ソロデビュー45周年となるシンガーソングライターの浜田省吾は、2022年1月6日・7日に1982年の日本武道館公演を再現するコンサート「40th Anniversary ON THE ROAD 2022 LIVE at 武道館」を行った。
東京のみの開催で、観られなかった人も多かったため、ファンクラブ限定で有料配信が行われることとなった。
しかし依然として全国ツアーができない状況のため、以前から浜田省吾氏のオフィシャルYouTubeチャンネルでは、過去のライブ映像が次々と公開されてきた。
そこで、この記事ではオフィシャルYouTubeに公開された映像のうち、2010年以降に行われたライブ映像をまとめて紹介したい。
近年は「こんなライブをやっていたのか!」と思うようなユニークなライブも行われている。1月の武道館公演の模様と併せて、過去の映像を遡る助けになれば幸いだ。
なお近年の浜田氏の活動について、さらに詳しく知りたい人は、以下の記事もお読みいただきたい。
- 2010年代以降のオフィシャルYouTubeチャンネルのライブ映像まとめと作品紹介
- ON THE ROAD 2011 “The Last Weekend”
- “100% FAN FUN FAN” ON THE AVENUE 2013「曇り時々雨のち晴れ」
- ON THE ROAD 2015-2016 “Journey of a Songwriter”
- 100% FAN FUN FAN 2017 “The Moonlight Cats Radio Show” Welcome back to The 60’s
- 100% FAN FUN FAN 2018 “Journey of a Songwriter” since 1975 Welcome back to The 70’s “君が人生の時 ~ Time of Your Life”
- 100% FAN FUN FAN 2019 ”Journey of a Songwriter” since 1975 Welcome back to The 80’s Part-1 ”終りなき疾走〜ALL FOR RUN”
- 40th Anniversary ON THE ROAD 2022 LIVE at 武道館
- まとめ
2010年代以降のオフィシャルYouTubeチャンネルのライブ映像まとめと作品紹介
ここでは「2010年以降」の「ライブ映像」に限定して紹介する。その理由の1つとしては、2010年以降はコンセプトを決めたユニークなライブが多くなっていることが挙げられる。
その多くが映像作品化されているため、収録されている映像作品ごとに、古い順に並べて紹介する。
さらに紹介した楽曲の収録されている、「オリジナル収録アルバム」・「おすすめ収録アルバム」も紹介している。
「オリジナル収録アルバム」は、初めて収録されたオリジナル盤を紹介している。
古い作品ほどアレンジや音質が現在の雰囲気と異なるが、当時の音源を聴きたい人もいるだろう。なお2021年に全作品がリマスター盤で入手できるようになったので、音質的な問題は解消された。
「おすすめ収録アルバム」とは、より現在に近いアレンジで再録(あるいはリマスター)されたバージョンが収録されたアルバムである。
筆者が聴き比べた結果、総合的にクオリティの高いアレンジのバージョンを紹介している。
ON THE ROAD 2011 “The Last Weekend”
- 発売日:2012年9月19日
2010年にリリースされたベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend』のリリースを記念したツアーの映像が多数公開されている。
ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend』は、主に社会的なテーマの楽曲が中心のアルバムで、リミックスやボーカルの新録が行われている。
2011年に行われたツアー「ON THE ROAD 2011 “The Last Weekend”」では、ベストアルバムとこれまでの代表曲を散りばめた選曲となっている。
ライブ映像作品とともに、ライブアルバム『ON THE ROAD 2011 “The Last Weekend”』も同日発売となった。
なお映像の多くは発売前後の2012年~13年に公開になっているが、2020年になって新たに2曲の映像が公開となった。
悲しみは雪のように
- 公開日:2012/08/24
- オリジナル収録アルバム:7thアルバム『愛の世代の前に』(1981)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The History of Shogo Hamada “Since1975″』(2000)
浜田省吾を代表する楽曲の1つで、1992年にフジテレビ系のドラマ『愛という名のもとに』の主題歌に起用されて大ヒットとなった。
