語ってみた2

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書いていたら楽しくなって続いてます。今回は初期の大傑作「黄金の夜明け」もあって気合い入っています。

2nd『桜の森の満開の下』

表題曲は前作収録である。今作品では音がはっきりと分かるミックスになっていて聞きやすい。曲も前半にアップテンポな曲を並べたことで疾走感あるアルバムの印象がある。前作では歌詞・曲とも一貫した世界観をもっていたのに対して、今作ではその幅を広げたおかげで人間椅子のイメージが固定化されることがなく、幅広い楽曲を持つミュージシャンとして認識されるに至ったであろう。宇宙シリーズの原点「遺言状放送」、ローチューニングのヘビーな曲「太陽黒点」など、後の人間椅子でのお得意パターンを作ったと言っても良い。今作の圧巻は「夜叉ヶ池」だと思う。70年代ハードロックにあるような静かな曲調からハードロックへと展開する楽曲に、日本独特のおどろおどろしい歌詞を乗せた、まさに人間椅子らしい傑作である。

3rd『黄金の夜明け』

3枚目にして人間椅子最高傑作と言っても良いほどの力作。前作で広げた世界観をさらに広く深くした楽曲が揃っており、楽曲・演奏のクオリティが格段に上がっている。展開の多い曲が多数収録されているのが特徴であり、それでいてノリの良い曲・ヘビーな曲のバランスもよく取れている。またローチューニングの曲はそれほど多い訳ではないが、「マンドラゴラの花」や「狂気山脈」など重々しい雰囲気の曲がダークなムードを漂わせているように思う。そして和嶋氏・鈴木氏それぞれの世界観がはっきり出ている点でも意義深い。まだ作曲は2人の名前がクレジットされているが、難解な世界観の和嶋氏とおどろおどろしい曲の鈴木氏の対比も楽しめるのである。個人的に圧巻は「審判の日」「無言電話」である。前者は鈴木氏自身も良い曲ができたと評価するだけあり、ベース主体の重いリフと複雑な展開がかっこいい。「無言電話」はコミカルな歌詞とは裏腹に、中間のギターソロは壮絶であり和嶋氏のギターのルーツがやはりブルースにあることを感じさせるものだ。


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