中野サンプラザが50年の歴史に幕を下ろすこととなった。それに伴って「さよなら中野サンプラザ音楽祭」が開催されることとなり、2023年5月~7月2日までコンサートが連日行われる。
感傷的な色がどうしても漂うイベントの中、そんなムードを吹き飛ばすかのような、異色の組み合わせの対バンが実現したのである。
それが5月11日(木)に開催された、スターダスト☆レビュー×怒髪天の対バンだ。全く誰も予想しえなかった組み合わせを、あえてこのタイミングでやってしまおうという大胆さである。
しかしコンサート前に行われた根本要・増子直純による対談では、予想外に意気投合。世代や音楽性の違いを超えて、生粋のライブバンド同士の対バンが実現したと言う訳である。
そんなユニークな組み合わせながら、両バンドの個性がぶつかり合い、そして弾けた中野サンプラザのコンサートだった。
5月11日、スターダスト☆レビュー×怒髪天のライブレポートをお届けする。最後にライブで見えてきた両バンドの個性の違い・共通性についても考察してみた。
ライブレポート:さよなら中野サンプラザ音楽祭 スターダスト☆レビュー×怒髪天
5月11日(木)、午前中は日柄の良かった空模様が、昼過ぎから怪しくなる。そして16時頃には急な雷雨となる。
東急東横線を使って渋谷まで行こうと思っていたら、改札に入る直前で落雷で運転見合わせ、波乱の天候である。
慌ててJRに切り替えて移動することにして、難なく中野までたどり着いた。中野サンモール商店街を歩くと、スターダスト☆レビューの曲が流れている。
18時過ぎ、会場に入る頃にはすっかり雨も止み、夕日も見えていた。
館内に入ると、中野サンプラザの最後を記念した展示やパネルなどが設置されていた。そして入場するとファンがメッセージを書き込める弾幕、そして出演者のサインが貼り出されていた。
さて実を言うと、この日のライブを見ようか、ギリギリまで迷ってしまい、1週間前くらいにようやくチケットを購入した。やはりこんな対バンは二度と見られないだろうと思ったのだった。
躊躇っていた理由は、スターダスト☆レビューをまだ聴いていなかったためだった。しかしチケットを買って、急いで何枚かのアルバムとベストを聴くことにした。
座席は2階席だったが、ステージ全体がよく見える席だった。
残念ながら最後列のブロックはまるっと空いていたようである。なかなか違うジャンルの対バンなので、筆者のように迷って来なかった人もいたのだろうか。
しかし来なかった人は間違いなく後悔するであろう、良いライブだった。
オープニング~怒髪天
セオリー通りに行けば、怒髪天からスタートだろうと予想して開演を待つ。しかしステージ上には2セットのドラムが既に用意されている、どういうことなのか。
暗転して音楽が流れ始めると、何とスターダスト☆レビュー、怒髪天の全員が踊りながらステージに入ってきた。
そして根本氏が総合司会的にMCを務め、「まさかここに音楽だけ聴きに来た訳じゃないよね?」と、笑いを誘いつつ、スペシャルなライブであることが告げられる。
事前の対談でも、根本氏・増子氏と言ういずれもMCが面白いことで有名な2人が、”MC対決”的なことになりそうであるとほのめかしていた。
始まったのは、中野サンプラザに関するクイズ大会である。まさかのライブからではなく、企画からスタートとなった。
根本氏が中野サンプラザに関するクイズを出題し、他のメンバーがバンド対抗で回答するというもの。出演ミュージシャンや収容人数など、マニアックな問題が出題された。
怒髪天の方が年齢が若いのに、手を挙げるのが遅い、と突っ込まれるなど、終始和やかなムードで幕開けとなった。
そして3問ほどクイズが行われ、「そろそろ飽きてきたと思うので」と、ライブに移ることになり、先攻・後攻をじゃんけんで決める、とのこと。
どこまで本気だったのか分からないが、根本氏・増子氏がじゃんけんをして、増子氏が勝った。増子氏は「後だとやりにくい」と話し、先攻を選択して、結果的にセオリー通りの順に決まった。
そのまま舞台袖に戻ることなく、そのままライブは「ジャカジャーン!ブンブン!ドンドコ!イェー!」からスタート。