公開されている映像は、その時のバージョンに近いものだが、より温かみのある演奏になっている。
なお1992年のシングルバージョンは、ベストアルバム『The History of Shogo Hamada “Since1975″』でのみ聴くことができる。
A New Style War
- 公開日:2012/08/31
- オリジナル収録アルバム:10thアルバム『J.BOY』(1986)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend』(2010)
1986年の2枚組の名盤『J.BOY』の1曲目を飾る楽曲。戦争をテーマにした楽曲であり、ミドルテンポのロックナンバーである。
アレンジはオリジナルに近く、ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend』でも、オリジナルの音源を活かしたアレンジになっている。
なおライブ映像では複数の映像が並ぶ。バンドメンバーの映像とともに、各国での貧困やテロの歴史映像が挟まれている。
J.Boy
- 公開日:2012/09/07
- オリジナル収録アルバム:10thアルバム『J.BOY』(1986)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The History of Shogo Hamada “Since1975″』(2000)
1986年のアルバム『J.BOY』のタイトル曲にして、ライブでの定番曲であり、ライブの終盤にほぼ必ずと言っていいほど演奏されている。
社会的な楽曲を中心にしたツアーと言うことで、テーマに相応しい楽曲である。
今回は歴代の映像を入れ込むことはせず、会場のファンの様子などを織り交ぜながら、ライブ会場の熱気が伝わってくるような映像になっている。
なお「J.BOY」はリメイクされたことがなく、オリジナルのリマスター音源でのみ聴くことができる。ベストアルバムかアルバム『J.BOY』のリマスター盤(1999年)になる。
また2016年には30周年を記念したボックス『“J.BOY” 30th Anniversary Box』、『“J.BOY” 30th Anniversary Edition』などもリリースされている。
終りなき疾走
- 公開日:2012/09/14
- オリジナル収録アルバム:6thアルバム『Home Bound』(1980)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The History of Shogo Hamada “Since1975″』(2000)
浜田氏が現在のロックスタイルに移行した記念すべきアルバム『Home Bound』の1曲目を飾る名曲。ライブでもかなりの頻度で演奏される、定番曲である。
この映像では歴代の「終りなき疾走」の映像が画面上で並べて映される。古くは1988年の渚園、新しいものでは2005年のアルバム『My First Love』のツアーの映像で構成される。
いつの時代も変わらぬ浜田氏の姿を見ることができるライブ映像だ。
なお「J.Boy」同様、リメイクされたことはないため、オリジナル音源かベスト盤の音源を入手することになるだろう。
ラストダンス
- 公開日:2012/09/21
- オリジナル収録アルバム:2ndアルバム『LOVE TRAIN』(1977)
- おすすめ収録アルバム:セルフカバーアルバム『Wasted Tears』(1989)
ライブの終盤、アンコールなどで演奏されることが多い、定番曲の「ラストダンス」。実はかなり古い曲で、1977年の2ndアルバム『LOVE TRAIN』に収録されている。
センターステージの頭上にはミラーボールが輝き、ダンスホールのような演出である。なおメインステージにはホーンセクション、ストリングスと非常に豪華な編成での演奏となっている。
後半では、ファンにサビの歌唱を求める場面もお馴染みである。温かいライブの雰囲気を感じられる映像になっている。
このライブバージョンに近いアレンジは音源化されていない。リアレンジされているのは、1989年のセルフカバーアルバム『Wasted Tears』である。
MONEY
- 公開日:2013/04/24
- オリジナル収録アルバム:9thアルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』(1984)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The History of Shogo Hamada “Since1975″』(2000)
ハードロックさえ感じさせる、かなり激しい楽曲で、ライブでは欠かせない「MONEY」である。
