エレファントカシマシの「今宵の月のように」。言ってみればこれはエレカシの曲の中で最も認知されている曲と言って良いでしょう。それゆえに様々なミュージシャンがカバーしている曲でもありますね。ただし一般的にどれも良い評価を受けているようには思えません。私自身も何か違和感を感じています。
一体なぜなのでしょう?まず、カバーされる理由を考えてみると、それはこの曲が持つメロディの普遍性にあると思います。と言うのもエレカシの曲は独特でメロディアスに聞こえてもロックであったりして、歌いやすい曲が少ないものです。それに比べると「今宵~」はメロディがポップで歌いやすいように思いがちです。歌いやすいというか本当に良い曲なので歌いたいということでもあるでしょう。
しかし実際は本当に上手く歌うのが難しい曲なのです。一般的な上手い歌い方というのは通用しません。何だか陳腐な曲に聞こえてしまいます。綺麗なビブラートをかけても良く聞こえてきません。では乱暴に歌えば良いかというとそれも違うようなきがします。歌詞から感じられるイメージは繊細なもので、それを伝えられる表現力も必要に思われます。
結論を言えば、やはりこれは宮本さんしか歌えない、と言っても良いような曲です。なぜならこれを作った真の気持ちをありのままに出して歌う、という歌い方でしかよく聞こえないからです。下手な飾りは一切必要ないけれど、丁寧にココロのままに歌わなければグッときません。しかも上手くないと歌えません。
強いて言えば、女性シンガーのカバーなら良いものもあるかもしれません。私が持っているCDで割と流行りのアコースティックなアレンジのカバー曲集に入っている「今宵~」はなかなか良かったです。それは楽曲の良さが際立っているからです。歌い手が歌うことだけに集中しているからのように感じます。ここに何か特別な思い入れが入り過ぎると、聞きづらくなるように思います。
やはりエレカシを歌うのは難しいと思いますね。まとめになってないですが、「くだらねえと」の出だしを完璧に歌える人がいたら教えて欲しいですね。
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