コロナにまつわる世の中のムードを歌った2021年の曲であるが、時は流れて2023年5月、マスクや声出しは”各自の判断”となった今回のライブである。
続いて「HONKAI」「プレイヤーI」とポップで熱い、怒髪天らしい楽曲で会場を盛り上げる。
増子氏のMCは、とにかく”スタレビ先輩”を立てるものであり、ギターの上原子氏がスタレビの『夢伝説』のシングル盤を持参し、サインをもらったと言うエピソードを話す。
「ただのファン」と言いつつも、スタレビファンの人にも怒髪天の名前だけでも覚えて帰ってもらいたい、とのMCがあった。
そしてここから怒髪天のもう1つの真骨頂、演歌の世界・男臭い楽曲が立て続けに披露される。
まずは3月22日にリリースとなったニューアルバム『more-AA-janaica』のリードトラック「令和(狂)哀歌~れいわくれいじぃ~」である。
まるで戦前歌謡のようなメロディから、一転してお祭りのようなサビに流れる展開も、昔のアニソンなどのようであり、演歌の世界とコミカルな要素が炸裂している。
続く「GREAT NUMBER」は海外から見た”ニッポン”という趣きの曲、そしてまさかの2002年『武蔵野犬式』から「クソったれのテーマ」が披露される。
渋い選曲だが、ここまでの3曲を続けて聴くと、怒髪天の表現したい世界観が凝縮されているようにも思える。
怒髪天はいつも通りの熱いパフォーマンスである。「孤独のエール」「ド真ん中節」と続き、増子氏が曲の後で「我を忘れてしまった」と振り返るほど、熱のこもったボーカルだった。
顔をぐしゃぐしゃにしながら、汗だくで叫び続ける増子氏を、スタレビファンはどのように見ていたのだろうか、気になるところである。
MCでは地方でライブが終わり、ホテルに着いてテレビをつけると、高確率で「スタレビが来る!」という地方CMを見かけるとのこと。
そしてそのツアー本数を見て、自分たちが疲れたと言っている場合ではない、と感じるほどのライブの多さだと言う。
そんなMCから続く「歩きつづけるかぎり」は根本氏がギターボーカルで参加するスペシャルバージョン。怒髪天のメンバーが、腰をかがめて重心を低く演奏しているのがカッコいいというMCもあった。
ラストは会場が一体となれる楽曲「オトナノススメ」で締めくくり。
2階席はスタレビファンの人が多かったのか、当初は静かに見ていた人たちも、最後には、「オトナノススメ」の振り付けを一緒にやっている姿を多く見かけた。
最後はハッピーな雰囲気で締めくくり、10曲を駆け抜けた。
怒髪天は3月に新譜を発売したが、そういった告知の類は一切なし。中野サンプラザの閉館とスターダスト☆レビューとの対バンと言うことに集中するような気持ちだったのだろうか。
さて、今回の怒髪天のセトリ、意外と渋かったと感じたのは筆者だけだろうか。1曲ずつ見ていけば、確かに定番が並んではいるのだが、全体を見るとどこか渋い雰囲気が漂っている。
おそらくその理由は、中盤に並んでいる演歌的な世界観の楽曲群にあるように思えた。
筆者の想像であるが、スターダスト☆レビューが洗練された、お洒落な音楽のバンドであることから、あえて怒髪天は”らしさ”を出すために、男臭い曲を並べたのではないか。
そうすると「クソったれのテーマ」という渋いチョイスも頷ける気がする。
とは言え、怒髪天も結構ミクスチャーなバンドであり、演歌的な楽曲ばかりではもちろんない。そして上原子氏がスタレビのファンであるように、世代的に洗練された音楽への憧れは絶対にある。
またジャズっぽいビートやダンスナンバーもあるので、実は音楽的な多彩さも怒髪天の特徴だ。
しかし今回はその本家とも言える”スタレビ先輩”が来るので、自分たちにしか出せないカラーで勝負しよう、となったのかもしれない。
怒髪天は割と先輩に対しては恐縮してしまう節があり、ちょっと気を使い過ぎた感もなくはない。
1曲くらい変化球の曲を入れると、多彩な怒髪天”らしさ”がむしろ出て面白かったかな、と言う気も個人的にはした。
転換~スターダストレビュー~アンコール
最初のクイズ大会で予告されたのだが、ステージの転換時にもメンバー全員によるクイズ大会が続けられる。怒髪天は本番が終わった直後にもかかわらず、ハードな進行である。