イントロのリフは長年浜田氏と活動を共にする町支寛二氏が考案したそうで、ギターソロも町支氏が担当することになっている。
この映像では、「終りなき疾走」とはまた異なる歴代ライブ映像が組み合わさっている。そしてブラスが前面に出た、豪華なアレンジの「MONEY」を聴くことができる。
やはり「超」がつく定番曲はリメイクがされておらず、ベスト盤かオリジナル盤のリマスター(1999年)を聴くのが良いだろう。
路地裏の少年
- 公開日:2013/04/24
- オリジナル収録アルバム:1stアルバム『生まれたところを遠く離れて』(1976)
- おすすめ収録アルバム:10thアルバム『J.BOY』(1999、リマスター)
浜田氏のデビューシングルにして、長く歌い継がれる名曲「路地裏の少年」である。普遍的なポップスにして、若者の孤独を歌った歌詞は、デビュー曲にして浜田氏のスタイルそのものであった。
今回の映像は、浜田氏の歴史を振り返り、デビューの1976年から各年に撮影された写真が順にアルバムのように並べられていく粋な作りである。
演奏はセンターステージでライブ終盤のものだろう。デビューから歌い続けても、何も変わらぬ浜田氏の佇まいと歌唱が素晴らしい。
「路地裏の少年」は大まかにデビュー盤のアコースティックなアレンジと、『J.BOY』のよりタイトなアレンジの2つがある。筆者は『J.BOY』バージョンが気に入っている。
PAIN
- 公開日:2013/09/06
- オリジナル収録アルバム:9thアルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』(1984)
- おすすめ収録アルバム:9thアルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』(1999、リマスター)、セルフカバーアルバム『初秋』(2003)
10代の少年の物語を描いたアルバム『DOWN BY THE MAINSTREET』の中で、やや異色な楽曲と言ってもいいほど、人間の普遍的な心理を歌った壮大なバラードである。
くしくも東日本大震災の直後のライブということもあり、「二度と立てぬ痛手なのに受け入れてく不思議だ人は」というフレーズが鎮魂の意味合いともなった。
ストリングスと共に演奏され、非常に美しいアレンジである。メロディの美しさ、歌詞の持つパワーに圧倒されてしまうような映像になっている。
なお「PAIN」はオリジナルのアレンジが素晴らしいが、バラード集『初秋』に収録されたアレンジも、成熟した大人の歌唱、サウンドになっていてどちらも良い。
日はまた昇る
- 公開日:2013/09/06
- オリジナル収録アルバム:16thアルバム『SAVE OUR SHIP』(2003)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.1』(2006)
実験的なアプローチの楽曲が多かったアルバム『SAVE OUR SHIP』に収録された、壮大で内省的なバラードである。
まっすぐな浜田氏の歌が響いてくる、小細工なしのライブ映像だ。所々に、ファンの姿が映る瞬間が、とてもいい味を出している。
基本的にはリアレンジされた音源はないため、オリジナル盤かリミックスされたベストアルバムの音源を聴くことになるだろう。
君がいるところが My Sweet Home
- 公開日:2020/05/20
- オリジナル収録アルバム:15thアルバム『青空の扉 〜THE DOOR FOR THE BLUE SKY〜』(1996)
- おすすめ収録アルバム:15thアルバム『青空の扉 〜THE DOOR FOR THE BLUE SKY〜』(1996)
ラブソングを中心に、R&B色の強いアルバム『青空の扉〜THE DOOR FOR THE BLUE SKY〜』。陽気な雰囲気のR&Bで、心の居場所について歌った楽曲だと筆者は思っている。
ベスト盤などに収録されてはいないが、ライブでは頻繁に演奏される楽曲である。
映像の後半では、会場全体でウェーブする様子が楽しげである。堅い印象があるかもしれないが、とてもお茶目な浜田氏の一面を見ることができる。
なお音源は、オリジナル盤にのみ収録されている。
Rising Sun ―風の勲章
- 公開日:2020/08/14
- オリジナル収録アルバム:12thアルバム『FATHER’S SON』(1988)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend』(2010)
1988年のアルバム『FATHER’S SON』は、浜田氏にとって父親の死を経験した後の作品であったが、タイトルの由来には、アメリカと日本というテーマも込められている。
その中でも、戦争と戦後を歌った「Rising Sun ―風の勲章」はインパクトが強い。重厚な歌詞は、ミドルテンポのロックに乗って力強く響く。
