us – Right Now(2022)
インド発、メロディアスハードからブルース、AORまで多彩な楽曲収録のアルバム
・Orianthi – Rock Candy(2022)
天才女性ギタリストの古き良きハードロックを感じさせる最新作
コメント