見ている側も転換にお手洗いを…などと思っていた人も、身動きできない状態である。
全部のクイズを覚えてはいないが、「初来日が中野サンプラザだった海外のミュージシャンは?」と言う問題で、両バンドとも正解しなかったが、答えはビリー・ジョエル(1978年に初来日)であった。
ちなみにヴァン・ヘイレンは1978年のデビュー半年の頃、新宿厚生年金会館の2Daysが最初、その直後に中野サンプラザ2Daysだったそうである。
さてクイズコーナーを経て、筆者にとっては初のスターダスト☆レビューのライブである。最初にも書いた通り、聴き始めて1週間くらいのライブである。
ちなみに、このアルバムがおすすめという記事を見ながら『THANK YOU』『艶』『還暦少年』の3枚をとりあえず聴き、あとはサブスクでベスト盤から定番そうな楽曲をいくつか聴いた程度である。
しかし選んだ3枚のアルバムのチョイスが、今回のライブと結構マッチしていたようである。
スタレビの最初は、「しばらく声出ししていなかったから練習」と、即興演奏しながら、各メンバーが歌っていく流れに。最初から笑いも誘いつつ、雰囲気を作っていく辺りがさすがである。
そして「AMAZING GRACE」のアカペラが始まる。話には聞いていたが、コーラスグループかと思うほど、重厚なコーラスのアカペラである。
そのまま定番曲「夢伝説」へと流れていく。最初から出し惜しみなし、いきなり頂点に持っていくかのような選曲である。
根本氏は歌いながらギターを弾き、ギターソロも弾き、と縦横無尽の活躍である。そしてメンバー全員によるコーラスも素晴らしかった。
続いて筆者の予習の成果が実った「還暦少年」が披露された。この曲が収録された『還暦少年』はまさに彼らを言い当てたタイトルだが、非常に溌溂とした名盤であった。
MCでは「スターダスト☆レビューを知らなくても、この曲は知っている人が多い」と語り、「今日は普段やらないバージョンで」と披露されたのが、「木蘭の涙」である。
普段のライブではアコースティックバージョンが披露されるそうだが、今回は珍しくスタジオ音源のバージョンであった。個人的にはこのバンド演奏バージョンも好きで、嬉しいサプライズだった。
続くMCではスタレビと中野サンプラザの思い出を語りつつ、実は初めて中野サンプラザに立ったのは、1979年ポプコンで「アレレのレ」(改名前のスタレビ)として出た際であったと言う。
「その時に披露した楽曲を」とのことで、1981年の1stアルバム『STARDUST REVUE』から「たそがれラプソディ」が披露された。
先ほど急に決めた、と言っていたためか、演奏が合わずにやり直す場面もありつつ、いきなり披露できるのも驚きである。
初期の楽曲が続き、1981年の2ndシングルから「銀座ネオン・パラダイス」では、サビの「銀座」の部分が「サンプラザ」や「中野」に換えて歌われた。
予習不足で唯一ついていけなかった感があるのが、「NO!NO! Lucky Lady」であった。振付があり、こうしたダンスナンバーもあって、曲の幅が広いのがスタレビの魅力であろう。
ダンスナンバーが続き、1985年の3rdアルバム『THANK YOU』から「と・つ・ぜ・んFall In Love」。
脱退した三谷泰弘氏の楽曲だが、個人的にはこの頃のソウル~AORテイストの楽曲が気に入っている。サビも歌いやすいので、皆で合唱となっていた。
あっという間にスタレビのライブもラストとなった。最後の楽曲は、「お互いの曲に加わる」ということを決めていたようで、ここで怒髪天の増子氏が登場。
増子氏が歌いたい曲で、中野のカラオケで練習していたとのこと。披露されたのは初期の代表曲「今夜だけきっと」である。
このキーで一緒に歌えるのは杉山清貴氏に続いて増子氏が2人目だと言う。そして怒髪天ではだみ声ボーカルだったので、スタレビファンの人は増子氏の意外にも(?)歌が上手いのに驚いたかもしれない。
最後の曲を終えると、再び怒髪天のメンバーも加わって、最後のクイズ大会となった。最後に出題されたのは、中野サンプラザの控室の中にある「コンダクタールーム」の使用料は?というもの。