この映像ではライブ当日に映されたアニメーションとの融合になっており、1988年に発表された曲ながら現代にも通じる普遍的なテーマの曲だと再認識できる。
なお映像が公開された8月14日は、政府がポツダム宣言を受諾した日(1945年)であり、翌8月15日は終戦記念日であった。
“100% FAN FUN FAN” ON THE AVENUE 2013「曇り時々雨のち晴れ」
- 発売日:2020年12月9日
浜田氏はコンサートツアー「ON THE ROAD」以外にも、2000年代後半から積極的にファンクラブ限定ライブ・ツアーを行うようになった。
“100% FAN FUN FAN“と題して行われることが多く、2013年に行われたファンクラブツアーの東京・NHKホールで行われたチャリティー公演が2020年にDVD/Blu-rayで発売された。
このツアーでは普段のロック色の強いライブよりも、華やかな演奏を楽しめる。また女性コーラス2名(白井友紀・山路唯)が参加したのも、当時は新鮮だった。
選曲もポップス寄りであり、あまり演奏されていない「SAME OLD ROCK’N’ROLL」「街角の天使」「朝のシルエット」などレアな楽曲を聴くこともできる。
Walking in the rain
- 公開日:2020/07/08
- オリジナル収録アルバム:12インチシングル『路地裏の少年』(1986)
- おすすめ収録アルバム:12インチシングル『路地裏の少年』(1986)
公式にアップされている映像の中で、最もレアな楽曲がこの「Walking in the rain」である。
1985年に時任三郎氏に提供した楽曲のセルフカバーで、1986年の12インチシングル『路地裏の少年』に収録された。なお1991年のシングル『J.BOY (LIVE VERSION)』にも収録された。
コンサートの1曲目であり、雨の降るような映像の演出、そして街中の一角のようなステージが面白い。
レインコートを羽織った浜田氏の弾き語りで始まり、町支氏のギターやコーラスが加わって、緩やかなライブの始まりとなっている。
なお映像公開時点では、まだ映像作品として発売の告知はなされていなかった。
さよならゲーム
- 公開日:2020/12/04
- オリジナル収録アルバム:15thアルバム『青空の扉 〜THE DOOR FOR THE BLUE SKY〜』(1996)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The History of Shogo Hamada “Since1975″』(2000)
15thアルバム『青空の扉 〜THE DOOR FOR THE BLUE SKY〜』のリードトラックであり、本作の中ではロック色の強い勢いのある楽曲になっている。
なおこのライブでは、冒頭にバンドによるセッションが挿入されており、いつもよりラフな雰囲気の演奏が楽しめる。またコーラスワークが厚く、華やかな印象のアレンジだ。
ベースとなるトラックはオリジナルのままであり、リアレンジされたバージョンも存在しない。
ON THE ROAD 2015-2016 “Journey of a Songwriter”
- 発売日:2018年4月25日
映像作品となった『ON THE ROAD 2015-2016 “Journey of a Songwriter”』は2015年のアルバム『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』の曲を軸にした2つのツアーからなる。
1つは2015年のホールツアー『ON THE ROAD 2015 “Journey of a Songwriter”』、2016年のアリーナツアー『ON THE ROAD 2016』の2つであった。
前者はアルバム発売を記念し、アルバムの全曲を披露している。後者は自身初となるファンから好きな曲のアンケートを行うと言う内容であった。
収録されている楽曲は『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』を中心に、80年代の「DJお願い!~バックシートラブ」や「今夜こそ」なども含まれている。
アジアの風 青空 祈り part-1 風
- 公開日:2020/08/07
- オリジナル収録アルバム:18thアルバム『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』(2015)
- おすすめ収録アルバム:18thアルバム『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』(2015)
アルバム『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』はラブソングを中心に、ポップな楽曲が中盤までを占めるが、終盤に初の組曲のスタイルで「アジアの風 青空 祈り」が収録されている。
