日常をいかに楽しく過ごすか、ということは心身の健康を保つ上でとても大事なことだ。
音楽は非日常的な楽しみ方もできるし、一方で日常に溶け込むものでもあると思う。
たとえば環境音楽と言う言葉があるくらい、日常に溶け込む音楽もある。
一方でハードロック・ヘビーメタルと言えば、爆音で首を振って…みたいな非日常を思い浮かべる人は多いかもしれない。
しかしハードロックの中には、日常に溶け込んでしまいそうな、良い意味でまったりとしたアルバムもある。
そんなゆったりとした気持ちで聴けるハードロックのアルバムを紹介してみたい。
Budgie – If I Were Britannia I’d Waive the Rules (1976年)
出典:Amazon
今回紹介するのはBudgieのアルバムだ。
Budgieと言えば、当ブログでも既に紹介をしているが、1970年代を中心に活動したハードロックバンドだ。
爆発的な人気のあるバンドではないが、独特なヘビーさには定評があり、Metallicaがカバーをするなど80年代以降のバンドに影響を与えている。
評価が高いのは3枚目の『Never Turn Your Back On a Friend』と4枚目の『In for the Kill』であるが、今回紹介したいのは6枚目の『If I Were Britannia I’d Waive the Rules』である。
1. “Anne Neggen”
2. “If I Were Brittania I’d Waive the Rules”
3. “You’re Opening Doors”
4. “Quacktor and Bureaucats”
5. “Sky High Percentage”
6. “Heaven Knows Our Name”
7. “Black Velvet Stallion”
4枚目までのBudgieは全体を通して陰鬱とした雰囲気が漂っているのだが、5枚目からはどことなく陽気な感じ、そしてまったりしたムードになってくる。
メンバーチェンジによるところもあると思うが、5枚目の『Bandolier』は割とハードロック色が強い楽曲、そして少しソウルっぽい要素が入り込んでいた。
そしてこの6枚目は、少し陰鬱さを取り戻しつつも、楽曲は複雑でなくコンパクトに楽しめる作品になっている。
あまりブルース色がないBugdieだが、1.と4.そして5.あたりは少しブギー調のハードロックだ。
一方で2.のプログレッシブな展開はかっこいいし、7.のヘビーなベースも新たな曲調だと思う。
一般にはあまり評価の高くないアルバムだと思うが、個人的にはとても気に入っている。
その理由が、今回テーマにした”まったり楽しめる”ということだ。
ハードに展開するところがあまりなく、一定の熱量でアルバムを通しているところが、むしろ良いところである。
あまりハードロックの褒め言葉ではないような気もするが、たとえば散歩しながら聴くとか、作業しながら聴く、とかにはちょうど良いアルバムであり、日常の中では実はこういったアルバムは貴重だ。
マニアックかもしれないが、かっこ良さもありつつ、のんびりしたムードのあるBudgieのアルバムはこの6枚目をおいて他にはないのである。
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