スタレビメンバーが意外にも低い金額を言うので、増子氏は「低すぎじゃない?」と述べ、増子氏は高額と予想。答えを見ようとしたら、根本氏の持っていたタブレット画面が消えてしまう。
あわや答えが分からずじまいになりそうだったが、正解は18,300円と、意外にも高くない値段の方が正解だった。
そして最後には、さよなら中野サンプラザの公式グッズに(確か)メンバーのサインを入れたものを、お客さんにプレゼントするコーナーもあった。
こうしてクイズ大会は終わり、最後はスターダスト☆レビュー、怒髪天の全員で1曲披露することに。曲はサディスティック・ミカ・バンドのカバーで「タイムマシンにおねがい」である。
お祭り的な華やかなムードでライブは終了。
終演後のステージでは、スターダスト☆レビュー・怒髪天のメンバーが固く握手をしている姿が印象的であった。
時間は21時を過ぎたくらいだったか。もっと長いライブを予想していたが、会場の時間もあったのか約2時間半のライブだった。
さて、初のスターダスト☆レビューのライブだったが、やはり百戦錬磨の人たちで、自分たちのペースを作るのが上手いように思えた。
演奏が上手いのはもちろんのことだが、どんな場所でも自分たちのステージにできることに優れているバンドだと実感したのだった。
それは別の言い方をすると、非常にラフで自然体であるということだ。
あまり対バンをやったことがない、というMCもあったが、だからこそ”発声練習”と称して、即興演奏をするなど、その場でできる最大限に楽しいパフォーマンスを行えるのである。
また何度か演奏が合わずにやり直す場面もあったが、それもご愛敬、自分たちのペースを保ったままライブが進行した。
怒髪天のライブに、やや自分たちのカラーを、と言う気負いを感じただけに、全く自然体だったスタレビがより対比的に見えた節もあった。
ただ根本氏のMCの端々には、ライブや演出へのこだわりも窺えた。職人的なこだわりはありつつ、それをステージでは見せないようにする、まさに音楽のプロ集団であると感じたのだった。
※ライブ当日の写真
<セットリスト>
※収録アルバムは、できる限り初出の作品を紹介している。
No. | タイトル | 収録アルバム |
---|---|---|
怒髪天 | ||
1 | ジャカジャーン!ブンブン!ドンドコ!イェー! | ミニアルバム『ジャカジャーン!ブンブン!ドンドコ!イェー!』(2021) |
2 | HONKAI | アルバム『夷曲一揆』(2018) |
3 | プレイヤーI | ミニアルバム『男呼盛”紅”』(2014) |
4 | 令和(狂)哀歌~れいわくれいじぃ~ | ミニアルバム『more-AA-janaica』(2023) |
5 | GREAT NUMBER | ミニアルバム『プロレタリアン・ラリアット』(2009) |
6 | クソったれのテーマ | アルバム『武蔵野犬式』(2002) |
7 | 孤独のエール | アルバム『ヘヴィ・メンタル・アティテュード』(2020) |
8 | ド真ん中節 | ミニアルバム『オトナマイト・ダンディー』(2010) |
9 | 歩きつづけるかぎり(w/根本要) | アルバム『Tabbey Road』(2012) |
10 | オトナノススメ | ミニアルバム『オトナマイト・ダンディー』(2010) |
スターダスト☆レビュー | ||
1 | AMAZING GRACE | ライブアルバム『FACE TO FACE』(1992) |
2 | 夢伝説 | ベストアルバム『TO YOU -夢伝説-』(1984) |
3 | 還暦少年 | アルバム『還暦少年』(2018) |
4 | 木蘭の涙(オリジナルバージョン) | アルバム『SOLA』(1993) |
5 | たそがれラプソディ | アルバム『STARDUST REVUE』(1981) |
6 | 銀座ネオン・パラダイス | ベストアルバム『Best Wishes』(1990) |
7 | NO!NO! Lucky Lady | アルバム『Goodtimes & Badtimes』(1997) |