アルバム『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』に関するインタビューの中で、「無能なリーダー達が導く悲劇を歌った」と述べた、ストレートなメッセージの楽曲だ。
イメージ映像とともに、重厚な映像に仕上がっている。ライブとしても、そしてMVとしても楽しむことができるクオリティの高い映像になっている。
アジアの風 青空 祈り part-2 青空
- 公開日:2020/08/04
- オリジナル収録アルバム:18thアルバム『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』(2015)
- おすすめ収録アルバム:18thアルバム『Journey of a Songwriter 〜 旅するソングライター』(2015)
「アジアの風 青空 祈り」の第2部「アジアの風 青空 祈り part-2 青空」は、浜田氏がずっと歌ってきたロックスタイルの楽曲に、ヘビーな歌詞が重く響く。
原爆から東日本大震災まで、日本を襲った苦難の歴史と、さらには「ロミオとジュリエット」の物語をなぞりながら物語が展開する壮大な楽曲となっている。
現代的なアニメーションとのコラボレーションが、歴史が決して昔のことではなく、現在に繋がっていることを示唆しているようにも思える。
ラストショー
- 公開日:2021/08/19
- オリジナル収録アルバム:7thアルバム『愛の世代の前に』(1981)
- おすすめ収録アルバム:セルフカバーアルバム『EDGE OF THE KNIFE』(1991)
2021年8月に新たに公開になった「ラストショー」の映像である。ライブの後半で演奏されることが多く、ファンと浜田氏のボーカルの掛け合いや、サビで手を振る動作も会場が一体となる。
このライブ映像ではそんな会場の一体感を楽しむことができるだろう。またラフにジャケットを羽織った浜田氏の姿もカッコいい。
オリジナルは『愛の世代の前に』に収録されているが、現在のキーやアレンジに近いのは1991年リリースのバラードベスト『EDGE OF THE KNIFE』収録のバージョンである。
100% FAN FUN FAN 2017 “The Moonlight Cats Radio Show” Welcome back to The 60’s
2017年~2018年にかけて行われたファンクラブ限定のツアーで、第1部は1960年代の洋楽のカバー、第2部が浜田氏のオリジナル曲という構成のライブだった。
なお第1部の楽曲は、ミニアルバム『The Moonlight Cats Radio Show Vol.1』『The Moonlight Cats Radio Show Vol.2』の2枚に収録された楽曲から演奏されている。
この2作は、2015年のツアーバンドのメンバーと何か一緒に作りたい、という思いから、各曲のサウンドプロデュースをツアーバンドメンバーが担当している。
なお単独で映像作品化はされていない。
2019年にリリースされた『Welcome back to The 70’s “Journey of a Songwriter” since 1975 君が人生の時~Time of Your Life』の完全生産限定盤に、特典映像としてカバー部分が収録された。
日はまた昇る
- 公開日:2020/05/31
- オリジナル収録アルバム:16thアルバム『SAVE OUR SHIP』(2003)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.1』(2006)
洋楽カバー曲が演奏された第1部に続く、第2部のアンコールのラストに演奏された楽曲。映像作品化されていないテイクであり、貴重な映像となっている。
背景には2001年にNHK BS2で放映された「日はまた昇る」の歌唱映像であり、現在の浜田氏と過去の浜田氏がリンクするような映像になっている。
なおこの第2部では、1988年の『FATHER’S SON』以降の楽曲のみで構成され、古い時代の楽曲が一切セットリストに入らなかった点でも珍しい。
100% FAN FUN FAN 2018 “Journey of a Songwriter” since 1975 Welcome back to The 70’s “君が人生の時 ~ Time of Your Life”
- 発売日:2019年9月4日
2017年に60年代のカバー曲ライブを行い、次は2018年に1970年代の浜田氏のオリジナル曲のみで構成されたファンクラブ限定ツアーが行われた。
選ばれた楽曲は、1st『生まれたところを遠く離れて』~5th『君が人生の時…』までの楽曲と、70年代に作られ、後に収録された「19のままさ」や「遠くへ―1973年・春・20才」も披露された。
