↓(前編)に引き続き、聖飢魔Ⅱのダミアン浜田陛下作曲の大教典(後編)である。
残っている2つの大教典は、全曲がダミアン浜田陛下の作曲ではないが、他の構成員の曲があるからこそ陛下の曲の個性が際立っているとも言えよう。
・地獄より愛をこめて(1986年)
ジェイル大橋代官による曲がほとんどを占める大教典。
やはりダミアン浜田陛下のおどろおどろしい要素は薄まって、よりシンプルなハードロックが多くなっている。
「アダムの林檎」や「秘密の花園」など、ジェイル氏の名曲が詰まっている。
全体を通じてスピーディーに進んでいく印象のある大教典だ。
さてダミアン浜田陛下の曲は2曲しかないので、ここは【B級メタルマニア向けおすすめ曲】のみとしたい。
【B級メタルマニア向けおすすめ曲】
・M・O・A・I
間違いなくこの曲以外ありえないだろうというB級のお手本のような曲。
まずもってどうやったら思いつくのかというメインのリフ。
そして朗々と歌われるメロディも怪しげだ。
さらに急なテンポアップがあり、そこで歌はなくソロのみというのもまたB級ポイント高し。
聖飢魔Ⅱの全教典の中でも最もB級心をくすぐる曲と言っても良いだろう。
・メフィストフェレスの肖像(1996年)
この大教典は、原点回帰した『恐怖のレストラン』、そしてこれまでにない作風にチャレンジした『PONK!!』に続く作品。
サタンオールスターズなる過去の構成員も参加した地球デビュー10周年公演を経た作品でもある。
そういった経緯があるためか、過去の構成員による楽曲が収録されることとなった。
それまでの作品に比べると低予算の作品とのことだが、バンドサウンドを軸にした良曲がそろう大教典になっている。
ここでもダミアン浜田陛下の曲は2曲しかないので、【B級メタルマニア向けおすすめ曲】のみとした。
【B級メタルマニア向けおすすめ曲】
・野獣
アマチュア時代の曲であり、小教典にもなったこの曲。
代表曲の1つでもあるが、いかにもダミアン浜田陛下という楽曲。
メロディが美しい曲であり、個人的にはかなり気に入っている。
B級メタルポイントとしては、「ダッタカダッタカ」というリズム。
もう少しテンポが速ければアグレッシブな印象になるが、このぐらいのテンポは牧歌的で心地よい。
B級メタルは心地のいいものというのが持論であり、まさにそれに合致する曲だ。
・おまけ
2曲しか紹介できなかったので、おまけでもう1曲。
コンセプトがB級だが、曲はかっこいいこちら。
・地獄への階段(完結編)
ご存じレッドツェッペリンの「天国への階段」のオマージュ作品。
音楽的にはハードロックというよりメタルっぽい。
そして『地獄より愛をこめて』では途中までしか収録されておらず、完結編を後に出す辺りの成り立ちも面白い。
しかし曲は本当に良いと思っている。
これでダミアン浜田陛下作曲の教典紹介は終わりたい。
初期とごく一部の時期しか作曲していないものの、圧倒的なインパクトを残した陛下。
今はミサ等の実務に関わることはなさそうだが、ぜひまたダミアン節を聞かせてほしいところだ。
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