8 | と・つ・ぜ・んFall In Love | アルバム『THANK YOU』(1985) |
9 | 今夜だけきっと(w/増子直純) | アルバム『VOICE』(1986) |
アンコール(スターダスト☆レビュー・怒髪天) | ||
1 | タイムマシンにおねがい(サディスティック・ミカ・バンドのカバー) | アルバム『黒船』(1974) |
ライブを振り返って – 2つのバンドの個性と共通性
スターダスト☆レビュー×怒髪天という、異色の組み合わせによる中野サンプラザ公演は大成功に終わったと言えるだろう。
改めてライブを振り返ると、両バンドそれぞれの個性の面白さ、そして見えてきた共通点もあるように思えた。最後に少し考察してみようと思う。
それぞれの個性 – バンドと楽団
まず両バンドそれぞれの個性については、ともに”ライブバンド”でありながら、その佇まいが違う点が面白く感じられた。
筆者が感じたのは、怒髪天が”バンド”ならば、スターダスト☆レビューは”楽団”という言葉が似合うのではないか、ということである。
怒髪天が主にライブをするのは、ライブハウスである。演者、観客はお互いの汗やつばがかかるような距離で、エネルギーをぶつけあうような場所だ。
怒髪天のライブは、バンドの作り上げる音がエネルギー、熱量となって、見る側にぶつけるかのような感覚である。
それは暴力的な意味での”ぶつける”ということではなく、とにかくステージ上にある熱量が、ストレートに見る側のパワーになるようなライブなのだ。
一方でスターダスト☆レビューは、高い技量から繰り広げられる、音の祭典といった感覚だった。怒髪天が肉体的なパワーだとすれば、スタレビは音そのものにパワーがある。
各々磨き上げられたミュージシャンが集い、非常に洗練された音が泉のように湧きあがり、見るものを引き込むのである。
音楽そのものの力をダイレクトに、そして楽しく伝えてくれるスタレビは、”楽団”という言葉が似合うように筆者には感じられたのである。
2つのバンドに共通するもの
ここまで述べたようにバンドとしての佇まいも違うし、もちろん音楽性も異なる2バンドである。しかしどこかで通じているものもある。
MCでは3つの共通点があると根本氏が述べていた。それは「ヒット曲がない」「話題がない」「逮捕された人がいない」であることだそうだ。
自虐も交じりつつの発言であったが、別の見方をすれば、余計なことを考えずに愚直に音楽を続けてきた人たち、と言うことも意味するのではないか。
幅広い層に知ってもらうためには、”音楽通”以外の人たちまで巻き込まなければならない。そうすると音楽とは関係のない話題づくり・キャラづくりのようなものが必要になってしまう。
しかし両バンドとも、そんなことには興味がなく、ライブ・コンサートという場所を主な活動場所として、ひたむきに音楽活動を何十年も続けてきた人たち、ということなのだ。
もちろん、それが続けられるだけの力量もあり、運もあったのだろうが、根本氏が語っていたように「自分の作った音楽を人前で披露して一緒に楽しんでもらう」のが好きな人たちでもあるのだ。
そしてバンドのメンバーと音楽をやるのが好きな人たちなのだろう、とも思った。スタレビも怒髪天もメンバーの仲が良さそうである。
両者とも、とにかくライブで演奏している姿が様になるというか、ステージで本当に輝く人たちである。
スターダスト☆レビュー×怒髪天という取り合わせは、今後はなかなか実現しないかもしれないが、シンパシーを感じたであろう両者が、再びどこかでコラボするのも見てみたいものだ。
<5月11日のライブで披露された楽曲が収録されたおすすめアルバム>
・怒髪天 – 『Tabbey Road』(2012)
「歩きつづけるかぎり」収録、粒ぞろいの楽曲とアルバムのトータル感が抜群のアルバム。
・スターダスト・レビュー – 『THANK YOU』(1985)
「と・つ・ぜ・んFall In Love」収録、洗練されたアレンジと楽曲、初期の名盤の1つ。
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