映像作品化され、2019年にリリースされた。完全生産限定盤には2017年のファンクラブツアーの映像(カバー曲部分のみ)と、2018年のライブ音源が特典として付属している。
70年代の楽曲の多くは、リメイクされることが多かったが、2021年に1st~5thアルバムがリマスターされ、オリジナル盤でも良音質で楽しむことができるようになった。
路地裏の少年
- 公開日:2019/08/27
- オリジナル収録アルバム:1stアルバム『生まれたところを遠く離れて』(1976)
- おすすめ収録アルバム:10thアルバム『J.BOY』(1999、リマスター)
コンサートの前半は、デビュー当時を再現して浜田氏・町支氏の弾き語りスタイルで行われた。さらにこの「路地裏の少年」では歌詞がテロップで出され、会場で一緒に歌う形だった。
普段のライブでは大声で一緒に歌うことは憚られるが、この時は会場で大合唱となった。珍しいスタイルで行われたライブで貴重なテイクとなっている。
君が人生の時…
- 公開日:2019/09/03
- オリジナル収録アルバム:5thアルバム『君が人生の時…』(1979)
- おすすめ収録アルバム:ミニアルバム『Dream Catcher』(2015)
ファンクラブライブのツアータイトルにもなった「君が人生の時…」の映像(ショートバージョン)である。スケール感のあるバラードであるが、成熟した浜田氏のボーカルで聴くととても味わい深い。
森林をイメージした映像、そして重厚なコーラスなど、楽曲の世界観を盛り上げてくれる。
この映像のアレンジのバージョンは、2015年にリリースされたミニアルバム『Dream Catcher』に収録されている。オリジナルを活かしつつ、スケール感のあるサウンドでおすすめである。
風を感じて
- 公開日:2019/09/10
- オリジナル収録アルバム:5thアルバム『君が人生の時…』(1979)
- おすすめ収録アルバム:5thアルバム『君が人生の時…』(2021、リマスター)
日清食品「カップヌードル」のCMに起用されたことで、浜田氏がヒットするきっかけとなった楽曲。普遍的なポップスゆえに、シンプルなアレンジで聞かせてくれる。
映像では、やはりサビでオーディエンスと掛け合いになる様子が微笑ましい。この曲でもコーラスワークが光るアレンジとなっている印象だ。
代表曲ほどリメイクしないのが浜田氏の方針なのか、この曲もオリジナルしか存在しない。2021年にリマスターされた5th『君が人生の時…』を聴くのが良いだろう。
雨の日のささやき
- 公開日:2020/06/29
- オリジナル収録アルバム:2ndアルバム『LOVE TRAIN』(1977)
- おすすめ収録アルバム:セルフカバーアルバム『初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜』(1997)
2ndアルバム『LOVE TRAIN』に収録された隠れた名曲。2019年8月22日に先行してショートバージョンが公開されていたが、2020年にフルバージョンが公開された。
アレンジとしてはセルフカバーアルバム『初夏の頃 〜IN EARLY SUMMER〜』を土台に、ブラスアレンジが豪華になり、よりゴージャスな雰囲気が漂っている。
ラフな雰囲気の演奏で、バンドメンバーがとても楽しそうである。良いライブだったことが伝わってくるような映像になっている。
100% FAN FUN FAN 2019 ”Journey of a Songwriter” since 1975 Welcome back to The 80’s Part-1 ”終りなき疾走〜ALL FOR RUN”
2018年に行われた70年代限定セットリストのツアーが好評で、さらに80年代前半へと時代を進めたのが2019年のファンクラブツアーだった。
80年代は作品数も多いことから、前半は6th『Home Bound』~8th『PROMISED LAND 〜約束の地』の3枚から選曲された。
浜田氏が自身のやりたい音楽を追求し始めた時期の楽曲で、非常に勢いのある楽曲ばかり。ライブもテンションが高く、ロックテイストの強い楽曲が多く演奏された。
後半にはライブアルバム『ON THE ROAD』のために制作された「ON THE ROAD」も披露された。今の浜田氏に繋がる礎のような楽曲ばかりである。
まだ現時点では映像作品化はされていない。今後リリースの可能性もあるので、要チェックだ。
明日なき世代
- 公開日:2019/11/07
- オリジナル収録アルバム:6thアルバム『Home Bound』(1980)
- おすすめ収録アルバム:39thシングル『凱旋門』(2019)
シングルカットもされたストレートなロックナンバー。今回のライブに連動してリリースされたシングル『凱旋門』のカップリングにもリメイクされて収録された。
ライブ映像のショートバージョンだが、いくつかのライブ映像が組み合わされている。スピード感のあるカット割りで、浜田氏のライブアクションを堪能することができる。
様々な楽曲を歌ってきた浜田氏だが、ロックシンガーとしての佇まいがずっと変わらないことに気づかされる映像にもなっている。
凱旋門
- 公開日:2019/11/14
- オリジナル収録アルバム:8thアルバム『PROMISED LAND 〜約束の地』(1982)
- おすすめ収録アルバム:39thシングル『凱旋門』(2019)
「凱旋門」はアルバム発売当時はライブ終盤に演奏されていたそうだが、近年演奏されることはほとんどなかった。どちらかと言えば、渋い楽曲でリメイクされたのは意外だった。
しかし見事に今の浜田氏の落ち着いたボーカルとマッチし、楽曲の新たな魅力に気づかせてくれた。ライブ映像と、曇天の中佇む浜田氏のイメージ映像とが組み合わせられている。
甘いバラードだけでなく、こうした重厚なバラードも浜田氏の魅力の1つ。凛とした立ち姿に、ロックシンガーとはまた少し違う浜田氏の顔を見ることができる。
愛の世代の前に(リハーサル映像)
- 公開日:2020/01/23
- オリジナル収録アルバム:7thアルバム『愛の世代の前に』(1981)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend』(2010)
最後はライブ映像ではないが、リハーサル時に収録されたと言う、浜田氏による「愛の世代の前に」の弾き語り映像である。あまり公開されることのない、浜田氏の弾き語り映像は貴重である。
激しいギターサウンドの曲だが、アコースティックギター1本だとメロディの良さが伝わってくる。そしてさすが元ドラマーだけあり、リズム感が抜群に良いこともよくわかる。
こういったアウトテイク的な映像は大変興味深いので、また公開してほしいものだと思った。
40th Anniversary ON THE ROAD 2022 LIVE at 武道館
2022年1月6日・7日の2日間、日本武道館で行われたコンサートである。
ライブの内容は、40年前の1982年に行われた初の日本武道館公演と全く同じ曲目を再現すると言うものだった。新型コロナウイルス感染症の影響で、席数を限定しての公演だった。
曲目は当時のままながら、近年再録された際のアレンジや、ライブで披露されたアレンジが採用された。昔を振り返りながら、近年の浜田氏の総決算的な内容にもなっていた。
※【ライブレポート】2022年1月7日 浜田省吾”40th Anniversary ON THE ROAD 2022 LIVE at 武道館” – なぜ今、武道館再現セットリストでライブを行ったのか?
東京
- 公開日:2022/01/26
- オリジナル収録アルバム:6thアルバム『Home Bound』(1980)
- おすすめ収録アルバム:ベストアルバム『The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend』(2010)
自身のやりたい音楽を表現した6th『Home Bound』の中でも、とりわけ社会的なテーマを扱った楽曲。40年以上前の楽曲ながら、現代にはよりリアリティを増しているようにも感じられる。
アレンジはオリジナルをベースに、ブラスやコーラスが重なりゴージャスな印象だ。激しいライティングの中、迫真のギターソロを弾く町支氏のプレイが見どころである。
久しぶりのライブとは思えない、力強いライブステージになっている。
まとめ
今回は浜田省吾氏の公式YouTubeチャンネルに公開されている映像のうち、2010年以降のライブ映像をまとめて紹介した。
2010年以降、アルバム発売ツアーから、ファンクラブ限定に過去の楽曲に限定したツアーなど、バリエーションに富んだコンサートが行われていた。
公開された映像を見ると、デビュー曲から最新の楽曲まで、浜田氏の変わらない音楽性を感じることができる。そして深みを増したボーカルが、過去の楽曲に新たな輝きを与えている。
2022年1月の日本武道館公演は、過去のライブの再現であった。近年の浜田氏のコンサートは、歴史を振り返り、過去と今を繋ぐことが1つのテーマになっているようだ。
2世代・3世代のファンも増え、様々な年代が楽しめる1つの工夫と言えるかもしれない。
そして過去から現在までの楽曲を同じ土俵に並べられるのも、浜田氏の一貫した音楽性が成せることである。
今後もライブ映像が公開されるかもしれないので、公式YouTubeチャンネルを登録して要チェックである。
※【ライブレポート】2022年1月7日 浜田省吾”40th Anniversary ON THE ROAD 2022 LIVE at 武道館” – なぜ今、武道館再現セットリストでライブを行ったのか?
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